石持浅海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これまで読んできた石持作品に私が持っていたイメージは、「根っからの悪人が描かれない」ということでした。
殺人者が犯行に及ばざるを得ない状況をこと細か〜く説明して、読者に同情の念をこれでもかと持たせる話の多いこと山の如し(盛
10年前の私だったら「そんな犯人の背負ってる重い過去なんて興味ないし!謎!謎たくさん書いてよー!」と粋がってたタイプですよ…( ˘ω˘ )粋?
本格推理小説では人物の造形なんて二の次三の次、そこに注力されたら本筋である謎の提起の部分がおざなりになってしまう、なんて生意気にも思っていたんです。
要するに、推理小説の登場人物に感情移入する必要性は全く感じていませんでした。いえ、今も基本的には考え変わってませんけど←
そんな今より一際尖ったミステリ観()を持っていた時に出会った石持作品は衝撃的でした。
犯人にめちゃくちゃ感情移入してしまったのに、飽くまで物語の核は人間ではなく「謎を解く」こと。
人間の内面葛藤の描写にかなりページを割いてるのに、「ミステリである」という設定の根幹を邪魔してないんですね(ここ後で書直そうなんか変)。
「普通は許すべからざる」殺人犯を、積極的に応援してしまいそうになるというコロンボ展開も、パズルミステリしか読んでない私にはものすごく新鮮だったんです。
日本の推理小説は新たな次元に入ったのかもしれないわー!と当時感動したことを今でも覚えています。
ですが、石持作品を数作読むうちに、少しずーつ考えが変わってきたんですね。
どうも、石持作品の根幹にあるのは、人間の善良性とか、決してそんなポジティブなものじゃないんじゃないかって。
作品の多くに登場する、「素晴らしい人格者」 に象徴される「否定を許さない善性」が、石持作品の中では専ら殺人という大罪の免罪符に使われまくってる気がして仕方なくなってきたんですよね(汗)。
なんか、まわりくどい言い回しだけど、今感じてるイメージに近い言葉はこれなんです、すみません。
めちゃくちゃ前置き長くなったので本編感想はサラッと…どころか以下略でいきたいと思います←
とにかく、今作も上記で述べたように石持ワールド全開でした。素晴らしすぎる故人を偲ぶ人々が、故人とその子供をめぐって葛藤しまくりです。
人間の欲望を剥き出しに権力争い…なんて展開はもちろんありません。
あわや欲をかき、疑心暗鬼に陥りかけた時は、みんなでそろって
あゝ、彼(故人)が今の俺たちを見ればどう思うだろう。
こんなことではいけない!
彼の意志を継がねばならないという点で、いがみあっていても俺たちの心は1つ!
と己の不出来を恥じつつライバルの善良性も疑ってないんです何それ怖いよォ←
結論・今回は犯人が一番人間くさかったです。
【内容まとめ:るの疲れた←】
俺たちの敬愛し崇拝する営業部長が、若くして突然病に倒れ、帰らぬ人になってしまった!後継である寝たきりの御子をめぐって、三大派閥が火花を散らす中、派閥争いに無関係を貫いていた営業部長の盟友がこれまた突然の事故死!ストッパーとも呼ぶべき彼がいなくなって、俺たち一体どうなっちゃうの〜?!
次回、【昨日の敵は今日も敵!】
俺の腹心だけは死にませんように!
以上です。
いつになく酷い自覚はありますごめんなさい。 -
Posted by ブクログ
最初の50ページでこんなに悲しくなったミステリは今まで読んだことないのです
展開が分からなくても、序盤で「おや?」と思う伏線がちゃんとあって、よく分からなくても辿り着くは着くのです
ただ、何を疑問に思って、何に繋がっていくか。
ミステリを読む上でとても大事なお話だったのです
あまりミステリを読んで自分の経験や感じたことと重ねることはなかったのですけど
大事な仲間、集団、一緒に居たり話したり思い出す時間、心の拠り所。
その大事なモノへの思い入れがぐだぐだしない様に主人公の年齢層を選んだのはとても良かったのです
きっと誰にでもあって、過去にも持っていた、或いは感じたことがある場所。
それを手放す時って、複雑な気持ちになるのですよね
時間もかかる
気持ちも消費する
何だかそんな切ない気持ちを思い出したのです