石持浅海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
那覇発羽田行きの定期便、琉球航空 第八便が、男女3人によりハイジャックされた。
彼らの目的は、不当逮捕された師匠と仰ぐ石嶺 孝志氏を、空港に連れてくること。
しかし、航空機のトイレという『密室』で、女性の遺体が発見される。自殺?事故?事件?
普通に考えれば、犯人はハイジャック犯の3人しかいない。しかし、彼らは、知らないという。
そこで、この謎を解くための探偵役として指名されたのが『座間味くん』。
彼の推理は?
女性を殺害したのは誰か?
ハイジャックと密室殺人という2つの組合せは斬新で、ハラハラドキドキの連続です。
最後の種明かしや意外な展開もあります。
しかし、月の扉を開けて、あちら側(再生の世界)へ行くという目的(?)は、若干理解出来ない面もあり、残念です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ書店で見かけると、つい手に取ってしまう。約1年ぶりと、石持浅海さんにしては長いインターバルを経ての新刊である。相変わらずの石持節なのであった。
史上最悪の復讐劇が今始まる!などと帯には書かれているが、『凪の司祭』の方がはるかに最悪だ。『凪の司祭』が不特定多数への復讐なら、本作は企業を相手にした復讐を描いている。復讐に至る心理自体は、少なくとも理解できる。
企業に対する集団訴訟は現実にも耳にするが、あくまで司法の下での戦いである。本作は違う。相手企業の社長ら幹部3人を、殺そうというのだ。それぞれ人生を壊された面々に同情はするものの、これだけの賛同者が集まるとは。まさに石持作品。
憎き相手企業の保養所に集まり、まずは首尾よく1人目を始末した復讐者たち。ところが、メンバーの1人が殺された。同じ目的で集まったはずなのに、妨害行為か? 石持作品にはお馴染みの、クローズド・サークルに突入である。
既に1人を殺し、これからさらに殺す予定なのだから、もちろん警察など呼べない。それらしい動機と犯人を推理してみるものの、どれも決め手に欠ける。こんな非常事態にあっても、復讐の延期はまったく頭にないのか、この人たち。次は自分が殺されるかもしれないのに。
毎回、設定には工夫を感じるし、今回も興味深い設定ではあるけども、クローズド・サークルにおける堂々巡りの議論は毎度毎度であり、デビュー当時から変わっていない。それが持ち味ではあるのだが…。今後も変わらないのだろう。それでも読んでしまう何かが、石持作品にはあるのか。
その「何か」がわからないから、知りたいから、自分は石持作品を読むのだろうか。『凪の司祭』に激怒したのに、結局読み続けている。いつもすっきりしない幕切れだが、今回は悪くない気もしないでもない。いや、すっきりはしないけれども。
ところで、『二千回の殺人』という幻冬舎文庫が出ていたが、『凪の司祭』の改題でした。 -
Posted by ブクログ
実行犯と支援者。ふたりの天才が繰り広げる極限のの推理劇。はたして復讐は……!?
内容は、大学院3人が大学のお金を横領したある男の、事件には関与していない妻が濡れ衣で自殺に追い込んだ大学に対する復讐のために、その復讐に必要なお金を稼ぐためベンチャー企業を立ち上げて…というお話。
最初は復讐に燃え、会社はその手段でしかなかった3人。しかし、会社の経営者として働いているうちに、経営者として、会社の事を考え始めるというシーンがありますが、その辺りはかなりリアルだなぁと感じました。
ただ、推理劇ではありますが、推理と呼ぶにはあまりにも超人じみています。主人公田島は、自分の会社を支援する小池という人物も、実は大学に恨みを持っている事を見抜きます。ただ、それがあまりにも結果オーライなものにしか見えない…他にも契約社員の作ったゲームから、その社員がある人物に対し憎悪を抱いている事を見抜いたり…ちょっと推理の次元を超えている気がしました…
気になったのはそこだけで、復讐と、経営による心情の変化、そしてそれをどう解決していくか?
ストーリーは面白いと思いました。
ただ田島の小池に対する最期の行動が意外でした……