関美和のレビュー一覧
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ボッツマンは「シェア」という本を書いたことで有名です。この本は、シェアリング・エコノミーの潮流をいち早くキャッチした本でしたが、本書も中身を読むと著者の先見性を感じました。確かに「信頼」という概念自体は古くから存在していますが、デジタル時代では信頼の形が大きく変わっている、いまはその過渡期であるという主張です。昔はコミュニティ内での信頼しかありませんでしたが、ついで国や企業、マスコミなど「制度」に対する信頼が生まれてきた。そして第3の波として「分散化された信頼」がデジタル技術の進展によって生まれているのです。
本書の面白い点は、「信頼が分散化された」で本が終わっているのではなく、実は一周して -
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・自分自身を振り返り、必要のない痛みを子どもたちに与えない
・デジタル時代が訪れ情報伝達が簡単になったことで、信頼が危機にさらされている。怖がりすぎ、心配しすぎることを子どもに投影してしまうようになっている
・子供のころに信頼されていると感じられなかったり、身近に信頼できる人がいなかったりすると、大人になっても不信を克服できない。自分が信頼に値しない人間だと思いながら成長し、それを自分の人格だと思い込んでしまう
・子供にはリスクを取らせよ
・発達とは、子どもがその人らしい人間に育つということだ。そうなるには、深い敬意が必要になる、つまり、子どものありのままを受け入れ、その人生が自然に開かれるの -
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2022年4月より高校の家庭科の授業において「お金の勉強」という分野が追加されたが、それよりも前からお金の重要性についてわかりやすくかつ面白く纏めた本が出版されていた。それがこの本である。
内容はそもそもお金とは何なのか、お金の使い方、お金についての基礎知識が網羅され、そこからレバレッジや税金などの身の回りで起きているお金の用語は一体を意味するのかなどがわかりやすい語り口とポップなイラストで表現されていて読んでいても苦痛にならずに読むことが出来ました。
この本の中で書かれている、お金との付き合い方はたった一つ『収入の範囲内でやりくりすること』とである。具体的にどんな方法で、どんな稼ぎ方をすれば -
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リーダーシップと企業文化の関係性を、偉人の振舞いや他書から紐解き詳らかにした本。なぜ、企業文化が大切なのか、文化を醸成するには行動が必要かを腹に落とすことが出来る。
以下、備忘として印象的なフレーズ。
・文化に沿わない行いを見聞きしても対処しなければ、それが自分たちの新しい文化になる。ビジネス環境が変化し、戦略も変わっていく中で、企業文化も環境に合わせて変わり続けなければならない。目標は動くものなのだ。
・人間が触れ合うときに必要なコミュニケーションの量は、信頼の量に反比例する。
・リーダーが率先して行動しないかぎり、文化は花開かない。 -
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最低最悪の権力者の色欲と、それを利権と引き換えに覆って隠し通す最低最悪の関係各位。
もみ消しは持ちつ持たれつの関係を築くためだけでなく自分自身のため、という関係各位もいたりして。
日本の伊藤さんの件、森友問題(分野は違えど)と構造が同じかと。
ピューリッツァー賞を3回あげてもよいくらいの、世界的なうねりを作り出した報道の顛末が、この本に詰まってる。
ほんとに爛れてるとしか言いようのない、メディア(の権力者たち)。しかし、綿密な調査報道が受け入れられ、それが社会を動かせる分、日本よりマシなのか。
日本のメディアにも、飼い殺しの記者クラブ問題のみならず、実はアメリカと同じ色欲の病巣があるんだ -
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ワインスタインの犯行が明るみに出たのは2017年10月のこと。日本でも同年5月に権力者に近い人物の性加害を告発する報道が有り、10月には被害女性本人が記者会見をした事もあってこの事件は力関係を用いた性犯罪である類似性と共にいつもセットで思い出される。
ヒーローが活躍するハリウッド映画とは違って、現実のアメリカ社会は“弱者”を大きな力で不可視化し、無かったことにする手段(catch&kill)が確立していたことに憧れ転じて幻滅さえ覚えるのだが…被害を告発した女性やジャーナリスト達とひとりひとりが勇気を持って連帯することで卑劣な犯罪を許さない社会を作ることができると信じたい。著者のパーソナ -
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いやーすごい!凄い本に出会った,そして凄いジャーナリストを知った.#MeToo が,ここから始まった,という帯の言葉通り,運動へのうねり,巨悪を暴く正義,行動力,それを阻もうとする巨大な権力や,慣習という暴力…息詰まる展開は最初から最後まで,まるでサスペンス映画を見る様だった.
そして…現実の権力構造の恐ろしさ.きっと問題はこれだけじゃないし,アメリカだけの問題でもなしい,きっと日本も相当闇深くて,もしかしたらもっと解決困難な状況なのかも…なんて滅入る気分も…
でも,数は多くなくとも正義のために,良心に従って取材活動を続けてくれるジャーナリストもいるし,それを是とする人もいる訳で,Libert -
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数ある子育て本の中でも指針としたい教訓がたくさん乗っていた。
周りへ優しくすること、コミュニティの中で他者に貢献できることをすること。
寄付をしたり、困っている人を助けたり、小さな時からこれらを当たり前に教えていくこと。
最近の子育て本では、頭のいい子に育てるとか、○○大卒の子どもを育てた方法とか、どうしても個人の能力を伸ばすものにフォーカスされがちだけど、(もちろんそれも大事だけど)、それだけだと親も子どもも自分たちが自己実現することだけが大事かのように思えてしまう。
そうではなく、周りの人に気を配ること、困っている人がいたら助けてあげること、声をかけてあげること。コミュニティの中で生 -
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一気に読んだ。日本でもハーヴェイ・ワインスタインのニュースは報道されていたし、そこのに続く#MeTooも日本国内にも広がりを見せた。そのワインスタイン事件が世に出るまでの戦いの詳細が記されている。ワインスタインはもちろんの事こと腐れ切っているNBC上層部の動きには読んでいてはらわた煮えくりかえる。ここまで何度とない阻害に立ち向かったローナン・ファロー、ニューヨーカー、ニューヨークタイムズの記者が素晴らしい。ニューヨーカー、ニューヨークタイムズという老舗報道機関が汚染されていなかった事に安堵する。ローナン・ファローがここまで屈する事なく戦えたのは、父ウディ・アレンと姉の問題に対する彼の立ち位置も
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圧倒的な権力の元で男性から女性に与えられる性暴力を告発し、世界的なムーブメントとなった”Me Too運動”、その発端はハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性暴力を告発する女性たちであった。その告発は、大手メディアNBCの記者であった著者が発表した記事から始まっており、著者はその功績により2018年のピューリッツァー賞を受賞している。
本書はその一連の経緯をまとめたノンフィクションであるが、ドラマを思わせるような妨害工作の中でいかに著者が1本の記事を出し、世界を変えることになるかという様子が凄まじい。相手はハリウッドの大物プロデューサーであり、これまでも被害にあった女性 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ著者の人生ストーリーをベースに、マインドフルネスのエクササイズが出てきたり、それがどう人生に影響したかが書かれています。
人生ストーリー仕立てなので、とても読みやすく、マインドフルネスについて詳しく知らない私も楽しく勉強になりました。
また著者は脳外科医なので、マインドフルネスに関わる脳や神経の仕組みの勉強になります。
マインドフルネスに興味ある方にはぜひ読んでほしい一冊です!
=Summary=
小学生の頃に医者の先生に憧れ、医者になることを決意した著者の幼少期からの自叙伝。
貧しい家庭でアルコール中毒の父親を持ち、母と兄と4人で暮らす。
家庭にはできるだけいたくなくて、ある時近所でマ