石持浅海による、宗教サークルミステリ。
教祖的に崇拝される人物が亡くなり、休眠状態にある彼の息子を巡って起こる連続殺人事件の話。
クローズドサークルでもないのに緊張感を維持している感じや、感情的な要素もロジカルに噛み砕く点は、相変わらず秀逸。
テーマとしては、そういった著者の作風にとてもマッチするものだったと思うので、もう少し頑張って欲しかった、というところ。
しかし、この人はかなりドライな描写で淡々と話を進めるのに、なぜかよく青春・恋愛要素を盛り込む。今更ながら、ミスマッチのようで科学反応起こしてるような、不思議な感じがする。
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