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旧東側の女性は西側の女性に比べセックスの満足度が高かった!? 世界的な潮流となっている新たな社会主義の模索で、女性はより幸福に生きられる。時代の閉塞感を打破するパワフルな一冊。
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Posted by ブクログ
たしかポインティがおすすめしてたから取り寄せた本のはず いや 良書 ポインティほんと若い女性視聴者にしれっとこのような本を勧めてくれるのでたすかりがある 翻訳本とは思えない読みやすさ…翻訳本の読みやすさってどこで決まるんだろうか 割とアメリカも地獄でびっくりする!! 中絶禁止のことよくわかってなか...続きを読むったけどマジで意味わからない〜
『家父長制の起源』に出てきた本で、タイトルからしてもっとカジュアルなエッセイか何かかと思って手に取ったんだけど、中身はかなり本格的なフェミニズム書だった。『家父長制の起源』で少し触れられていた、旧共産圏の国々の方が女性の社会参加度が高く、男女がより平等に扱われていたという論点を、ここでは徹底的に掘り...続きを読む下げている。単なる理論ではなく、聞き取りや各種データをもとにして描かれており、社会主義の再評価、資本主義の限界、そして女性を取り巻く環境について、非常に意欲的かつ挑戦的なアプローチをとっている。もちろん国家社会主義の全体主義性を肯定しているわけではないし、失敗に終わった社会主義にも限界はあったとしつつ、そこに「見るべき点があったのではないか」とするスタンスで、現在の資本主義が抱える無理や軋みに対するひとつの応答として社会主義的視点を提示してくる。 中でも「セックス経済論」の部分は本当に考えさせられた。大きく言えば、資本主義社会では女性が経済的に自立しづらく、出産・育児などの不可避的な負担を女性だけが背負わされていることが構造化されている。その結果として女性の賃金は男性よりも低く、生活のためには男性に経済的に依存せざるを得ず、その見返りとしてセックスを提供する構図が生まれてしまう。つまり資本主義下においては、セックスは女性が「与える」ものであり、それによって生活保障や愛情を「受け取る」という構造になりがちだと。これがセックスの価値を過度に高め、結果として女性が自身の性的欲求や快楽を置き去りにしたまま、満足できない性行為に応じざるを得ない、という話に繋がっていく。 例えば現代日本でもよくある「デート代はどちらが払うべきか」という議論も、双方が経済的に完全に独立していればそもそも成立しない。だが実際には、男性が支払うことが当然視される場面が多く、それは裏を返せば「何かの対価」として位置づけられかねない。その何かが、無意識のうちにセックスである可能性を考えると、奢るという行為そのものにどこか濁りが生まれる気がして、自分自身にも問わずにはいられなかった。 印象的だったのは、旧東欧の社会主義国では、女性の経済的自立が保障されていた結果、こうした「対価としてのセックス」が成立しづらかったという点。実際に、女性の性的満足度(オルガズムの達成率や、行為後の幸福感など)に関しても、資本主義国家より社会主義国家の方が高いというデータが示されていた。これには驚いたし、めちゃくちゃ考えさせられた。アメリカのナンパ師がハンガリーでは全く成果をあげられなかったというエピソードも、構造的な違いが浮き彫りになっていて面白い。 そして何より衝撃的だったのは、現代アメリカで「女性から参政権を取り上げよう」とするような議論が一部で現実に起きているという事実。これには背筋が寒くなった。読後感としては、とにかく「考えることが多すぎる」という一言に尽きる。フェミニズムの文脈にある本ではあるけれど、同時に資本主義の構造的問題を照射する批評でもあり、社会主義の経験を用いた刺激的な論考でもある。とても面白かった。 じゃあ、ここから先、我々が明日からパートナーにもっとセックスを楽しんでもらうために何ができるのか?ミクロな視点で言えば家事や育児の分担、マクロな視点ではクォータ制の導入や、出産・育児を社会全体で支える体制の整備などが必要になってくる。そして皮肉なことに、これらはかつて旧社会主義国がある程度実現していたことでもある。なるほどな、と思わされた。 とはいえ、仮に社会全体が完全に平等で、すべての人が経済的に独立できるようになったとき、本当にこの「男がさせてもらっている/女がさせてあげている」という構造は根本から崩れるのだろうか?理屈では理解できるけど、どうしても実感としては掴みきれない。自分の中にも、長年その構造の中で育まれてきた価値観が深く染み込んでいるんだろうなと痛感した。 ベトナムでダナン行きの飛行機の中で読み終わる。
とても読みやすくわかりやすい。英語翻訳の本は読みにくいものが多いと思っていたが、翻訳者の力量にかなり左右されるようだ。もっとも本書は著者が初めて一般向けに書いた本だそうで、原著の段階で一般人にも伝わる言葉で書いてあるおかげもあるかもしれない。 本の概要としては、冷戦下の東側諸国の社会主義政策にも学...続きを読むぶところがあるよ、冷静に評価して民主社会主義を取り入れていこうよ、というもの。 西側諸国における社会主義アレルギーはすさまじく、公的扶助を充実させましょうと言うだけで、貴様は独裁主義を擁護するのか!?といったバッシングが飛んでくる。ところが当時の東側諸国で暮らした女性たちに聞くと、冷戦下のほうが暮らしやすかったという声が多数あるという。 資本主義が跋扈する現代社会で、セックスは資本化され、男性に経済的に依存せざるを得なくされた女性たちは、純粋にセックスを楽しむこともできない。 他方冷戦下では、暮らし向きは貧しく生理用品が手に入らないなど不便なことも多くあったが、労働力として女性に目をつけた政府による、女性のキャリア形成が進み、女性が重要ポストに着くことも珍しくなかったという。 こうした事実を私たちが知る機会は本当に少ない。日本でも、社会主義や共産主義は悪!という呪いに取り憑かれている人は山ほど見かける。しかし今や資本主義は破綻しかかっている。一部の金持ちが政治と結びつき、金持ちだけがどんどん富を増やし、貧乏人はいつまで立っても貧乏なままだ。 女性から参政権を取り上げろ。女が経済力を持ったから、セックスの資本価値が下がって若者はセックスをしなくなった、などと称える保守政治家が決して無視できないほどの支持を集めている。100年前ではなく現代の話だ。 国家社会主義の失敗を反省しつつも、当時の東側諸国が行っていた社会主義政策の良い面を、民主主義国家の枠組みの中で取り入れていく構想は、特に女性にとって希望に満ちている。長い人類の歴史を見れば、世界は何度も大きな変革を遂げてきた。どうせ世の中は変わらないと諦めるのでなく、声を上げ続けること、政治に参加すること、投票に行くこと。そうした積み重ねが世の中を変えるのだ。 この本、どれくらい売れているんだろう? もっと流行ってほしい。
相当面白い。 社会主義国家以外の例は割と知っていたのだが、いかにして、東ヨーロッパの社会主義国が民主化して、どのように社会が変化したのかと言うところが全然知らなかったので面白かった セックスの後 東は82% 西は52% 資本主義の失敗には資本主義以外の名前がつけられる。 結局のところ、社会主義...続きを読む国家も富国強兵的なのなの元に男も女も働けと言うところで社会進出をしてきた。推し進めてきたと言う点には変わらないけれども、西洋とはその辺のあくまで社会システムが違うという感じだった。どちらにせよ政権のトップに女性が立つこともないし、男がリーダーシップ取るべきと言うところは、西洋諸国と共産主義国家など社会主義国家は変わらない。 西洋がいわゆる無賃労働を女性に分担させて、男がたくさん働くで、男を資本主義の奴隷として、女をその奴隷の奴隷として使わせる。社会主義国家はとにかくフルパワーで全員働かせるで、女性が家庭と仕事の二重苦に陥るって言うところもなるほどなぁと思った セックス自体が資本主義システムの中にとらわれていなくて、金銭などとの統括的な価値がないとやはり幸せになれると言うところはなんとなく実感していた。けれども、東ドイツでの調査事例って言う統計的な数字も見てその実感に納得感を得られた。 筆者は西洋にいたが、模擬国連でソ連を代表できるからと言う理由で様々な文献を漁っていたと話していた。その辺もやはり他者の立場に立ってみると言う経験としてすごく良いんだろうなと言うふうに感じた。 「今晩ビルとセックスして、明日お金返すね」 模擬国連で立場変わる。 ミレニアル世代が動かす アメリカ 衆議院 2019年 7→24% 日本衆議院 9.9% 女性の参画。なぜそれが必要なのか、女性が参加した方が経済が発展するから、となる。教育健康高いが政治・経済参加が少ない。資本主義的にすると投資を回収できていない。 女性の役員比率高い方がROAが高い、だけだと経済合理性の指摘だと矛盾が生じる。休暇を勝ち取るために仕事の生産性向上に労働者が主張している。逆にそれで経済合理性で経済合理的でないと取得しづらい。その中で、本で人間性の尊重をめざした女性の地位向上。経済とお金と愛情とか。 女性の美しさへのプレッシャー。性が商品でないなら美しさも変わるかも。 社会民主主義だとどうして経済合理性を取っているのか。
資本主義は人間をも価値で測り、経済的に低価値な弱者を切り捨て、女性が彼らをケアしてきた 社会主義における女性の方がhappyだったよという本 最近コモンも良く言われるし、確かに社会主義×民主主義が最適解か 面白かった!
タイトルと表紙にビビッと来て読みました。 セックスが楽しめるとは、つまり、セックスが生活のための取引とは無縁であるということなんだなと納得。社会主義国では建前上は男女平等で男女ともに当然みんな外で働き相応の賃金を得られるから、女性が生活費のために男性に体を差し出したり、育児や生活のために最悪の男性と...続きを読む婚姻関係を続けたりする必要がない。 時短勤務と保育所費用で月収数セントとなるアメリカ人女性の話が衝撃的だった。というか、本書で紹介されている資本主義至上国アメリカの様子は全てが衝撃的だった。アメリカから見たら日本は立派な社会主義国だろうな…。 旧社会主義国で暮らした人の「政府が社会主義について語ったことは全部うそだったけど、資本主義について語ったことは本当だった」みたいな言葉に感心した。政治家が理想郷と喧伝する国に暮らしているのに苦しい、きっと資本主義こそが別の本当の理想なんだと思っていたら、雇用の不安定化、家庭内の負担の増加…と別の悪夢がやってきたと。 日本では高齢者福祉を削れば現役世代の暮らしが良くなるかのような議論が見られることがあるが、これはまさしく社会のセーフティネットを解体・阻止して女性にケアワークを押し付けて社会保障費を浮かせるという、アメリカ資本主義がずーっとやってきたことだ。 SNS等で対立を煽り、連帯を冷笑し、利己的行動のみが合理的なのだというような風潮を盛り上げている、経営者層や富裕層、既得権益者を警戒しなきゃいけない。
印象的だった箇所をいくつか。こういった本は、女性だけではなく男性にも読んでもらう必要がある。 「同じ理屈で、これまで何千年と女性が食事を作ってきたというのに、プロのシェフの世界は男性ばかりです。マッシュポテトと一緒にテストステロンが少々盛られていると、料理の味わいが増すのでしょうか。」 「結局の...続きを読むところ、競争的な労働市場では、生殖機能の異なる男女を公平に扱うことは無理なのです。雇用する側はどうしても、効率的に利益を出せそうな人を雇おうとします。この問題の解決は容易ではありません。育児休暇や公立保育園の拡充は、差別の構造を改善するのに役立つでしょう。これらは社会主義から生まれ、職場と家庭におけるジェンダー平等という明確な目標のために進められてきた改革です。」 「ほかにどのような任務を抱えていようと、自分のやるべきことは完全に明確である。働く女性の完全な解放と、新たな性道徳の基盤作り。これらはつねに自分の活動において、また人生において最高の目的でありつづける。」
社会主義フェミニストのプロパガンダという気がしなくもないが,とても興味深い議論だった。 社会主義社会で女性の解放が進んでいたという歴史は,確かに蓋をされ抹殺されているように思う。まさに社会実験として,女性の経済的自立がある程度達成されていた社会において,何が起こったのか,実験結果の検証は必要だろう...続きを読む。 ただし,鉄のカーテンの向こうに良質なセックスがあったというデータが事実だとしても,必ずしも女性の経済的自立と因果関係があるとは限らない。国家社会主義という全体主義の下で,個人にとってのセックスの満足度が高かった理由は他にも色々考えられるので。 「女性の体にふれるために何らかの対価を払っているとき,男性は相手がどう感じるかを気にしなくて済みます。セックス以外で対価を払っているなら,セックスで気持ちよくさせる必要がどこにあるでしょう?意識的にせよ無意識的にせよ,そこでおこなわれているのは経済的な交換なのです」 「もしも資本主義社会が人の愛情や関心を売却可能な商品に変えてしまうのだとしたら,その動きに対抗できる政策にはどんなものがあるのか。個人の自由と公共の領域をどちらも尊重し,全体主義に陥ることなくセックス経済の働きから私たちの性生活を取り戻せるやり方が,どこかにあるのではないでしょうか。」 ある同年代から聞いた話で,海外メディアによる世界史に影響を与えた人物ランキング(何位までのランキングかは忘れたが)マルクスが選外だったとか。そのことの意外性を指摘したら,マルクス主義って何か影響したっけ?みたいな反応で二度びっくりしたのだが。一時的とはいえ割と最近まで世界の半分を構成していましたよね,と思ったのでした。みんな冷戦時代のことすっかり忘れてるよね?僕らが子どもの頃はまだ東側の世界というのがリアルに存在してたはずなんだけどな。東西冷戦も日米戦争並にそんなことあったなんて知らなかった!?ネタなのかもしれない。
超良書。 爆売れしてほしい。 全日本人に読んでほしい。 人新世の『資本論』よりも現実社会の人間活動に即した例が豊富だったので、資本主義→民主社会主義へ移行した後の社会問題がイメージしやすかった。
序章:「数々の欠点があったにせよ、社会主義が資本主義のバランスをとる存在だったことを忘れてはいけません。」 何かに対して意見を(公式に・公に)言おうとしたり、書こうとするときに、なんとなく「自分にそれを言う(書く)権利というか、知識があるのか、そんな立場なのか」と感じて躊躇して結局口を閉ざしがち。...続きを読む これが著者が本書で紹介している「認識論的デプラットフォーム」なんだな。 そんなこと気にしないで、自分が生きている日常の中で得た経験から感じたことや考えたことを口にすること、それがささやかにでも社会をかえたり、同じように違和感を感じている人を勇気づけたり、ちょっと何かをかえることにつながるのかもしれない。 誰だって、人から批判されたり批評されたり文句をつけられたりしたくない、のはしたくないんだけれど。そうされた時にだって私はこう思うんだものと言い返したり、傷ついて黙って立ち去るのではなく、前向きに沈黙を守り踏みとどまることでも違う考えの人を許容するきっかけになるのかもしらん。
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