石持浅海のレビュー一覧
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メロスの人質、セリヌンティウス。そこにあるのは盲目的な信頼。決して裏切りのない信頼だ。この物語は海難事故によって出会った者たちの絶望に似た死への希求と生への希望、そして信じることの証明を描いている。ああでもないこうでもないと信頼という最後の答えを探してひとりの仲間の死の謎を解いていく。ミステリとしては興味深いし面白い。この人が彼女の死に関わってはいるだろうと犯人というか共犯者というか、そういう人がだれなのかは簡単に知れるが面白い。ただどうしても残念なのはラストにもうひとり死んでしまうことだ。犯人、ではないがそれに類する彼の死が水を差す。まあ、この人は最初から死への絶望的な憧れを捨てられなかった
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暖かいじゃなくて温かと書いたのは意味があるのかな?
と思ったのですが、あるのかないのか。。。結局わからずじまい。。。他人の生命を吸い取って生きてる生命体、「ぎんちゃん」
そのぎんちゃんと暮らす畑寛子。ぎんちゃんは次々と起こる殺人事件の難解を解いていく。。。
その妹、「ムーちゃん」もまた人の生命を吸い取りながら生きている生命体。彼女もまた、北西匠と暮らして難解な事件を解いていく。。。。
その4人が旅行へと出かけた。。ぎんちゃんにはある思惑があるとも知らずに。。。。
「謎の生命体」って設定がSFっぽかったけど、
別にSFっぽい要素はなく、ただ、たんたんと事件を解決していく名探偵のお話 -
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「月の扉」で活躍した座間味くんが主人公の安楽椅子探偵物。
どれも意表をつく真相ばかりの良作です。
【貧者の軍隊】この過激派組織がリアリティがあっておもしろかったです。密室殺人事件の解決の着目点が素晴らしい。
【心臓と左手】異様な事件、猟奇的な信仰を持つ新興宗教と、現実的な真相のギャップが良いです。この作品も看破の手掛かりとなる着目点がおもしろい。
【罠の名前】どの作品もそうですが、注目を脇に逸らしておいて実は…という驚きが気持ちいいです。犯人の凶悪さに惑わされました。
【水際で防ぐ】人物が組織が目的がくるりとひっくり返っていく楽しい1編でした。
【地下のビール工場】この真相には大迫警視と一緒 -
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石持さんは、ミステリーでも本格派とカジュアル派と書くんだけど
どちらもミステリー部分がイマイチなんです。
どの本を読んでも、動機が弱いんです。
ただ、動機は価値観によって違ってくるものだから仕方ないと思いますが、それでも詰らない。
じゃ、なんで石持さんの本を読むかというと
人物に魅力あるんです。
あと、お酒が好きみたいで美味しそうに表現してくれるんです。
今一番のあたしのお気に入りの日本酒も石持さんの本から情報を
えて知ったお酒。
石持さんが薦めるなら、美味しいお酒だろうと思うようになりました。
ただ残念な事に今回の本ではお酒好きが集まっている話があるにも
関わらず、そのへんはすっとばして書か -
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ネタバレオリジナルは2008年に発行された作品の文庫化。
石持作品はただでさえミステリファンの間でも
やや(?)異端扱いされてる感があるのにw、その中でも
この作品はまた...なんというか変わった作品ですね。
一見すると日常の謎を思考をフル回転させて解く
ミステリ作品集として読めるんですが、それにしては
ややこしく、...どっちかというと...屁理屈とヒネくれた
思考の積み重ねによって、実は普通の出来事をわざと
謎に仕立てあげてるような気すらします。
それがまた、面白いんだから流石です。
しかも10話の短編から成るんですが、その全てが
なんだか聞いた事のある童話、寓話、神話、昔話を
モチーフにしてあ -
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ダイビング中の遭難を乗り切ったことにより精神的に固い絆で結ばれる数名の男女。
ある日、マンションの一室でみんなで集まって酒盛り。酔いつぶれて目が覚めると、一人服毒自殺していて・・・
単純な自殺と思われたが、ある写真からその死が疑われる。固い絆で結ばれた仲間は最期に一体なにを思って死んだのか?
中篇、くらいのボリュームの小説です。いやあ・・・この人面白いわ。なんていうのかな?舞台の脚本みたい。
一つの視点というか一つの場所だけで話が完結していくような。シチュエーションコメディのような。
そして「絆」という不確定とも思えるようなものは「絶対条件」として動かさないのも読んでいて変にゆさぶられない -
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「月の扉」で探偵役を務めた「座間味くん」(仮名)の活躍譚。続編。
先の事件で知り合った刑事と時折食事を供にするする座間味くん。そこで事件の話を何気なくふられ・・・という構成の短編集。
徹底したデッキチェアディテクティブと時系列ごとに進む話で彼のその後の人生が紐解かれていく・・ようなそうでもないような。
探偵役が再登場する、というだけで前作とのからみは、一部を除いて、そんなにありませんので前作を読んでなくても問題ない・・・と思う。
短編、というせいか話のテンポはよいものの、座間味くんの人となりなんかはあまりクローズアップされないためちょっと完璧超人すぎるんじゃないか?という印象もありました -
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「地雷」小説。
といっても「つまらない」という意味ではなく、文字通り「地雷」をテーマにした短編集。
戦争が終わり、埋没されたままの地雷。
危険を承知でなおそこに住まわざるを得ない人々。
一方日本では「防衛」を主とした地雷兵器の開発。
一つのテーマでも切り口でいろいろ楽しめるのは作者の力、というところでしょうか?なかなかの良作でした。
あともちろん「地雷」についての深刻な状況とかも勉強になりました・・・
最後に、作者のごく初期の短編がボーナスなんちゃら的に収録されていますが・・・徹底した「クローズドサークル」にこだわるのははじめっからなんですね・・・ww -
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『月の扉』、これと読んで、要するに、素人がいろいろ推理を繰り出す設定を作って、いろいろな仮定のもとに推理を展開させるってことなのね、と判明。シチュエーション・ミステリとでも言おうか。だから、シチュエーションが不自然でもそれを受け入れて読むしかないんだけど、『月の扉』のカリスマ師匠にしろこれにしろ、なんだか設定が微妙にきもい。『月の扉』は道具立てがハイジャックと最大の月蝕、と、派手で楽しかったが、これは自殺に立ち会った人がいるかどうかという地味ーな話なので、かえって奇妙さが際立つかも。その中に、絶対の信頼・裏切りなどの大袈裟なワードが頻出するので、違和感が増すのかも。
推理の前提が偏っていて、そ -
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人の生命力を糧とする異生物であるギンちゃんとムーちゃん。彼(彼女)と一緒に暮らし、その生命力を与える主人公(達)
・・とかいうといかにもSFっぽいですが、実際はそうではありません。
「人ではない身の上」で主人公達に降りかかってきた事件を冷静に推理し解決する・・・という流れ。
この作者らしい「SFっぽい設定を取り入れたミステリ」という形ですね。いつもながらまとまりが綺麗で良い感じ。
ただ、文章上で「この人とは違う生物なんだから・・」みたいに無理に線引きをしているような感じがしましたが、見た目が(擬態しているとはいえ)人間である以上そんなに気にしなくてもどうにかずっと一緒にいられる道はなかっ