あらすじ
無意味で残酷な世界の前で、彼らが取り戻そうとしたもの。それは、つまり、希望だ――。東日本大震災がきっかけで、離れ離れになった幼馴染の六人。中学三年生になったある日、東京で暮らしていたセータの下に、仲間の一人が投身自殺をしたという知らせが入る。当時の担任とともに現場である北海道の岬に向かった五人だが、その帰りに橋から車ごと落下する事故が起きてしまい……。過酷な運命に翻弄されながらも、現実を受け止め、前を向こうとする少年たちの「再生」を描いた感動の長編小説。解説は、いきものがかり・水野良樹氏! 『蘇生』を改題して、加筆。
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Posted by ブクログ
東日本大震災の被災者となった子どもたち。
11歳の小学5年生の時6人の仲良し同級生は、
震災後から3年経ち、仲間の葉月が北海道で
亡くなったとの訃報を聞く。
彼らは、小学生の頃の担任と共に
葉月の飛び降りた岬へと向かう。
そこで、事故に遭い、北海道の広大な森林から
抜け出し、困難の中を彷徨うことになる。
3年間の間、被災地からバラバラにそれぞれの街へ
彼らの苦しみ、思いが綴られていく。
福島原発の起こった街での、津波の被害。
子供達がその後どの様な思いで過ごしたのか、
被災者にしかわからない運命と苦しみが、
重くのしかかる。
あの時、海が見えない土地へ被災者700人を
北海道の夕張に招待した企画があった。
参加出来た人たちは本当に楽しそうで、
見たこともない雪の世界で走り回っていた。
ただ、そんな事はいっときの楽しさで、
心の奥も、その後も理解することも
救うことも出来ない。
そんな子供達に対する残酷な大人たちの仕打ちも、
想像していなかった。
リカシリーズの作家、五十嵐貴久は人間の心理を
深く抉ってくる。
ただ、この作品には、希望が残されている。
Posted by ブクログ
東日本大震災以降、それぞれの事情により全国各地に離れ離れになった6人は中三になった。
そんな中、仲間の1人である葉月が自殺したと知らされる。
葉月の暮らしていた北海道に、当時の担任と集まることになった。
震災に対するそれぞれの思いや悲しみを抱えながらも、今もそれぞれの地で上手くやっていると繕う。
しかし、岬へ向かった車が橋から転落し、助けを求めて森をさ迷うことになる。
そこで徐々に浮き彫りになるそれぞれの今の生活や心境。
震災のあの日から崩れてしまった多くのものの大きさが、多くの人の心を塞がせ、狂わせてしまったのかもしれない。
傷は大きくても、未来もまだまだ長い彼らの力強さが救い。
2020.4.16