石持浅海のレビュー一覧
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「覚醒」した女3人を殺害する
という明確な目的の元物語は進む。
主人公の自己紹介は無く、読者は覚醒の意味やターゲットの素性を知らされない。何故殺されるのか、何故殺すのかまでも謎のままだ。
何が始まるのだろう。覚醒とやらをした誰かを殺す、の情報のみで頭にハテナとワクワクを募らせながら読み進めていた。
覚醒の意味がわかり心がそれを許容するも、覚醒者の立ち位置がどうも曖昧だ。説明は無い。
アルラウネを引き抜くにはその声を聞かなければならない。聞くと死ぬ。聞かないように耳を塞いで夜を走っている内.... 。
問いかけに対しての答えでは無いように感じるが、主人公の壮絶な物語は面白かった。 -
Posted by ブクログ
幽霊か?はたまた超常現象か?
ある企業の研究者・小泉が、同僚や上司、部下などから持ち込まれる不可思議な現象に挑むミステリー、短編6篇。
ひとつひとつは、たわいのない些細なことですが、謎を追うたびに、奥深い黒い闇が...
不可思議な現象そのものは追求せず、なぜその現象が起こったのか?という、whatではなく、whyを明らかにするミステリー。
『一歩ずつ進む』
家に帰ると、スリッパが少しずつ奥の部屋へ移動する。なぜ?
『二歩前を歩く』
向こうから来る人が驚いて自分を避ける。なぜ?
『四方八方』
若くして亡くなった妻の遺髪を、部屋の壁紙の裏に貼り付けた男の身に何が...
『5ヶ月前から』 -
購入済み
切なく真っ直ぐなミステリー
ハイジャック中の機内の中で、殺人がおきるClosed mystery。
犯してる罪はおおきいのに、どこか軽快でテンポがいいストーリーで休憩を入れずに読める作品。
今作で活躍した座間味くんは今後他の作品にも登場されるようで、それはちょっと楽しみ。 -
Posted by ブクログ
大学時代の酒好き仲間である長江高明、熊井渚、湯浅夏美の3人が美味しい料理とそれに合う酒、そしてちょっとした「謎」を肴に繰り広げる宅飲みミステリシリーズの第2弾。
今回も、ローストビーフとナパバレーの赤ワイン、サーモンの粕漬けと米焼酎、いかの肝焼きと秋田の酒、鶏手羽中の煮つけと紹興酒、豚バラ焼きとオーストラリアの白ワイン、たこ焼きとビールなどなど、思わず飲みたくなる取り合わせ。
そんな楽しみにしていたシリーズだけど、長江と熊井が結婚し、夏美も夫の冬木と参加するようになり、二組の夫婦の飲み会になったからか、男一人に女二人というアンバランスな関係や、毎回一人招かれるゲストの持ち込む謎という新鮮み