有川浩のレビュー一覧
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還暦ぐらいでジジイの箱に蹴りこまれてたまるか!
そう意気込む、還暦を迎えた3人のおっさんたちが町が抱える問題を解決するお話。事の始まりは、還暦、定年を迎えた際の急なおじいちゃん扱いに疑問を持ったところから。体は元気で、健康寿命が延びているのになぜじじいなのか。そう思った3人は昔「3人の悪ガキ」と呼ばれていたことを懐かしみ、今度は逆に町を守るおっさんになることを誓う。
非常に独特なキャラが出てきて面白い。還暦を迎えたが、非常に足腰の強い剣道家、柔道家、常にスタンガンを持ち歩く機械いじりのおっさん。また、話も不倫、痴漢など身近なもので親しみやすい。気持ちが落ち込んでいるときなどに読むと明るく -
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初めて障害をテーマにした物語を読んだ。(病気を患う物語とは別として考える)
彼女の身体をおもっての主人公の行動を、当事者である彼女はどう受け取るのか。実際に聴覚障害を持っていない私達には理解できていないことがいくつもあった。
耳の聞こえにくさに向き合って生きる彼女の姿にも、それを助けてあげたいともがく主人公の姿にも苦しいくらいに感情移入できた。
優しさも親切も、一方通行じゃ成立しないのだと感じる。
実際に障害を持つ人の考え方も感じ方も十人十色だとは思うが、分かった気になって一方的に押し付ける親切は必ずしも相手にとってプラスになるのではないのだと考えられただけでも、この小説が自分 -
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この本に出会って良かったと本当に思える作品でした。
児童養護施設で暮らす子供たちを「かわいそう」と思ってしまう事は、私の上から目線の傲慢な気持ちであった事。
施設での生活に幸せを感じている子に対して「かわいそう」はとても失礼だ。
しかし、高校卒業と同時に施設を退所し自力で生きていかなくてはいけない現実。
私が同じ時期に、当たり前のように学費を出してくれたり生活を支えてくれた親が、施設の子たちにはいない事に心が痛んだ。
自由に自分の進路を決めたり、退所後も心のよりどころになる場所ができるように国をあげて考えなおさなくてはいけない。
なにより、この本を多くの人たちが手にして現実を -
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わたしも稲葉さんのように自衛隊に関しての知識が薄く、しかも陸と海の2種類だと思っていました(航空自衛隊の皆様、すみません)。
ですがこの本を読み終わって、自衛隊やその広報室の在り方について色々考えさせられたり、知る事ができました。
いつも読後は影響を受けやすいというか、その職業になりたいと思ったりするのですが、
最後の東日本大震災のお話を読んで、登場した自衛隊の方々が、自分達よりも市民の生活を優先していて、
わたしが自衛官だったら果たして同じことが出来るだろうか…?と考えてしまいました。
登場人物みんな、すごく立派な方達です。
分厚い小説ですが、一度は読んでいただきたいです。 -
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ネタバレまずページをめくると「Grand Finale」の文字の上に素敵なイラストが! きっとこうなるんだろうと思いながら4作目を手にしましたが、ここまで小説の中で描ききってくれるとは考えていなかったのでエピローグで幸せな気持ちになりました。
本作は郁が大活躍するストーリーが盛りだくさんでした。
堂上のピンチに心配しまくる友人、生かす為の郁の告白。この辺りから読むのを止めれませんでした。 郁のエキセントリックなアイディアがいくつか成功するのですが、ずっとハラハラしました。
全部上手くいって良かった。
最高のシリーズに出会えて幸せです。 -
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ネタバレ
3匹のおっさん、祐希、早苗ちゃんがメインで進められていく物語。
手に取った時はおっさんが主人公の本とは?という疑問があったが、読み進めるにつれてどのおっさんにも愛着が湧いて楽しかった。
何かトラブルがあると3匹が解決してくれるという流れがあり、ヒーローのような存在だと感じた。
個人的に印象に残っているのは詐欺師の話で、私自身も読んでいて詐欺だと気が付かなかった。今後騙されないようにしなければと思ってしまった。笑
祐希も最初はキヨに対して刺々しい態度だったが、物語が進むとともに打ち解けている様子が描かれていてほっこりした。
早苗とくっついたのも青春を感じられた。
続編もあるとのことな -
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ネタバレ有川浩さんの地元愛にほっこりし、観光に関する知見の深さと清遠さんを通じて出てきたアイディアに感心した。この人小説家だよな?観光の人じゃないよね?県庁で観光振興をするならこんなことを実現させてほしいという希望が詰まった一冊。お役所感覚の民間感覚とのギャップには驚いたけど、少なくとも登場するおもてなし課には清遠さんをを退職に追いやったような「内なる敵」が存在せず、主人公掛水がだんだんと活きのいいカツオのように成長して逞しくなっていくのがよかった。個人的に、役所が主催するイベントの運営に携わったことがあったり、興味があったりするのだが、あとがきにもあるように1番は「お客様視点」に返ることという文章が