五十嵐貴久のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「何度だってやり直せばいいんだよ!バーカ!」
そうだそうだ!
もちろん最初からというわけにはいかない。これまでのことをなかったことには出来ない。
でも、今ここからまたやりたいことを始めればいい。そう出来るんだよってこの小説は言ってくれている。
無理だって決めつけて、見るだけだったバンドを始めた主人公達。
練習をしながらパートに通って、家事もやって…って本当に大変だけど、楽しいって気持ちが伝わってきて私も何か始めたくなった。
途中まではまさかこの小説で泣くなんて思わなかった。
でも泣いた。いいなぁ…と、良かったなぁと心から思えた。
とっても素敵なラストだったけど、終わってしまったことが寂しい -
Posted by ブクログ
五十嵐作品、初対面からは印象の良い出会い、のあとここんとこ2冊続けて「なんか違う。。」感を味わったので、もうこれが合わなければ私別れる、この恋あきらめるわ。。くらいの棘の分かれ道だったんですが、この作品はキタねー。これはぞっくぞくした。「リカ」なんかよりよっぽど、人間というものの怖さと強さを思い知る。1章の終わり、 「何も無い部屋の真ん中に、藍色の菖蒲が一花活けてある。その濃い青が、鉄之介の瞳を染めた。」ここは痺れた。やっぱりこの作者さんはどえらい創作の泉を内に持ってる。この一文は私が高校国語教師なら、後の井伊直弼である鉄之介の心情とともに解釈を書かせる授業をするね。深い失意と恨みと諦念が襲う