五十嵐貴久のレビュー一覧
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水野忠邦による天保の改革の尻馬に乗り、苛烈な取り締まりを行った、妖怪の異名を取る鳥居耀蔵。
南町奉行に収まった彼は、富くじの裏で陰富を行い、百万両を貯め込み、ひたすら金に執着している。
彼の仕打ちにより、肉親をあるいは職場を失った者たちが、鳥居が溜め込んだ金を残らず奪おうと計画を企てる。
父を切腹に追いやられた矢部鶴松。
江戸から追放された七代目市川團十郎。
高座を潰された立川談志。
発禁処分を受け、酒に溺れて亡くなった読み本作家の娘お葉。
この4人が繰り広げる命を賭けた騙し合いに、痛快感爆発。
腕もたつし、機転が利くが、どこか抜けているところがある鶴松のキャラがいい。
「黙って耐えてた方が得 -
Posted by ブクログ
警察小説の重鎮、中堅どころ4人の作家による文庫オリジナル短編集。
偶に読みたくなる刑事もの。
事件が発生して捜査本部が立ち上がる。
本部による捜査では働き方改革なんてもってのほかのブラックな労働環境。そこにカタルシスを感じてしまうのは昭和生れの名残りか。
本部と所轄、ベテランと若手、幹部と下っ端。
組織、チームならではの人間模様には確執、軋轢が蠢く。
地道な捜査から浮かび上がる細々とした点と点。それを繋ぐ線はベテラン刑事の長年の経験とある種のカン。ベテランは新人若手を育てる。
ま、警察小説の醍醐味は語り尽くせない。
なので見応え十分な長編も捨てがたいが、キレの良い短辺もナカナカ。本書もそんな感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ杉並で小学生男子、和光で中学生女子、名古屋で赤ちゃん、と別の場所で別の殺人事件が起こる。
それぞれを捜査する様子が描かれている。
杉並と名古屋はある程度の土地勘があるため、読んでいて楽しい。
名古屋の赤ちゃんの母親の言葉がつらい。
こどもなんかほしくなかった、分不相応な注文住宅も、なんでも普通、普通を当たり前に選ぶ夫もイライラの原因だと。
杉並事件、本庁捜査一課鶴田理奈は星野と組む。先走るタイプの理奈はゆっくりさんの星野にいらいらしつつも、多分うまいなと思っている様子。
和光事件、県警捜査一課神崎俊郎、中江由紀が組む。
由紀を憎からず思っている俊郎と、この先の展開が気になる。
名古屋事件、