【感想・ネタバレ】天保十四年のキャリーオーバーのレビュー

あらすじ

天保十四年。七代目市川團十郎は、自分を捕縛し、追放した南町奉行・鳥居耀蔵への復讐に燃えていた。絶好の機会が訪れ、短刀を抜いたその瞬間、何者かの拳をくらい気絶してしまう。それが父を無実の罪で陥れられ、團十郎と同じく鳥居への復讐を誓う鶴松との出会いだった。目を覚ました團十郎は、鶴松とその仲間から、ある計画を聞く。鳥居は富くじの裏で百万両を溜め込んでいるらしく、それを根こそぎ奪おうというのだ。團十郎と鶴松たちは手を組み、その算段を立てるが……。一気読み必至の傑作時代エンタテインメント!

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Posted by ブクログ

いいね、非常に良いかと。パパとムスメの7日間に始まり、すっかりファンとしておりますが、江戸時代を舞台にして団十郎 談志 鶴松 お葉と分かりやすい配役だし、何より仕掛けが面白いし、顛末も上手いこといきました。鳥居も蟄居しているが、そういう細かいところは事実ですね。5人の目明かしを罠に落とすそれぞれの仕掛けも良かった。

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2023年12月17日

Posted by ブクログ

五十嵐貴久『天保十四年のキャリーオーバー』PHP文芸文庫。

起伏に富んだスリリングなストーリーで、読み応えのある面白い時代エンターテイメント小説であった。

何時の時代も権力を我が物にしようとする悪い奴らが大勢居る。権力を手にすれば、次は金だ。こうした悪い奴らに正義の鉄槌が振り下ろされる様はスカッとする。

天保14年。南町奉行の矢部定謙が鳥居燿蔵の謀略に嵌められて罷免させられ、切腹する。定謙の養子で住んでいた屋敷から放逐された鶴松は、鳥居により江戸から追放された歌舞伎役者の七代目市川團十郎らを仲間に引き込み、鳥居への復讐を果たすためにとある計画を練る。

その計画とは南町奉行となった鳥居が御法度の陰富札で貯め込んだ二百万両もの大金を根刮ぎ奪おうというものだった。しかし、鶴松らの計画を事前に察知した鳥居は鶴松を捕まえ、亡き者にしようとする。果たして、鶴松らの復讐の行方は……

本体価格900円
★★★★★

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2023年01月23日

Posted by ブクログ

皆一致団結して一泡吹かせようとするのが良かった。読んでいてハラハラした所もあったが、綺麗な終わり方でした。凄く楽しく読めました。

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2024年08月16日

Posted by ブクログ

水野忠邦による天保の改革の尻馬に乗り、苛烈な取り締まりを行った、妖怪の異名を取る鳥居耀蔵。
南町奉行に収まった彼は、富くじの裏で陰富を行い、百万両を貯め込み、ひたすら金に執着している。
彼の仕打ちにより、肉親をあるいは職場を失った者たちが、鳥居が溜め込んだ金を残らず奪おうと計画を企てる。
父を切腹に追いやられた矢部鶴松。
江戸から追放された七代目市川團十郎。
高座を潰された立川談志。
発禁処分を受け、酒に溺れて亡くなった読み本作家の娘お葉。
この4人が繰り広げる命を賭けた騙し合いに、痛快感爆発。
腕もたつし、機転が利くが、どこか抜けているところがある鶴松のキャラがいい。
「黙って耐えてた方が得なのは百も承知よ。何でもお上の言うとおりに致しますって頭を下げてりゃ、とりあえず命だけは何とかなるだろう。だがな、おれたちはそんなことに飽き飽きしてるんだ。鳥居に生かされるんじゃなく、死ぬも生きるも、てめえで決めてえんだよ」と、啖呵を切る團十郎の何と粋なことか。
巻末の参考文献が明かすように、あの時代を空気をしっかりと読み込んだ痛快エンターテイメント。

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2023年09月19日

Posted by ブクログ

五十嵐貴久さんの〇〇〇〇年の□□□□シリーズ!

今回の舞台は江戸時代!?
天保の改革の煽りを喰らい江戸から追放された市川團十郎!
自分を追放に追いやった、南町奉行所の鳥居耀蔵を差し違える覚悟で襲撃しようとしていたところ浪人の鶴松に気絶させられてしまう!!!???
気がつくと團十郎は貧乏長屋に寝かせられていた!?
團十郎は自分を気絶した男から鳥居耀蔵への復讐計画を打ち明けられる!

江戸時代にもあったとされる『宝くじ』を巡って南町奉行所VS鳥居耀蔵により失脚させられた者達のマネーバトルが今始まる!!!


読み終わった後にWikipediaにて『鳥居耀蔵』を検索してしまいました!

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2023年05月14日

Posted by ブクログ

七代目・市川團十郎vs悪の奉行・鳥居耀蔵。陰富籤の積立金100万両をめぐる命を賭けた騙し合い。一気読み必至の傑作時代エンタテインメント。
水野忠邦の天保の改革は歴史の授業で習った記憶がある。本作に描かれた社会背景を知っていれば、もっと興味が持てたのに。個性溢れる登場人物たちが踊るように奔走する描写が見事。

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2024年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ルパン三世の様に絶対不可能案件に挑むピカレスク物
時代小説ですが映画コンフィデンスマンの様に賛否が
分かれるだろうな(´・ω・`)

タイトル天保14年、最近では有名な元南町奉行矢部定
謙を陰謀で失脚させた妖怪鳥居耀蔵を養子が復讐する
敵対する声なき町民をどんなネットワークで仲間にし
たのか?とか、南町奉行鳥居耀蔵が陰富札(ご法度)
で二百万両貯めたのを奪うとかいう設定がご都合主義
とか突っ込み要素満載ですが、テンポよく物語は進む
ので楽しめる一冊(本は突っ込まれてナンボ)

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2023年07月05日

Posted by ブクログ

「いいか、困ったことがあったら口笛を吹きな」~本文より~
いや~七代目市川團十郎のカッコイイことカッコイイこと。
うん。痛快で面白かったですね。
最後、ちょっとウルッときますね。
映画化されたらいーのに、と思いましたね。
「リカ」シリーズを筆頭に、ホラー系も面白い五十嵐作品群ですが、この手の作品の方が好みかな。オススメです。

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2023年03月28日

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