QED第6弾。シリーズの中でもけっこう好きかも。竹取物語と歴史の、公に語り継がれてきたのではない歴史のできごととの結びつきがキレイにまとまっている。と言ったら百人一首だって六歌仙だって東照宮だって好きなんだけど。
ラストシーン、犯人側の業をうつしとるのもいつも通り。歴史をあつかう以上その重みはどうし
...続きを読むたって必要なのかもしれない。
途中で奈々ちゃんがタタルさんに「なんか足りないです」ってかみつくところがよかったなあ。解決は「らしい」なぁ〜って感じだったけど、奈々ちゃんが成長している。最近手にぎらないけど確実に進展していてよいですね。
そして今作はお酒がいつも以上においしそう!奈々ちゃんはお酒が強いとこがよいですね。
奈々ちゃんのキャラクタはどこか非現実的で、実際こんな女の子いないよなーと思うし、だからといって男性の理想化された女子像とも言い切れない。それは高田作品の特徴ともいえる部分で、まず謎ありきでそれを構成させるための要素として人間も配置されているから、どこか非人間的な、表側しか描かれていない”役割人間”のような匂いが漂う。それを、パズルの怖さ、と森博嗣が敗け密(だっけ?)の解説で表現していたけど、ハマる人にはくせになる。ぞくぞく。QEDシリーズは随分と物語色が濃く丁寧に語られてはいるけど、それでも高田崇史には物語を作る姿勢としてそういうものが根本にあるのかなと感じる。
東照宮、百人一首、竹取がベスト3かな。竹取は中でも歴史側の語りが堅実で、ごちゃごちゃに散らからずすんなりつながる感じで、特徴だと思う。あ、好きなのはダントツ東照宮です。