高橋璃子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
毎日5.6ページ
読みやすい、わかりやすい。
簡潔に言うと、斬新な視点を毎日体感できます。
納得するところは人それぞれですが、割と多方面からの例えがあるので、どこかに腑の落ちる話があるかもしれないです。
"不完全主義"は"不完全であるべき"ではありません。完全や理想というものは、決して訪れることがない、そのことを受けいれることによって、視野が広がり、より良いパフォーマンスを実現できるという趣旨であると解釈しました。
中身でも個人的にハマる考えもたくさんあって、毎日読んでいだからでしょうか、心なしか身についている気持ちになります。
視野を広げたい、完璧主義な性格で苦しんでいる、そんな人にはおすすめな本です! -
Posted by ブクログ
完璧を目指すほど、毎日が息苦しくなる。
どんなに効率化しても課題は一向に減らない。
完璧にできない自分を欠陥品だと感じてしまう。
でも完璧を手放すのは、自身の存在価値が揺らいでしまうようで怖くて出来ない。
…
そんな効率重視、完全主義による焦りやプレッシャーを日々感じる人には是非読んでほしい一冊です。
自分の能力が有限であるという現実を受け入れるのは辛いですが、「完璧でなくても大丈夫」という安心感や癒しを得るためのアドバイスが数多く紹介されています。
day10のライフタスクの章で、
人生の岐路で悩んだ場合は、「自分がどうしたいか」ではなく、「人生が自分に何を求めているか」と問う。
という視点は面白かったです。 -
Posted by ブクログ
この本の1番お気に入りのポイントは?
経済学を全く知らない人でも、経済学のこれまでであったり、今の考え方を知ることができるところがすごく良かったなと思う。
この本を選んだきっかけ
女性と経済ってあまり結びつくところがないイメージだったが、どういうふうに結びつけているのか関心が湧き、手に取った。
この本を他の人に勧めるとしたら理由はなんですか?
経済学に全く触れなかった人にまず読んで欲しい。
この本があなたの視点や考え方を変えた部分はなんですか?
いまの経済構造のまま発展していくことが、多くの人を豊かにすると言う考え方であることに疑問を感じるようになった。
普段私が感じた違和感を感じたり、嫌だなと思った事象を体系化、整理したものが本書だった。生きづらい。しんどい。と感じている人すべてに手を取ってみてほしい。今の経済のあり方が本当にこれで良いのか考えるきっかけになりそう。
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Posted by ブクログ
『家父長制の起源』に出てきた本で、タイトルからしてもっとカジュアルなエッセイか何かかと思って手に取ったんだけど、中身はかなり本格的なフェミニズム書だった。『家父長制の起源』で少し触れられていた、旧共産圏の国々の方が女性の社会参加度が高く、男女がより平等に扱われていたという論点を、ここでは徹底的に掘り下げている。単なる理論ではなく、聞き取りや各種データをもとにして描かれており、社会主義の再評価、資本主義の限界、そして女性を取り巻く環境について、非常に意欲的かつ挑戦的なアプローチをとっている。もちろん国家社会主義の全体主義性を肯定しているわけではないし、失敗に終わった社会主義にも限界はあったとしつつ、そこに「見るべき点があったのではないか」とするスタンスで、現在の資本主義が抱える無理や軋みに対するひとつの応答として社会主義的視点を提示してくる。
中でも「セックス経済論」の部分は本当に考えさせられた。大きく言えば、資本主義社会では女性が経済的に自立しづらく、出産・育児などの不可避的な負担を女性だけが背負わされていることが構造化されている。その結果として女性の賃金は男性よりも低く、生活のためには男性に経済的に依存せざるを得ず、その見返りとしてセックスを提供する構図が生まれてしまう。つまり資本主義下においては、セックスは女性が「与える」ものであり、それによって生活保障や愛情を「受け取る」という構造になりがちだと。これがセックスの価値を過度に高め、結果として女性が自身の性的欲求や快楽を置き去りにしたまま、満足できない性行為に応じざるを得ない、という話に繋がっていく。
例えば現代日本でもよくある「デート代はどちらが払うべきか」という議論も、双方が経済的に完全に独立していればそもそも成立しない。だが実際には、男性が支払うことが当然視される場面が多く、それは裏を返せば「何かの対価」として位置づけられかねない。その何かが、無意識のうちにセックスである可能性を考えると、奢るという行為そのものにどこか濁りが生まれる気がして、自分自身にも問わずにはいられなかった。
印象的だったのは、旧東欧の社会主義国では、女性の経済的自立が保障されていた結果、こうした「対価としてのセックス」が成立しづらかったという点。実際に、女性の性的満足度(オルガズムの達成率や、行為後の幸福感など)に関しても、資本主義国家より社会主義国家の方が高いというデータが示されていた。これには驚いたし、めちゃくちゃ考えさせられた。アメリカのナンパ師がハンガリーでは全く成果をあげられなかったというエピソードも、構造的な違いが浮き彫りになっていて面白い。
そして何より衝撃的だったのは、現代アメリカで「女性から参政権を取り上げよう」とするような議論が一部で現実に起きているという事実。これには背筋が寒くなった。読後感としては、とにかく「考えることが多すぎる」という一言に尽きる。フェミニズムの文脈にある本ではあるけれど、同時に資本主義の構造的問題を照射する批評でもあり、社会主義の経験を用いた刺激的な論考でもある。とても面白かった。
じゃあ、ここから先、我々が明日からパートナーにもっとセックスを楽しんでもらうために何ができるのか?ミクロな視点で言えば家事や育児の分担、マクロな視点ではクォータ制の導入や、出産・育児を社会全体で支える体制の整備などが必要になってくる。そして皮肉なことに、これらはかつて旧社会主義国がある程度実現していたことでもある。なるほどな、と思わされた。
とはいえ、仮に社会全体が完全に平等で、すべての人が経済的に独立できるようになったとき、本当にこの「男がさせてもらっている/女がさせてあげている」という構造は根本から崩れるのだろうか?理屈では理解できるけど、どうしても実感としては掴みきれない。自分の中にも、長年その構造の中で育まれてきた価値観が深く染み込んでいるんだろうなと痛感した。
ベトナムでダナン行きの飛行機の中で読み終わる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレぜひ実践したい
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90点以上のもの
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それ以外は捨てる
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判断基準:自分の価値観
◆ エッセンシャル思考
「より少なく、でも、より良く」を大切に、本当に大事なことにだけ心と時間を使う生き方
あれもこれも手を出さず、自分にとっての“本質”を見つけて、そこに集中していくための考え方
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◆ 3つの基本
① 見極める(本当に大事なことを選ぶ)
•すべてが大切なわけじゃない
•自分の目標や価値観をじっくり見つめて、「これは絶対やりたい!」と思えることだけを選ぶ
•基準は、“90点以上”と思えるかどうか。
② 捨てる(丁寧に、でもしっかり断る)
•「まあまあ大事かも…」ということに時間を取られないように
•誘いやお願いには、優しく、でもはっきりとNOを伝える勇気も大切。
•他人の期待より、自分の選択を大事に。
③ 実行する(続けられる環境づくり)
•決めたことは、迷わず実行。
•習慣や仕組みを整えて、自然と集中できるように
•考える時間や、ひと息つくゆとりも、忘れずに
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◆ 心に留めたい考え方
•すべてをやろうとしなくて大丈夫。
選ばないと、他の誰かに決められてしまうから。
•本当に大切なことに集中すると、思っている以上に成果が出せる
•頑張ることより、「やめる勇気」のほうが、実はすごくパワフル。
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◆ 胸に響いた言葉
「やらなくていいことをやめること。
それが、本当にやるべきことへの第一歩だ。」 -
Posted by ブクログ
とても読みやすくわかりやすい。英語翻訳の本は読みにくいものが多いと思っていたが、翻訳者の力量にかなり左右されるようだ。もっとも本書は著者が初めて一般向けに書いた本だそうで、原著の段階で一般人にも伝わる言葉で書いてあるおかげもあるかもしれない。
本の概要としては、冷戦下の東側諸国の社会主義政策にも学ぶところがあるよ、冷静に評価して民主社会主義を取り入れていこうよ、というもの。
西側諸国における社会主義アレルギーはすさまじく、公的扶助を充実させましょうと言うだけで、貴様は独裁主義を擁護するのか!?といったバッシングが飛んでくる。ところが当時の東側諸国で暮らした女性たちに聞くと、冷戦下のほうが暮らしやすかったという声が多数あるという。
資本主義が跋扈する現代社会で、セックスは資本化され、男性に経済的に依存せざるを得なくされた女性たちは、純粋にセックスを楽しむこともできない。
他方冷戦下では、暮らし向きは貧しく生理用品が手に入らないなど不便なことも多くあったが、労働力として女性に目をつけた政府による、女性のキャリア形成が進み、女性が重要ポストに着くことも珍しくなかったという。
こうした事実を私たちが知る機会は本当に少ない。日本でも、社会主義や共産主義は悪!という呪いに取り憑かれている人は山ほど見かける。しかし今や資本主義は破綻しかかっている。一部の金持ちが政治と結びつき、金持ちだけがどんどん富を増やし、貧乏人はいつまで立っても貧乏なままだ。
女性から参政権を取り上げろ。女が経済力を持ったから、セックスの資本価値が下がって若者はセックスをしなくなった、などと称える保守政治家が決して無視できないほどの支持を集めている。100年前ではなく現代の話だ。
国家社会主義の失敗を反省しつつも、当時の東側諸国が行っていた社会主義政策の良い面を、民主主義国家の枠組みの中で取り入れていく構想は、特に女性にとって希望に満ちている。長い人類の歴史を見れば、世界は何度も大きな変革を遂げてきた。どうせ世の中は変わらないと諦めるのでなく、声を上げ続けること、政治に参加すること、投票に行くこと。そうした積み重ねが世の中を変えるのだ。
この本、どれくらい売れているんだろう?
もっと流行ってほしい。 -
Posted by ブクログ
Everyday Utopia
What 2,000 Years of Wild Experiments Can Teach Us About the Good Life
【目次】
第1章 未踏の知に向けて勇敢に踏みだす
社会の夢は混沌から生まれる/冷笑家はいつだって笑うもの/クレイジーな人が世界を変える/家父長制の2つの父ワード/政治的なことは個人的なこと/キング牧師と宇宙大作戦
第2章 家庭とは壁のあるところ?
床下の骨が語ること/信仰生活と学生寮/ファランステールへ行け!/労働者たちの宮殿/鉄筋コンクリート造りの夢/人とつながる都会生活/コハウジングの豊かな暮らし/家母長制のエコビレッジ/家事を社会化する住宅設計/近所づきあいのリアルな事情/足りない住宅、余るペントハウス
第3章 子どもは社会の公共財
子育てのコストを担うのは誰か/プラトンの理想の子育て/共産党宣言よりも過激な提案/愛を共有する完全主義者/ガリラヤ湖畔の「子どもの家」/そのためでなければ、国家に何の意味がある?/早期保育のポジティブな効果/親は誰だって不公平
第4章 学校は何を教えるのか
教育が投資商品になる社会/見過ごされたアインシュタイン/中世のウィキペディア/ウクライナのユニークな自立教育/あらゆる学校を農場にする/米国ハンディキャップ省/イェール大学で一番人気の授業/詩を読みに街へ出よう
第5章 所有のない世界を想像する
「所有、それは盗みである!」/主人のために働くことなかれ/富める者がますます富むしくみ/もしもウィキペディアが営利企業になったら/生産者を生産するのは誰か/信仰深いコミュニストたち/ユートピアの税金問題/世界に広がるエコビレッジ/もっともプライベートな場所を共有する/シェアリング・エコノミーの先にあるもの
第6章 君をボス猿に喩えようか
核家族というブラックボックス/チンパンジーの精巣が教えてくれること/あなたの祖先はチンギス・ハンかもしれない/一夫多妻は重罪なのか/独身者の怒りをなだめる装置
第7章 幸せな家庭はどれも似ていなくていい
古代スパルタの女たち/誰にも苗字のない世界/核家族は一種の牢獄?/恋愛を結婚から解き放つ/非婚式とクリスマスケーキ/自分で選んだ家族/3人で親になる/家族の定義を拡大する
第8章 スタートレックの未来へ
戦闘的オプティミズム/認知能力としての希望/ディストピアのフルコース/庶民にとっておなじみのもの/もしも楽園ではなく、地獄だとしたら?/ラディカルな希望を行使する/すべては可能
もっと知りたい人のための読書案内 -
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ネタバレ【身体を持たない経済人、人間社会全体を語れない経済学】
母親を視界から消した結果、アダム・スミスの思想から大事なものが抜け落ちてしまったのではないか。
アダム・スミスは、
市場経済の「見えざる手」で有名ですが、
実はその言葉は彼の著書『国富論』に一度しか出てこない。
でもそこから端を発し、新自由主義のロジックが社会を支配するに至っているとも言えるので、
とにかくこの強固な経済理論がいかに男性という人間を想定して作られているか、
順を追って述べられています。
・・・
経済の第一原理、利己心が世界を動かす。
人間の原動力としての利己心は尽きないし、信用できる。
一方、愛は、みんなに流通させるほどの量がない。
人を動かす法則が、アダム・スミスも関心を持ったニュートンの物理学的な発想で作られたこと。
アダム・スミスの経済理論が世に出る1世紀前、自然科学では、ニュートンが万有引力などの法則を発見します。
物事を分解し、理解を深める物理学。
人間の行動も、個人を不変な最小単位としてとして、計算にかけたらいい、と。
全て分解して代替可能な交換価値をして扱う。
これにより、人の本質を理論化しているつもり。
・・・
経済の主体は、体を持たない理性。
__経済人に女性を含め、全てを経済活動として扱う経済学の描く個人は体を持たない理性であり、そのため性別がない。だが同時に、その個人のあらゆる性質は、伝統的に男性のものとみなされてきた性質に一致する。彼は合理的で、冷淡で、客観的で、競争を好み、非社交的で、独立心が強く、利己的で、理性のままに行動し、世界を支配しようとしている。自分の欲しいものが正確にわかっていて、勇ましくそれを取りに出かけていく。
彼のものでない性質- 感情、肉体、依存、親しみ、献身、やさしさ、自然、不確かさ、 消極性、人とのつながりーは、伝統的に女性に結びっけられてきたものばかりだ。
ただの偶然だ、と経済学者は言う。 (本文より)
男性と女性の二項対立が徐々に明らかになります。
では、男性を支える女性の無償労働は、経済学では扱われてこなかったのか。
__シカゴ学派の経済学者は女性を「発見」し、あたかも男性と同じであるかのように経済モデルに組み込んだ。ただしそれはゲーリー・ベッカーが思うほど簡単なことではなかった。アダム・スミスの時代からずっと、経済人は別の人の存在を前提にしていたのだ。献身とケアを担当する人の存在がなければ経済人は成り立たない。経済人が理性と自由を謳歌できるのは、誰かがその反対を引き受けてくれるおかげだ。利己心だけで世界が回るよっに見えるのは、別の世界に支えられているからだ。 (本文より)
女性の存在は、前提…。
経済学が理論化する、理性のみの人間の主体は、それだけでは成り立たないということは、きちんと認められているのですね。
あえて、経済理論の外に置いておく。
女性はどうして男性より収入が低いのか、という現代の問いは、経済学的には論外の質問となりますね。
女性が男性と平等に労働市場に出ることは、理性である経済主体の支えを失い、経済理論が成り立たなくなる。
__労働市場は今でも、体を持たず性差もない、孤独な利益追求型の個人を前提にしている。
女性が働こうと思うなら、みずからそのような人間になるか、あるいは逆に自己犠性を前面に押しだして等式のバランスをとるしかない。
そして多くの場合、決定権は本人ではなく周囲にある。 (本文より)
カナダの無償労働をGDPに換算したら3-4割増になるとの研究結果がある。
「男性が自分の雇っている家政婦と結婚したら、国のGDPが減ってしまう」 、というのは、経済学者がよくロにするジョークのようです。
先進国の女性の幸福度は、70年代のレベルから徐々に低下している。
男性主体の経済ゲームで同じ成果を出すことが期待され始める時期と重なりますね。
「新しい女性とは、ペニスのついた女性のことではなかったはずだ」。
・・・
ゲーム理論。
行動はプログラム化されている。
戦争も合理的だから起きる。
1950年代、全体の動きをモデルに落とし込むという発想のもと、 ゲーム理論の発展で個々のプレイヤーの動きが予測可能になった。
市場を数理モデルで論じる効率的市場仮説。ランダムな市場の動きの中で、価格調整は自動。
しかしなぜ経済危機が起きたのか?
人間は理性だけではなく、感情や思いが経済を動かしもすれば潰しもする、ということは、
20世紀前半、世界大恐慌からの回復を主導したJ.M.ケインズも述べていたらしい。
経済学者が信じつづけるのは不完全だけど十分な経済理論。
ノーベル賞発済学者のロバート・ルーカスが エリザベス2世の疑問に答えて言ったのは、
2008年の金融危機を予測できなかったのは経済学者の落ち度ではない、
なぜなら経済学者はこの種の事態が予側不可能であることをちゃんと予側していたのである、
ということ。
理論の例外だった、ということですね。
・・・
金融市場。
1971年、ドルと金の交換を停止し、
金本位制のブレトンウッズ体制が終わりました。
通貨は金に保証されなくなった。
なので著者曰く、現在の中央銀行の役目はみんなが通貨価値を信じられるようにすること。
カルヴァンのプロテスタンティズムと資本主義。
中世の時代、カルヴァンは、
会社育てることは、作物を育てることと同じ。
リスクを扱うことで時間差から利益を生み出す。
急増する都市部の中産階級の間に説き、広まったと言います。
そして21世紀、低所得者の住宅ローンのリスクを受け持っていた銀行が、そのリスクを個人に売った。
サブプライムローンの証券化と金融危機につながる。
市場は期待で成り立っている、とも言われたりしますが、
信用で成り立つ金融市場での経済活動は、
結局感情なのか?となりますね。
・・・
衝撃の事実ー経済理論が人間の内面を変えてしまう。
他者への期待、公平さ、助け合いの善意があるのは、経験からも明らかですが、
どう説明つけるのかについて。
マイケル・サンデル教授の「それをお金で買いますか」は少し前に有名になりましたが、
行為に値段をつけること、経済学的インセンティブを設けることで、
人はもともと持っていた善意や倫理的動機を失う。
「私たちは市場になる」。
倫理が排除される、つまり本来の動機を殺す。人間を変える。
だから社会のバランスを保つために、
愛・ケア担当と、利己心・理性担当という役割分担が不可欠なのか。
一方、正当な対価であれば、お金はモチベーションを上げることが証明されてもいます。
ケア労働に女性が多いこと、また、ケア労働は、賃金低いという事実。
著者は、この、お金と愛の二項対立のせいでケアが経済的に低く見られている、といいます。
英国で失業中の女性の17%が誰かのケアにために前職を辞めていて、男性の場合は1%との調査結果もあるようです。
「愛情やケアを保護したいなら、経済から締め出すかわりに、きちんとお金とリソースを提供すべきだったのだ。
私たちは、経済の理論に合わせて、人のかたちを変えてしまった。 」
お金と優しさが一人の人間に内在していることを、
性別にかかわらず、みなで平等に引き受けることができるのかが重要なポイントのようですね。
・・・
経済に支配される現代社会。
ミシェル・フーコーによると、
古典的自由主義は、フェアな交換が基本。
人は市民としての側面と経済主体としての側面を併せ持つ。
新自由主義は、競争が基本。
自由放任主義ではなく、 政治を経済に従属させようとする立場であることが述べられています。
実は小さな政府ではなく、市場には政府の力をめいっぱい使いたい。
新自由主義を推し進めたレーガノミクス。
富裕層の税率軽減が進められた背景にあった、
1974年のジュード・ワニスキーは、税率は高すぎてはいけないということをラッファー曲線で広めます。
1981年、ジョージ・ギルダーは『富と貧困』で、富裕層の減税は低所得層と中間層を助ける、と論じます。
・・・
人的資本、の闇…。
経済資本としての人間の存在。
それは、この新自由主義の理論の下で、
作為的に、人間への介入がなされ、動機から改編させてきていることを示す。
人間は収益への投資主体となる。すでにアダム・スミスが『国富論』で人的資本と読んでいます。
そして、『人的資本』 は、1992年にノーベル経済学賞を受賞したゲーリー・ベッカーの著書。
資本の蓄積元となった人間。労働者は存在しない、もう搾取は存在しない。
マルクスの意図に反し、労働と資本の対立が解消した、ー生産関係の変化を通じてではなく、人間であることの変化を通じて、と著者は言います。
「新自由主義は人間を資本に変えることで、労働と資本の対立を解決した。人生は投資であり、投資がその人の市場価格を左右する」
人間であることの意味を書き換える新自由主義。
先日読んだ、「#なぜ働いていると本が読めなくなるのか」にも通づるところがあります。
・・・
近年注目を集めている行動経済学も、中心にあるのは個人の理性。
社会がどう発展していくかは語らないし、合理性から外れた行動をとることは例外として扱う、といいます。
__人が経済人のように行動すると仮定して、そのうえで例外的な行動を探しだしているのだ。人はときどき不合理になるから、合理的意思決定を助けてあげよう、と行動経済学者は言う。正しい方向に背中を押してあげよう。国が適切なインセンティブを用意すれば、みんなよりよい意思決定ができるはずだ。(本文より)
つまり、
今日の経済学も、
自由主義の路線を貫き、
さらに新自由主義の中にあって、
経済の言葉は社会を支配するロジックとなっているが、 全体像を語れない。
肉体という不都合なものを忘れようとする経済。
依存、不安を感じないようにする経済。
感情は選好という需要に。心に揺れは存在しない経済。
扱いきれないものは女性のものに。
借り貸し勘定の釣り合いは保たれる。
・・・
人間の全体像。社会の全体像。
著者は、
注目すべきことは、
経済理論が女性について何をいうかではなく、
何を見逃しているかだ、といいます。
経済人としていきる人間も単純な個人ではない。
私たちの共通の体験は身体から始まる。
ただひとつの性しか存在しないファンタジーの世界を見つめているわけにはいかない。
このような視点は、フェミニスト経済学ともいわれるそうです。
人間社会全体を語る経済学が、だれしもの経済学となる時代を実現したいですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
色々と考えさせられた。
筆者の友達ケンの話は面白い。
資本主義と社会主義のバランスがないと女性は特に幸せになれないのかもしれない。
最近では女性の活躍推進をしていたり、海外では女性の比率や役員の比率まで決められていたり。
それは社会主義的な側面もある気がする。
資本主義は男性にとってもセックスが気持ち良いもの、感情が動かされるものになるのは社会主義的に、男女平等に働く必要のある社会で実現できるのかも。
筆者の友人が自分と同じような給与やキャリアを追ってる女性を選んだ人の方が幸せそうというのは家庭内に格差がない、社会主義的な側面があるからだ。
全てがお金に変わること、セックスを売ること、
性別の役割を売ること。全てが損得で決まってしまう世の中は幸福を生まないと思った。 -
匿名
購入済み面白かった。
心に刺さりまくった。
ノーと言うのがどれだけ難しいのかは働くうちによく分かる。
それでも、本当に必要なことをするために切り捨てていかなければならない。