あらすじ
無意味で残酷な世界の前で、彼らが取り戻そうとしたもの。それは、つまり、希望だ――。東日本大震災がきっかけで、離れ離れになった幼馴染の六人。中学三年生になったある日、東京で暮らしていたセータの下に、仲間の一人が投身自殺をしたという知らせが入る。当時の担任とともに現場である北海道の岬に向かった五人だが、その帰りに橋から車ごと落下する事故が起きてしまい……。過酷な運命に翻弄されながらも、現実を受け止め、前を向こうとする少年たちの「再生」を描いた感動の長編小説。解説は、いきものがかり・水野良樹氏! 『蘇生』を改題して、加筆。
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Posted by ブクログ
東日本大震災以降、それぞれの事情により全国各地に離れ離れになった6人は中三になった。
そんな中、仲間の1人である葉月が自殺したと知らされる。
葉月の暮らしていた北海道に、当時の担任と集まることになった。
震災に対するそれぞれの思いや悲しみを抱えながらも、今もそれぞれの地で上手くやっていると繕う。
しかし、岬へ向かった車が橋から転落し、助けを求めて森をさ迷うことになる。
そこで徐々に浮き彫りになるそれぞれの今の生活や心境。
震災のあの日から崩れてしまった多くのものの大きさが、多くの人の心を塞がせ、狂わせてしまったのかもしれない。
傷は大きくても、未来もまだまだ長い彼らの力強さが救い。
2020.4.16