関美和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“密約”等と言えば、或る事象の背後に少数の関係者達による申し合わせ、または暗黙の了解のようなモノが存在していて、御蔭様で最近の展開が見受けられるとでもいうような、或る種の「陰謀論」というようなことを想起するかもしれない。が、本書はそういう内容でもない。
現在の世界で、人々の暮らしや社会は、史上の如何なる時代の人々も経験していないような速さで変質し続けているかもしれない。そういうような変化は、或る時点での少数の人達の話し合った事柄、構想した事柄が契機で何かが起って、そこから展開し、現在に至って「思いも掛けぬ凄い動きになる可能性?」となっているのかもしれない。本書は、そういうように「思いも掛けぬような様相になるかもしれない、様々な分野の動きを一寸考えよう」という中身なのだと思う。
本書の著者は、英国で所謂“調査報道”という内容を綴る方で、そしてその“調査報道”の内容に依拠した映像コンテンツを制作しているという方である。眼前に在る「今日の世界」への道筋について「多分アレが契機で?」ということが示され、「こういう方向に向かっている?」というような予想し易い展開が示されるという内容だ。そして全般に「善いか?とでも問われれば、即答はし悪い…何か引っ掛かるが、と言って、如何しようということを簡単に論じられるのでもない。他方で、本当に善いのかという思いを禁じ得ないような…」という、「世の中、本当にこういうことで善いのか?よく解らないじゃないか?!」とでもいうような、著者の逡巡というのか、迷いのようなモノが滲んでいる内容であるような気がした。そして、読んでいて「本当にこういうので善い訳か?」というような念が沸き起こることも禁じ得ない。そういう辺りで少し「複雑な読後感」を抱くと言わなければならないかもしれない1冊だと思った。
「世界は、等しく不平等になりつつある」というように文庫本の帯に在った。が…この国では「寄って集って相対的に貧しいという状況に突き進んでいるのかもしれない…」とも思えるような雰囲気も否定出来ない中、やや複雑な想いでこの「世界は、等しく不平等になりつつある」を読んだ。
「全然知らなかった…」を知る契機になったとか、「知っているようなつもりで不鮮明…」が明らかになったとか、そういうのとも違う。「巧く言葉に出来ないのだが、漫然と感じる、些か不穏かもしれない空気感」とでもいうようなモノに、少し“形”を与えてくれたというような、そういうことを本書を読んで感じた。
史上の如何なる時代の人々も経験していないような速さで変質し続けているような人々の暮らしや社会という状況は、個人が如何思おうと、如何行動しようと、余り変わらないのかもしれない。が、「本当にそれであなた自身は善いか?」と、「自身の課題」として考えることは随意な筈だ。「その他大勢の“自主研究”…顧みるに値せず!!」と切り捨てられることは必定かもしれないが。それでも、或いは所謂“ディストピア”の物語の系譜となる文学が描く世界以上の状況が現実になるかもしれない世界で、「自由な個人」として色々と考えてみたくはなる。
複雑な読後感の1冊ながら、広く御薦めしたい… -
Posted by ブクログ
ネタバレベン・ホロウィッツが企業文化の構築のノウハウを、自身の体験と他者の経験や歴史から学んだ情報とを織り混ぜて、体系的にまとめた本。最近読んだ本の中で、一際その内容に引き込まれた本だった。
・口先であなたの望みを伝えるだけでは文化は変わらない。差し迫った必要があることを部下に実感させなければならない。(p.174)
・どの企業文化でも最も重要な要素は、社員が会社を気にかけているかどうかだ。彼らは自分の仕事の質を気にかけ、会社のミッションを気にかけ、良き市民であることを気にかけ、会社が勝つことを気にかけている。ということは、企業文化が成功するかどうかは、その会社でどんな行動が報われるかに大きく左右される。仕事について気にかけると報われるのか?それとも、これっぽっちも気にかけないほうが得をするのか?社員が努力して何かを変えようとしたり、新しいアイデアを提案するたびに、官僚体質や優柔不断さや無関心に阻まれていれば、文化は傷つく。会社を前進させた社員が認められ報われるたびに、文化は強くなる。(p.236)
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購入済み
世界の教養
タイトルの通りですが、自分がいかに世界について何も知らなかったのかが分かる一冊。
各メディアから得られる情報は、一部を切り取った情報ですが、それ自体が悪いわけではなく、人間の本能が情報の解釈を間違えてしまうという事をまなびました。
人間の本能を抑える(物事の見方を変えられる)10個のキーワードを一つ一つ、丁寧に解説しています。
もちろん、世界の教養を身につけることで、自分自身の仕事にも活かせますし、ビジネスチャンスの発見も生まれると思いました。 -
Posted by ブクログ
組織文化のあり方について書かれた本。
トゥーサン・ルーベルチュール(ハイチの奴隷解放運動を率い成功させた人)、シャカ・サンゴール(元囚人、刑務所の囚人のリーダーとなった人)、武士社会、チンギス・ハンの4の事例に基づき、それぞれの組織文化について語り、現代の事例に当てはめる形を取っている。
組織文化を形作るもののなかで印象的なものを1つ挙げると
・ショッキングなルールを作ること
というものがある。ショッキングな内容は鮮明に頭に焼き付き、新参者にも文化を理解し易くするため、有効であるというもの。
また、文章を通じて、経営者が正直で、文化に沿った行動を取ることの重要さが書かれており、いい組織の有り様を学ぶ上でとても参考になる。
企業経営をする人、昇格して部下を率いることになった人等におすすめです。 -
Posted by ブクログ
文化とは言葉であり、言葉とは思考であることを書いたのは、『1984』のジョージ・オーウェルだ。
『1984』の世界では、ニュースピークという曖昧さや政治的意味合いを排除された言葉が生まれた。
政治的な意味合いを含んだ言葉が奪われた結果、政治的なことを考えることができなくなり、そのような会話の存在が消えた。
そうして、全体主義的な管理社会の体制に疑問を抱かずに生活する文化が生まれた。
文化とは言葉であり、言葉とは思考であり、思考が行動を生む。
組織文化をどのようにつくるかを探求する本書でも、同じような考え方で話が展開されている。
文化とは行動の積み重ね、リーダーの言動がメンバーに伝わり、その解釈・心象をもとにした思考およびその表出としての行動に現れる。
そのことを、
・トゥサン・ルーベルチュール(ハイチの奴隷革命の先導者)
・シャカ・サンゴール(ただの新入りからアメリカ刑務所のギャング集団を率いて、出所者の社会復帰支援につなげている人物)
・チンギス・ハン(果てしない帝国を一代で築き上げた皇帝)
といった一癖ある人物をとりあげて、
文化を築く重要さ、文化を根付かせる大変さ、根付いた文化がもたらす効果を、
歴史的事実と、現代社会においての企業活動における似たような事例(良い例、悪い例)なども交えながら解説している。
組織文化が大切と言われながらも、それ自体が曖昧で不定形のものであるから、
結局どうしたらよいのかがわからず、重要だけど緊急性の高いものでないからと文化醸成のためのアクションは後回しにされがちだ。
それは、単月、クォーター毎、半期、通期といった目に見えやすい短期的なゴールである売上が目標設定されていることに要因がある。
売上というものが各々の行動の上に成り立つということは自明の理だが、その行動は何から生じるか。
責任感、義務、恩義、向上心、競争心、自己実現、現状維持、怠慢、狡猾さなど、それぞれが抱えている様々な気持ち、解釈だ。
それらは、人の特性や過去の経験から何を大事にして行動するかは違ってくるが、そこにプラスして、組織文化によって規定される。
「私たちの会社は、企業と人をつなぐことをミッションとしている」
「そのためには、時にオーダーに合致しないものであっても、プロとして本当に必要なものを提案する」
「仮にそれで失注したとしても、その行動を良しとし、チャレンジしたことを称賛する」
「反対に、アップデートを怠る/新たな挑戦をしないことに対しては、厳しくフィードバックする」
「その姿勢は、新卒だろうが10年目だろうが歓迎される」
が重要視されていれば、前例に倣うことには重きを置かず、大いに新しいことを試し、ときには失敗をし、
クライアントや社内メンバーとさまざまな対話を通して、ともにより良い結果を目指せるだろう。
このとき、主語は「私」から「私たち」になる。「私は〜〜を大事にしている」から「私たちは〜〜を大事にしている」と自信を持って言うだろう。
反対に、クライアントの言うことが絶対で、新しいやり方よりも前例・効率を重視し、新しい試みは無視されたらどうなるか。
そのような組織においては、新しいものは生まれず、アップデートに必要なコミュニケーションは減り、やりがいを感じずにモチベーションが下がり、
メンバーと会社、メンバー同士の繋がりが希薄な脆弱な組織になる。
『WHO YOU ARE』では、偉大な文化があるからって偉大な企業になるとは限らないと断言している。
それは仮に素晴らしい文化を築きあげても、プロダクトや提供ソリューションがダメだったらうまくいくはずがないからだ。
ではなぜ文化が重要なのか。ホロウィッツによれば、よく重視される売上などの業績の達成度や進捗はその場でも重要だが、すぐに忘れる。
確かに、2020年の1月の売り上げが何%達成で、いくらだったかなんてもはや覚えていない。
一方で、「そこで働いていたときにどんな気分になったかや、そこで働いたことで自分がどんな人間になったかはいつまでも残る」と言っている
物事がうまくいかなくても、そこで働く事自体が楽しかったり、売上達成に向けたハードワークを厭わず達成感を味わったり、
人々が前向きに行動を積み重ねられるかどうか、その気質や気風に人をつなぎとめる拠り所がある。そこに文化の強さがあるのだ。
だからこそ、より良い文化を築き上げることを恐れてはいけない。
その不断の努力を手放してしまったら、自分と、自分と一緒にいる人たちの「幸せ」を掴むために。
それを踏まえたうえで、ホロウィッツが結びの一文を読むと、先行きが不透明な時代のリーダーとしてあるべき姿が浮かび上がってくる。
文化はあなたが何に一番価値を見出すかをしることからはじまる。その価値観を反映する行動を組織の全員が実践できるように、リーダーは努力しつづけなければならない。
それが、素晴らしい文化をつくるということだ。それが、リーダーになる、ということだ。
さて、自分がどんな組織文化なんですか?という言葉を向けられたとき、私たちは何と答えるだろうか。 -
購入済み
面白く、分かりやすく、深い
とても内容が分かりやすい。なのに内容は底が見えないほど深い。
この本を本当に理解できたと言えるようになりたいと心から思った。
この本が完全に理解出来たら、自分の人生は変わると思う。 -
Posted by ブクログ
文化を作り上げ、守り通すには一貫性と誠実さがなによりも必要であると気づかせてくれる一冊。
その本質を伝えるため、本書では歴史に学ぶ手法をとっている。その歴史のチョイスが秀逸であり、単純に話として面白く惹き込まれる。また武士道やチンギスハンなどアジア人にとって馴染み深いものが取り上げられているのも、我々日本人にとっては嬉しい点だろう。
刑務所の中で作られた勢力、暴虐さで名を馳せたモンゴルの英雄。
いわゆるビジネス書の文脈ではまずお目にかからないカテゴリだが、だからこそ強烈に文化形成の中の普遍性を感じさせてくれる。
個人的には、ある程度大きな組織にはサブカルチャーが発生する点、文化を醸成しながらも多様性を内包することの重要性を説く点が特に刺さった。
多様性あればこそ、文化はその時々に合致した形へと変容していけるだろう。
強固な文化を持ちながら自己組織化し進化する、そういった組織づくりを目指したいものだ。