有川浩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
以前読んだ阪急電車が面白かった作家さんのだから、面白そうとだけの理由で手に取りました。
ただただ単純に航空自衛隊について知らなかったことだけでなく、公務員の仕事の広報の在り方、自衛隊に対するマスコミの在り方など、幾つになっても知らなかったことがあると痛感。良い小説が読めて幸せです。
最後の章の空井の言葉は、災害派遣の経験のあるすべての人が共感したのではと思います。
「有事に果たすべき義務があるということは、それだけで拠り所になります。辛いことがあったとき、自分にできることがあるだけで人って救われるでしょう?だから僕たちは被災者を支援しながら、自分自身を救ってもいるんです。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ★10つけたいぐらい、良かった!
有川浩さんが、より好きになった。
ページをめくる度に、心が締め付けられる様な
セリフや感動的な名言が沢山出てきて
感情の揺さぶられ方がすごかった!
自分がまるでその現場にいるのかと錯覚するほどで、
情景やキャラクターの描き方が
素晴らしい。
有川浩さんの綿密な取材と、文章力により
自衛隊の方々への理解が
世の中に広まったのではないか。
広報の役割についても、勉強させられた。
最終章、あの日の松島 では
涙が止まらなかった。
東日本大震災で自身も被災者でありながら
どのような精神で多くの人を救助していたのか。
その日のことを思うと、自衛隊員の御家族にも
-
Posted by ブクログ
ネタバレ最後に「え?」と声が出た。
千尋も表面上は広報の活性化を謳っていたが
その実は自らの将来を先達に尋ねたかったと言うことだろうと思う。故にあの熱心さが生まれたのかもしれない。
一話目の過去を最終話で持ってくるあたり、読み始めたあの頃を強制的に思い出させるようで、技術として面白い。
「秘め事」は途中の展開が急すぎて、こちらは驚きが隠せなかった。命をかけて国防を担う自衛隊員だからこその命の価値観があると思う。そして我が子に自分のせいで寂しい思いはさせたくないというのはどの親でも思うことで、自衛隊員は殊更に強く感じているのだろうと思われる。 -
Posted by ブクログ
猫好きにはたまらない感涙必死の小説!
心優しいサトルと猫のナナの強い絆の物語。
人によっては涙が出るような場面でセンチメンタルになりすぎず、優しい物語だったなーという感想を最後に持てたのは、サトルの相棒が犬でも猿でもキジでもなく、マイペースな猫だったからだと思う。
猫を「やんごとない事情」で飼い続けることができなくなるため、新しい飼い主を探すことになる訳だが、最初は「人間の都合でペットを手放すなんて(怒)」と複雑な感情になる。しかし比較的早い段階で、その「やんごとない事情」が何か分かってくる。
この結末が分かってしまうことは、本書を読み進めることに何ら支障はなかった。
ハラハラやドキドキは無 -
Posted by ブクログ
猫が好き(現在も飼っている)だし、有川浩さんも好きな作家だし…ということで読んでみた。
いや〜、泣きました。アラカンのオヤジが本読んで泣くなんて思ってもなかった。
猫好きなサトルがナナを手放すことを考えた段階で、その理由の予想がついてしまったり、誰目線で語られているのかわからなくて違和感を感じる部分があったり、といった気になる点はあるが、泣かされたのだから⭐︎5つの評価とせざるを得ない。(ただ同じ作者なら個人的には『レインツリーの国』の方が好き。『レインツリー…』は何回か読み返しているが、この『猫旅…』は読み返さなくてもいいかなと感じる。)
まあ、本を読んで泣くなんて体験ができたのだから