石持浅海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ー狂気の内側は平静なのかもしれないー
そう思わせる本だった。
裏表紙のあらすじに目を通せば、読み始める前から三人の人間を殺すことが目的とた物語ということが分かる。だが、主人公が、彼らが何者なのか、何故殺さなければならないのか、そういった情報は謎のまま、物語が進むにつれ徐々に開示されてゆく。通常のミステリーであれば少しずつ謎が解け情報が露わにになるのに対し、主人公が情報を知っているにも関わらず違和感なく情報が小出しにされてゆく展開が非常に面白かった。
主人公を常人として読み始めるものの、読み進めるにつれて主人公自体が狂人なのか読者に疑問を抱かせるのも斬新。
ハッピーエンドではなく読者に違和感を感じさせたまま終わる(あとがきにも書いてあったが)「サイコ・サスペンス」なので、苦手な方は要注意。 -
Posted by ブクログ
2年前に読んだ本の続巻。
前作は基本パターンの上に色々なバリエーションで読ませる話だったが、今回も出だしは同じ感じ。
と思っていたら、あらら、同業者が出てきちゃった。
こっちは、依頼を受ける受けないの判断が3日以内、受けると決めたら実行が2週間以内で@650万円。向こうは1週間の1ヶ月で@550万円。
どうなることかと思ったが、向こうも全く同じテイストの殺し屋なので、話の流れはあまり変わらず。
前作の感想に『サクサク読めて飽きはしなかったのだが、一方で意外性とかしてやられた感は薄かった。ちょっと理詰めすぎて面白みに欠けるという印象』と書いたが、今回もなんか面倒くさい筋書きと言うかちょっと強引な推理が多くて、全く同じ感想を持つ。
そうした殺し屋の「殺害する標的の何気ない行動が気になりその謎を解かずにはいられないという妙な癖」が描かれていない6話目が読み易く。
二人の殺し屋が交錯する第7話にはちょっとした緊迫感はあったが何も起こらず拍子抜け。最近話題の霊感商法が出て来たのには苦笑。 -
Posted by ブクログ
ある企業への復讐の為に、今は使われていない会社の保養所「風神館」に集まった10人の男女。
何の説明もなく、一人目の復讐を成し遂げたシーンから始まるのも衝撃的。
一人目を計画通り殺せたことから、結束感が強まったと思えた10人だったが、翌朝、そのうちの一人が殺される。
9人となったメンバーは企業への復讐を続けるべきか、犯人探しをするべきか、議論になる。
しかし、その後も次々と起こるクローズドサークル内での殺人。
果たして、仲間と思っていた人間の誰が犯人なのか?
殺人シーン自体シンプルで、会話を中心とした心理戦なのが、やはり石持浅海ならでは。
碓氷優佳シリーズではないが、探偵役となる雨宮の存在がラストまで不気味。
心理戦がメインだし、犯人の動機はちょっと弱めだったので、読んでいて退屈に思う部分も。 -
Posted by ブクログ
すれ違う殺害と愛情と… 秀才達の巧みな駆け引き、緊張感が強烈! 傑作倒叙ミステリー #君が護りたい人は
友人から殺人の意思を聞いたしまった主人公。キャンプ場に集まった仲間たちは楽しい時間を過ごすが、意思を知っている主人公は魂がすり減る舞台でしかなかった。友人は殺害するための作戦を脈々と進めていくが、碓氷優佳の洞察力によって想定外の流れに… 人気倒叙ミステリー、碓氷優佳シリーズの第6弾。
殺害実行の闘争シーンがお見事!
本シリーズの見所ですよね~ どうなるどうなるっていう緊張感でしびれました。読む手がとまりませんでした。しかし主人公はさぞ大変だったろうなぁ~、自分なら仮病でも使ってキャンプに行きません。
そして今回も碓氷優佳は切れ味抜群、相変わらず怖い。
しかし年齢を重ねたかしら、優しさがあふれていて少しだけあったかい気持ちになりました。自分としてはもっと怪物的な冷酷さで犯罪者を切り刻んでいただいてもよいですよ。
本作は登場人物の様々な立場や意識のベクトルがとても興味深いです。
主人公は、犯人、狙われている人、ヒロイン… それぞれの護りたい人、まさにタイトルがすべてを語っていますね。ああ切なき愛情と憎しみのすれ違い。
残念なのは、殺害できるできないのヒリついた描写が既存作品と比較してひまひとつかなと。お話の進め方として主人公目線での進行がメインなので、犯人側の謀略や情念がわかりづらいのが原因かしらと。ただ今回戦っているのは、主人公と優佳だからなぁ~ 難しいですね。
本シリーズ大ファンの自分としてはとても楽しめました、次回作の優佳はいくつになって仕事や家庭はどうなっているんだろう。超期待しています! -
Posted by ブクログ
超才女な女子高生が日常の謎を鋭利に解明する 碓氷優佳シリーズ短編集 #わたしたちが少女と呼ばれていた頃
高校入学から卒業までの3年間、女子高校時代の碓氷優佳の周りでおこる、日常の謎を解き明かす短編集。
碓氷優佳シリーズの第4弾にあたりますが、時間軸としては過去にさかのぼっています。またこれまでの碓氷優佳シリーズは倒叙ミステリーでしたが、本作は違いますね。
碓氷優佳がまだ幼く、可愛らしくも知性溢れる感じで各短編が綴られていきます。他の登場人物である友人たちとの会話も、女子高生らしくキュートに軽やかに描写されていて、読んでてホッコリしますね。優佳の推理も見事で、楽しく読み進められました。
ただし、最終話だけは、しっかり碓氷優佳の片鱗が垣間見えます。これまでシリーズを読んできた人は知っている、あの優佳がしっかり現れます。末恐ろしい… というか、ホントに恐ろしいことになるんだけども。
各短編としては「夢に向かって」「災い転じて」がお話として綺麗で好きでした。これからも楽しみな碓氷優佳シリーズ、どんどん続編を待っています!