五十嵐貴久のレビュー一覧
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日進月歩どころか分進秒歩ともいわれる現在、身のまわの物を扱った現代ものの小説などは、数年で陳腐なものになってしまう。
携帯電話の、ガラケーからスマホへの変化など、その極みだろう。特にミステリーなどで、通信手段として重要な場面で使われると、違和感が際立つ。
そんな思いから、著者は2002年発表の思い入れのある作品『交渉人』を大幅に改稿し、『交渉人・遠野麻衣子』と改題し、河出文庫で刊行。
『交渉人』を読んだのは、16年も前であり、その幻冬舎文庫版を拾い読みしながら、本書を<再読>。
本文が445頁だった幻冬舎文庫版に比し、この河出文庫版は345頁と、冗長だった箇所が割愛され、スピーディ感が増してい -
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叔母と私の2つの時間軸が交互につづられるかたちで物語が進む。
特に叔母が過ごした1980年代については、高校生活の出来事、会話の間合いなんかが本当にリアルで引き込まれる。江ノ島まで男女10人で遠出したり、進路をこっそり話し合う雰囲気、卒業式後の同級生の挙動など。ああこんな感じだったなと自分の忘れていた高校生活が再びなぞられ、思い返せば楽しいこともいろいろあったなと幸せな気持ちになる。それもイヤな奴が出てこないおかげか、優しい気持ちに浸れて心地いい。
友人関係など自分の近辺で感じることは現代と同じようなものだけど、日韓の関係性というもう少し広い世界に目を向けるとその時代の空気が今とは異なることも -
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五十嵐貴久『命の砦』祥伝社文庫。
女性消防士・神谷夏美シリーズ第3弾。
余りにも救いの無い結末には愕然とした。なかなか消火活動や救命のシーンが描かれず、消防署組織のゴタゴタばかりが続き、読んでいて気持ちが焦れる。挙げ句、マグネシウム火災の怖さばかりがクローズアップされるのだ。
しかし、こういう無差別テロは何時起きてもおかしくない時代だということも心に留めておきたい。
クリスマスイブの夕方、多くの人びとで賑わう新宿駅地下街が何者かによる同時多発的に放火される。迷路のような地下街はたちまち火の海となり、数万人が閉じ込められる。
銀座第一消防署の消防士・神谷夏美は、同僚や知人との楽しい夜を -
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ネタバレ感想
話の展開のテンポが良く、読みやすい。探偵社には七人の探偵がいるが、色々な個性を持つ人がいることや社長である金城も謎めいていて今後のシリーズも期待できそう。
あらすじ
最大手のトヨカワ自動車に勤めていた雅彦は、社内での営業成績が振るわず悶々とした毎日を送っていた。そんなある日、金城という私立探偵から突然、探偵をやってみないかと誘われる。
お試しで探偵を始めた雅彦であったが、探偵社が抱えていた案件に参加することになる。刑事から、有名私立中学で、女子生徒が複数の男性と関係を持っているという告発を調べることになった。
さらにその生徒が同じ学校の教師とも関係を持っていることを調査するが、その -
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何作か集中的にボクシング関係の小説を読んでますが、女性ボクサーの物語は初めてです。映画だと『ミリオンダラー・ベイビー』はよかったなぁ。(すぐ話が逸れる!)
展開はベタで解りやすく、とても読みやすい物語でした。DVにより身の危険を感じるまでになった夫から逃れ、苗字・住所・仕事を変えて娘と共に再出発した33歳の愛。職場の同僚の付き合いで、やむなく始めたボクササイズでしたが、次第に熱中していきます。本格的なボクシング、ライセンス取得、デビュー、タイトル戦へと変容し、主人公の身近で飾らない姿が描かれます。
なぜそこまでするのか? 何事にも自信をもてない愛にとって、自分にもできることがあると胸