五十嵐貴久のレビュー一覧
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「世界のシラハセ」と称された、かつての名監督二十五年ぶりの新作映画「妖奇」。その試写会に参加した者のほとんどが、不可解な状況で死を遂げた。監督自身や関係者にも死亡者が続出する中「妖奇」は話題性を生み、公開が待ち望まれるものの、試写会に参加しながら生き残った面々はそのことに危惧を感じる。「妖奇」は呪われた映画ではないのか、そして彼らが生き残った理由とは。パワフルなホラーです。
呪いの映画、というとありがちなテーマに思えますが。呪いのパワフルさが半端ありません。一気に四十五人ばっさり。逆に爽快感すら感じる酷さ。残された人たちに徐々に迫りくる呪いもまた怖いし痛そうでとことん嫌。どこまでも救いようがな -
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ネタバレミステリーではなくホラーなんですね!
ってことには序盤で気づけたのでよかったです。
映画業界の古い慣習の被害者になった俳優やスタッフの怨念によって引き起こされる集団自殺や不可解な事故死。
監督1人が悪いかと言われたらそうではなく、『よくあること』と見てみぬふりをし続けてきた関係者や、『映画が売れさえすればいい』と言わんばかりに監督のわがままを冗長させてきた側近たちも共犯なのだと怨念たちは伝えているようです。
登場人物がそこそこ多く、それぞれの視点で描かれており小刻みに場が入れ替わるので、分かりづらさは確かにあったと思います。
テーマが映画でもあるし、映像化したら映えそうでもありますが、ス -
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リカシリーズ第8弾。
前作のリセットを読み終わった時にはすでに発売してたのに、気がついたら2年も経ってしまった…。
終わらせたくない気持ちの表れ、と言い訳しておく。
本作は久々に現代編、といえばいいのだろうか。
『リターン』のその後どうなったのかを表現されており、当時の登場人物が出てくるのでファンにとってはたまらない。
良くも悪くも…。
リカリカしいというよりは、次作の『リボーン』(最終巻)に向けて伏線を回収したり、逆に伏線を張ったりと、全体をまとめつつの助走といった印象。
あ、助走と言いつつ、しっかり狂気感は健在です。
そうそう、伏線といえば、
リセットでは多くを語られなかったあの登場 -
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鎌倉市にある大学に入学をきっかけに、『サニーハウス鎌倉』なるシェアハウスに暮らすことになった藤崎理佐。いつか見たテレビのバラエティ番組で見た複数の男女が暮らす光景に憧れもあったが、実際のシェアハウスは楽しく過ごせるばかりではなく、ひとりひとり様々な事情を抱えている。ある時、入居者のひとりが変死体となって発見される。死体は事故として判断されたが――。
というのが本作の導入です。境遇も年齢も違う男女が複数集まれば、人間関係は必ずしも良いふうにばかり転がるわけではなく、不穏さを抱えることもあるでしょう。人間関係は徐々に歪んでいき、その様子を読みながら、あぁこういうラストかなぁ……、なんて思って -
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ネタバレ前作『リベンジ』のラストからつながっているストーリーとのことで、リカの娘が無惨に轢かれた衝撃的な展開から始まっている。
捜査パートはほぼ膠着状態でやや面白みに欠けるが、輸血が必要な娘のために現在進行形で殺害を繰り返すリカパートも差し挟まれるので、ハラハラを保ったまま飽くことなく読める。
リカの人格がここまで歪んだのは、生まれ持った素質もあるだろうけど、折檻をくりかえし挙句の果てには新興宗教にハマった母親のせいでもある。
そのあたりの闇も描かれていて、このリカシリーズにさらに奥行きがでた感じがした。愚かな教団の狂宴のために、猫ちゃんが生贄として惨殺されるシーンは本当に読むのが苦しくて許せなかった -
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リカシリーズ 第7弾!
今回も凄まじい作品を読んでしまった感じがする。
リカが高校1年のときのお話。
養女としてリカは升元家に住むことに。
そして、その升元家で暮らしている次男 晃くんと
同じ高校に通うことになるのだが………
その高校でも升元家でも事件や事故が起こり始める。
読んでいて、晃くんが一番の被害者だと思ったのと晃くんを守ろうとした同級生の萌香ちゃんが居た堪れない…。
第7弾の本書は、グロテスクな描写より性的描写の方が多い印象。そのような描写が苦手な方は注意を。
私は耐性がないため、そこの部分だけ少し飛ばしながら読みました…(汗) -
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*十二発の銃弾を雨宮リカに撃ち込んだ事件から約二年──懲戒免職になった元刑事の青木孝子は浮気調査専門の興信所に勤めていた。リカの復讐に怯える日々を過ごすなか、リカらしき女の目撃情報が届く。事件に決着をつけるため京都へ向かった孝子は、リカの異常な逃亡生活の足取りを摑むが……。憎悪に塗まみれた二人が再び対峙する、シリーズ第八弾*
前半は、過去作のまとめと言うか、過去詳細の擦り合わせ的な運びだったのがとても良かった。そろそろごっちゃになってきていたので。
そして怒涛の後半、リカとまさかの+α…!
そう来ましたか!てか表紙ー!と畳み掛けられて、早くも次作が待ち切れない。