あらすじ
年間4億円の赤字を理由に、地方小都市の市民病院は消滅寸前。勤務医が辞めていく中、34歳の青年医師、速水隆太は院長に名乗り出た。課された使命は3年で赤字ゼロ――。無理難題を前に、「すべての患者を断らない」という方針の下、病院再建に奔走する隆太の行動力は、周囲の人びとをも巻き込んでいく。医師会、市議会、そして国。巨大な壁を相手に奇跡を起こせるか!? 実話を元に描く、医療のために戦い続けた者たちの物語!
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Posted by ブクログ
三重県の市民病院で院長の話をもとに描かれた実話。格差の無い社会、誰もが健康でいられる基本的人権を守るために奇跡という種を蒔く。周りに頼る、周りを助ける本当に素晴らしい人でした。
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登場人物が多く物語が軌道にのるまで時間を要したが、中盤からはどんどんひきこまれ一気読み。コロナ禍で医療が逼迫している内容は想像がついたが、土壇場で踏みとどまる市民病院のスタッフたちの熱意に心をうたれた。善と悪が本当にわかりやすく、(笑)めっちゃ肩入れしやすかった。。痛快。
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年間4億の赤字を理由に、とある市立病院は閉鎖の危機に陥っていた。誰もがそこから逃げ出す中、34歳の速水医師は医院長に名乗り出た。
3年で赤字を無くす課題を課せられた速水は、全ての患者を断らないと言う方針を固めて…
過疎化していく地方都市の市立病院。年々患者の数が減っていくのを黒字にするのは至難の業。熱意は誰にも負けない速水だけど、周りは乗ってきてくれないのがもどかしかったです。それでも、若さ故の理想論だけで片付けず、自分一人でもやり抜こうとする姿に、次第に助けてくれる人が少しずつ増えたのは嬉しかったです。
そして、速水の次なるステージへと歩み始める姿も読んでみたいです。
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好きな作家さんなので
内容も良く見ず手に。
あ。なんだーモデル志摩病院じゃん。
フィクションだけどノンフィクション。
他府県は愛知、滋賀など実在で書かれ
位置関係もリアルなのですが
絵美県→三重県
井静詩波地方→伊勢志摩地方など
関係自治体はパロディーの様な名詞に置き換えられ
伊勢志摩出身者としては
全く違う 架空の自治体名にして頂いた方が
読みやすかったかも。
井静神宮だけは…
は?ありえないわーと
思いました。
伊勢神宮も下手なパロディー名にしちゃいます?
Posted by ブクログ
医療モノだと思ってなかったからびっくりした。たしかに表紙にお医者さんいるけれど! 志摩がモデルなのが端々から伝わってきて、なかなか胃がギュッとなるシーンが多かった……。スピード感あって面白かった!
Posted by ブクログ
ホンマにあの役所はどうしようもないね。それに怒って銃をぶっ放す、そんな対極のお話を読んだところですが、これは小さな意識革命が組織や人の心も変えていくという希望あるお話し。こんな上手くいくことは実際にはないけど、ちょっとだけ気合いが入りますね。
Posted by ブクログ
何の因果か知らないが、小泉孝太郎主演で父が起こして叔父から継いだ潰れかけた病院を継若い医者が、その病院を立て直すという似た設定のテレビドラマを見た記憶があって原作かなと思って読み進めたが違ったようだ。
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五十嵐貴久さん特有のまとめ方。
テーマが、地域に根差した医療現場と、予算を少しでも削減したい厚労省との戦いで、しかもモデルがあるという。なかなか興味深く読めました。
ただ、三重県を絵美県としたり、志摩市を詩波市としたりの置き換えは、もうちょい何とかならなかったか?特に絵美は人の名前みたいで紛らわしい。
Posted by ブクログ
おもしろい。それにしても医師会も厚労省も徹底的に腐っているように描かれているけど、それほど国民は今の福祉や医療に信頼がないから生まれた小説なんだろう。
Posted by ブクログ
地方自治体病院の院長となった医師の奮闘。
赤字体質からの脱却や医師を始めとする医療従事者の確保など地方病院の課題は多い。
悪代官も登場するが最後は存続を勝ち取る。
諦めないこと、努力を続けることがやっぱり大事。
Posted by ブクログ
三重県の志摩市民病院をモデルにした、フィクションのエンターテインメント小説。
地方都市 絵美県詩波市の市民病院は赤字を積み重ね、ついに指定管理(民営化)への道を既定路線とされていた。
院長以下何名もの医師が辞表を出し、出遅れて残された34歳の医師速水隆太。
隆太が、地方に住む人々にとって命綱である市民病院を守るため、悪戦苦闘しながら立て直していく物語。
企業再生、地方再生などの作品同様、引き込まれて読んだ。
ただ脇道にそれるが、病院が正しく役人が悪い、と言い切れないところが複雑だ。
自分も含め、安心して暮らすためには医療は必須だが、国家予算は長い目で配分していかなければ子供たちの世代での暮らしは、今よりもずっと困難になる。
この市民病院のように、赤字を減らしうまく再生していけると良いのだが、そのために医療関係者が無理を重ねて疲弊してしまうのも心配だし、本当に難しいなと思う。
Posted by ブクログ
今年1冊目は、架空の自治体で起こった、市民病院の存続と指定管理化を巡る医療のお話。
全体的に駆け足気味な展開で新型コロナもあり、著者の主張がぼやけた感がありますが、小説という形で、今この時代に読むことができたのは、非常に貴重な体験でした。多くの人に読んでほしい。
Posted by ブクログ
どうした光文社、誤植多すぎ…。医の倫理・理想と国家の論理。「生産性のない老人を税金で支援」服部−厚労省が悪いのか?病院再生図る熱血医師に立ち塞がる厚労省・権力者の図式は分かり易いが、綺麗事では済まない現実もある。読み終えて溜飲をさげるわけにもいかない。どう超高齢化社会に対応していくのか、ホント待ったナシなんだが…
Posted by ブクログ
この本を読んで、日本は本当に大丈夫なのかと思いました。
人を大切にしない所は滅んでいく。
病院、学校、企業、国も例外ではない。
簡単に解決できる事ではないのはわかります。
でも皆が覚悟と責任感、周りへの気遣いと、そして笑顔を忘れないことが武器になるのではないかと勝手に思いました。
知らなければいけないことがたくさんあります。
がんばってる人は全力で応援したくなります。
我が国は色々考えなければいけない状況なのですね。
Posted by ブクログ
11月-07。3.5点。
実話を元にした、市立病院再生。
年間4億の赤字を抱える市立病院、院長、副院長も逃げるように辞め、30代の医師が院長に。。。
役人側を「悪人」ぽく描写し、わかりやすい構造で読みやすかった。
Posted by ブクログ
こんな医者がいて、こんな病院があることに感謝。心ある医療関係者もいるってことが分かった。志摩市であった本当の話。ステレオタイプの考え方はやめた方がいいね~
Posted by ブクログ
物語の舞台は地方の市立病院(モデルになったのは三重県の志摩市民病院)、4億円の赤字となったことを受け、指定管理となることを危惧した院長以下3名の医師が辞意を表明…残った医師は若干34歳の速水隆太1人だけだった…。地域住民の医療を守るため、どんな患者でも見捨てず診察する、開かれた病院として知名度を高める、職員の抜本的な改革などを打ち出し、奮闘する姿を描くストーリー。
「自助・共助・公助」について、厚労省の官僚がいけ好かないなぁ…。読んでいて、何だこいつ!って思っちゃった…。まず自分でなんとかする、できなければ助けてくれる人を…どうしても無理な場合は生活保護…でも、そこに頼ろうとする人々は医療を受ける権利がない??自分には関係ないことだからと蚊帳の外にいて…そんなイヤ~な奴がいて認めたくないがために、この作品自体の私の評価も下がってしまったかな。主人公の妻はいい感じの人でよかったんだけれど…。最初っから映像化を見込んだ作品のような印象をもってしまって…実際はどうだったんだろうか??って思わざるおえない作品でした。
Posted by ブクログ
※
赤字が続く市民病院を再建するため、
『どんな患者も断らない』理念を掲げて
奮闘する若い院長の物語。
物語を読みながら、市民病院の経営が
どのように保たれているか知ることができて
とても勉強になりました。
国の政策や医療体制の問題点、
医療現場で働くさまざまな人たちの葛藤、
医療サービスを受ける患者たちの苦悩など、
いくつもの異なる立場から語られることで
広い視点で医療について想像させてくれる
物語でした。
Posted by ブクログ
三重県志摩市民病院の事例をモデルにした、地方の自治体病院の再生物語。
病院改革側から書かれ、その意味では半沢直樹的に勧善懲悪の痛快な結末になっていて、厚労省の役人は悪役でしかないが、本書でも提示された老人医療・福祉の財政負担を維持すれば国家財政が破綻するというのは現実だ。
Posted by ブクログ
3.7
読んでいて、
パターンは違うのだが、小泉孝太郎主演のドラマと被った。
そして、厚労省とのやりとりはバチスタシリーズ(笑)
財政破綻している市民病院を救う若手医師。
この国の抱える医療の問題、向かうべき方向とは…