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総合病院で立て籠もり事件が発生。人質は五十人。犯人との交渉のため呼び出されたのは、左遷された遠野麻衣子だった――。ベストセラーとなった傑作サスペンスが大幅改稿の上で、待望の復刊!
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Posted by ブクログ
幻冬舎文庫版「交渉人」は読んでいて、すこぶる面白かった覚えがあったことと、今回は改題されたタイトルにも名前が入ったヒロイン・遠野麻衣子が魅力的だった記憶もあり購入した次第です。 数ある積読本から「ちょっとプロローグだけ読み返して寝ようか」くらいの気軽な気持ちでページをめくったら、まあ読み始めたら止ま...続きを読むらない止まらない。気がつけば読み終えていた午前1時に、自分でもびっくりです。 というわけで、細部は覚えていなかった部分もあったけど、やっぱりすこぶる面白かった記憶は間違いではなかったことが証明されたところで、寝ることにします。
2006年幻冬舎刊行の文庫は未読。 まずプロローグを読んで、ガチガチの警察小説を読むぞーという心構えが少し崩れた。 「え~、いきなり恋愛モノ?」という衝撃。 そして読み進めていくもわざわざ改題までされた遠野麻衣子は主役じゃないの!?と言うぐらい脇役ポジションに更に衝撃。 でも遠野麻衣子がどこか...続きを読むら活躍するのかと気になりながらもグイグイ惹き込まれる展開に。 遠野麻衣子、終盤、地味~にやってくれました。 面白い。しゃしゃり出ないのにいい仕事してます。 シリーズで読めるのが楽しみ。
五十嵐貴久『交渉人・遠野麻衣子』河出文庫。 既読であるが、大幅改稿、改題の上、復刊ということで、再読。親本は2006年に幻冬舎文庫から刊行されている。 再読しても、なお面白い。二転三転するストーリーと意外な結末。 終盤まで主人公であるはずの遠野麻衣子は余り活躍しない。何故なら麻衣子の教育係だっ...続きを読むた石田が犯人との交渉の矢面に立つからだ。まるで麻衣子はオマケのような扱いだ。しかし、ここに事件の全貌に関わる鍵があるのだ。そして、終盤の麻衣子の推理と行動に驚かされる。 シリーズは4ヶ月連続刊行されるようだ。楽しみは続く。 警視庁で交渉人の教育を受けていた遠野麻衣子は教育係の石田修平警視との不倫の噂を流され、不条理にも所轄の高輪署の経理課に左遷される。 それから2年。経理課での激務を終え、自宅で寛いでいた麻衣子に臨場要請が入る。 コンビニで強盗を働いた3人組の男が車で逃走、小出総合病院に逃げ込み、50人もの人質を取り、立て籠ったのだ。この事件に対応するため、麻衣子の臨場を要請したのはかつて教育係を担当していた石田だった。 本体価格840円 ★★★★★
オチは覚えてたけど、時代背景違うことでほぼ新しい作品に感じた。 ミステリとして普通によく出来てるなあというのは感じました。 3052冊 今年280冊目
簡単に解決出来そうな立て籠もり事件。 しかし突然予期せぬ出来事が重なります。 主人公と思われる遠野麻衣子もほとんど活躍しません。 最後の最後で大きく動き始めるのですが、それはとても鮮やかな感じでした。 続編も読んでみたい。
キャリアとして警察庁に入庁し、警視庁特殊班第一係に配属された女性捜査官を描いた警察サスペンス。シリーズ第1作。 ◇ キャリア採用の麻衣子は生活安全局に配属予定だったが、男女雇用機会均等法の煽りで刑事部特殊班第一係に配属変更されてしまった。 当初は形だけの要素が強かった麻衣...続きを読む子の評価は交渉人研修で一変した。受講者中ダントツで優秀な成績を修めたのが麻衣子だったからだ。 自然な流れとして麻衣子の特殊班第一係配属が正式に決定。麻衣子はネゴシエーターとして本格的に訓練を受けることになった。 訓練を担当するのが、麻衣子の上司で交渉のエキスパートでもある石田修平警視。石田の知見と麻衣子の能力から考えて、訓練はスムーズに進むと見られていた。 ところが、麻衣子の抜擢を妬んだ同僚から「石田と麻衣子が男女の関係にある」という噂が流され、上層部もそれがただの中傷誹謗であることを承知しながら、麻衣子の更迭を決定した。 こうして麻衣子は所轄の高輪署に異動させられ、経理課で精算伝票処理という閑職に置かれることになった。 やがて年月は過ぎ、経理課勤務のまま麻衣子が27 歳になったとき、その事件は起きた。(「プロローグ」) ※本編4章とプロローグからなる。 * * * * * キャリア入庁でありながら左遷の憂き目に遭い、5年間も所轄署の経理課員に留め置かれている麻衣子がいかにして本庁の特殊班に復帰するのか。そして試金石となる今回の事件に臨む麻衣子のスキルは錆びついていないのか。そんなことを気にしながら読み進めました。 全体的によく考えられたストーリーで楽しめました。 事件が高輪署管内で起き、本庁の特殊班がすぐに動ける状況にないことから、つなぎで捜査の指揮を執るよう指令を受けたというのは無理のない設定です。現場経験がないとはいえ警部の麻衣子は指揮権を有しているからです。 また、麻衣子が女性であるというだけで反発する男性警察官たちに麻衣子が苦労する場面もリアリティがありました。 ( 男社会の警察組織に色濃く残る女性蔑視の風潮に嫌気がさした知人の女性が、40代で警察を退職して別の道に進んだことを思い出しました。) 麻衣子の交渉相手は粗暴なだけの立てこもり犯だと思っていたので、後半に見せた警察を出し抜く動きには驚いたし、五十嵐さんの仕掛けにしてやられた感がしてうれしくなりました。 そして、麻衣子が謎解きをするクライマックス。なるほど、そう来たかと唸ってしまう展開は満足度を高めてくれました。 ネゴシエーターを扱った作品ということなのでダイナミックさに欠けるかもと思いましたが、どうしてどうして。手に汗握る極上のサスペンスミステリーでした。なかなかおもしろかったです!
日進月歩どころか分進秒歩ともいわれる現在、身のまわの物を扱った現代ものの小説などは、数年で陳腐なものになってしまう。 携帯電話の、ガラケーからスマホへの変化など、その極みだろう。特にミステリーなどで、通信手段として重要な場面で使われると、違和感が際立つ。 そんな思いから、著者は2002年発表の思い入...続きを読むれのある作品『交渉人』を大幅に改稿し、『交渉人・遠野麻衣子』と改題し、河出文庫で刊行。 『交渉人』を読んだのは、16年も前であり、その幻冬舎文庫版を拾い読みしながら、本書を<再読>。 本文が445頁だった幻冬舎文庫版に比し、この河出文庫版は345頁と、冗長だった箇所が割愛され、スピーディ感が増している。 大筋に変わりなく、あちこちに仕掛けられた伏線も色褪せない。 主人公遠野麻衣子は、2歳若返り27歳の設定に。上司だった石田修平も同じく若返り、階級も警視正から警視になっている。 「これは誰の身にも、明日にでも起こりうることなんだ。不運という言葉では済まされない・・・」という、背景にある医療過誤問題は、今も変わらぬ現代医療の課題である。 「爆弾魔」「籠城」も、どのように改稿されたのか、楽しみだ。
面白かった。 幻冬舎文庫版も読んでるはずなのに新鮮に驚いた。 交渉の基礎なのか石田の交渉過程がとてもためになる。 第二弾、第三弾、そして新作も楽しみ。
あとがきと謝辞から 初出は2002年のこの作品 スマホ以前の“交渉人”をアップデート改稿して 再文庫化と知りました そして、私は再文庫化が初読 「リカ」のブラックファンタジー風とは 一線を画して 警察の交渉人としての 立場・対応を正統に読ませてくれます しかし、私も麻衣子さんと同じく 流れるような...続きを読む交渉に疑心となっていました なんとなく上手くいきすぎ? ちょっと大雑把? しかーし、これにはすっきりとした 事の顛末が待っていました 言葉の端端から真犯人を読み解いていく 五十嵐さんって幅広いと思います
なかなか奥深い小説。交渉人という警察の中でも特殊舞台にいる人に焦点を当てたもの。 終わりのドンデン返しには驚かされた。この作家の作品をウォッチしていきたい。
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