あらすじ
犯罪抑止対策室の遠野麻衣子に、交渉人研修への参加命令が下される。次々と候補者が脱落する中、特殊詐欺の摘発に参加することになり――。交渉人誕生を描く大人気シリーズのエピソード0が初文庫化!
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Posted by ブクログ
五十嵐貴久『交渉人・遠野麻衣子 ゼロ』河出文庫。
『交渉人』が刊行されたのは2003年のこと。それから20年の時を経て河出文庫から『交渉人・遠野麻衣子』『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』『交渉人・遠野麻衣子 籠城』が加筆修正・改題の上、刊行された。そして、本作の『交渉人・遠野麻衣子 ゼロ』はリメイク・シリーズの始まりを告げる序章という位置付けのようだ。
20年以上前のシリーズをリメイクしたことで、作中にはスマホやタブレット、ドローンといったIT機器やハイテク機器、トクリュウによる強盗事件、特殊詐欺事件など最近の世の中の動向を反映している。
遠野麻衣子が優秀な交渉人であることは既に明らかであるのだが、遠野麻衣子が厳しい研修により篩にかけられ、交渉人となる過程は興味深い。
ある日、警視庁生活安全局生活安全企画課犯罪抑止対策室の女性キャリアである遠野麻衣子に警視庁刑事部捜査一課特殊犯罪係第一班への異動が伝えられる。そこで、麻衣子が3ヶ月間交渉人の研修を受ければ、元の職場に戻すという約束であった。
研修の講師を務めるのは変り者という評判の石田警視で、彼のもとに各署から選抜された8名の警察官が集まった。次々と脱落していく研修生。最後まで残ったのは……
定価880円
★★★★