吉村昭のレビュー一覧

  • 羆嵐

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    ネタバレ

     大正4年12月に北海道、天塩山脈の麓苫前村六線沢で起こった史実。丹念な取材に基づく臨場感溢れる記述。

     寒村を巨大なヒグマが襲う。2日間で6人が食い殺された。ヒグマが人間を喰う、その描写が凄まじい。数十人の村人は恐怖に耐えられず村を出る。近くの村の男たち、警察官が徒党を組んで狩りに向かうが、その巨大なヒグマの気配の前になす術がない。人間が対峙できるものではなかった。

     2025年11月、いま毎日ヒグマ、ツキノワグマが里山から街中にまで出没し、人間の生活圏と交わり、多くの被害が発生している。一度人間を襲ったクマがどうなるのか、この本に詳しい。

     恐怖でしかない。

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    2025年11月16日
  • 破船

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    何この表紙、と思い手に取った初・吉村昭作品
    大当たりでした
    話こそ暗いけれどあまりの緻密さに驚く
    船を見ると、あ、お船様、、と心の中で出てくるようになってしまった、、笑

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    2025年11月16日
  • 羆嵐

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    破船でハマってしまった吉村昭
    たまたま先輩に勧められた羆嵐
    この緻密さはクセになるほどで、想像力の嵐に揉みくちゃにされそうになった、
    まるで自分が極寒の中粗末なボロ小屋の中で羆に怯えている、飢えと寒さを凌いでいる非力な三毛別の民なのではないかと錯覚してしまうほど、緊迫した状況が想像できた

    お腹の大きな方を見ると、腹ちぎらんでくれが出てきてしまうようになり、このセリフだけはわたしの頭の中から消したいフレーズになった、、、

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    2025年11月16日
  • 長英逃亡(下)

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    もったいないの一言。
    時代が違えば。
    色々な人に支えられた逃亡生活も、何の信念も感じない関係から破綻する。

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    2025年11月10日
  • 羆嵐

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    今読むべき本。1915年の三毛別熊事件を題材にした小説。熊が火を怖がらないこと、足跡を意図的に戻って人を後ろから襲おうとするなど、頭の良さがわかる。

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    2025年10月31日
  • 羆嵐

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    淡々とした語り口で、描写も決してくどくないのに、羆による被害の凄惨さ・残酷さや、それと対峙した人々の凍りつくような恐怖が伝わってくる。本当に恐ろしい。
    人間社会は自然の世界に地続きで、そこには人間なんて相手にもならない存在がたくさん生きていることを思い出した。この意識は本当はもっとみんなが持っているべきで、適切に恐怖すること、その上で「棲み分け」という形で共生することがクマにとっても人にとっても必要なんだと思った。
    大正時代の出来事のノンフィクションドキュメンタリーということで、ちょっと読みづらさを警戒していたけど、すごく読みやすくて驚いた。

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    2025年10月25日
  • 雪の花

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    こんな人がいたことを知っておくことは大事だと思い読みました。最初からすごく意識や理想の高い医者ではなかったのがリアルな印象。きっかけや出会いがいかに大切なことかを再認識しました。諦めないことの重要さも。

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    2025年10月15日
  • 殉国 陸軍二等兵比嘉真一

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    ほんの80年前に実際に沖縄であったこと。もし自分があの時代の中学生だったら、…
    時代が常識を創り、思想を創り、正義を創る。
    蛆と虱と蝿にまみれた死体の山。それを踏んで進むのが戦争か。

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    2025年09月27日
  • 雪の花

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    先に映画を観ました。いつの時代も役人ってのは…といいつつ、一般の人にも受け入れられなかったわけで、なかなか信用するのは難しいか。本当を見極められる力を身に着けたい。

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    2025年09月27日
  • 仮釈放

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    「行動は見られるが、経験は見られない。」
    妻の浮気で、激怒し出刃庖丁で胸を刺すのは
    行動だ。殺意は経験である。好きで人を殺す者は
    いない。16年の服役後、再婚相手を過失で殺めて
    しまう。社会で生きていくためには、アンガー
    マネジメントが必要だ。

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    2025年09月15日
  • 帰艦セズ

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    多くは、戦中戦後を生きた人々の話の短編を集めた本です。ほとんどの小説が人の死を扱っています。しかし、読んでいて不快なことは無く、吉村氏のほかの小説と同様に、淡々と語られる物語を静寂の中で読むことは、良かったです。ただ、戦争中、戦後をこのように苦しい日々を送っていた人々が今の日本の社会、また、世界をどのように思うのか、と感じてしまいました。もう一度、ゆっくり読みたいです。

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    2025年09月15日
  • 漂流

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    壮絶な体験の中における、意志の強さ、覚悟、リーダーシップ、学習能力。対比して人の弱さも赤裸々に記載され、学びが深い。

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    2025年09月06日
  • 零式戦闘機

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    ネタバレ

    零式戦闘機、通称ゼロ戦。
    誕生から戦争の終焉までを描いた本です。

    日本でこんなすごい技術があって、
    世界を驚愕させたゼロ戦。

    アメリカにゼロ戦が徹底的に調べられた後も、
    徹底抗戦して立ち向かっていくほどの強さ。

    しかし、アメリカに比べて日本の戦闘体制は数が圧倒的に違う。

    その中でなんとか日本のためにと出てきたのが、
    神風特攻隊。
    日本の勝利のために、相手に体当たりしに行く。
    胸が詰まる思いです。

    改めて日本がすごいと思った本です。
    大東亜を自信を持たせたいという気持ちの上の戦争。
    ただ、戦争を擁護しているわけではない。

    平和な今の日本は、敗戦があってのことで、
    ただ、愛国心は持つべ

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    2025年09月05日
  • 破獄

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    4回の脱獄王の物語でした。
    読んでいると、なぜ脱獄を繰り返したのかが気になる所でした。
    戦中と終戦直後の刑務所のリアルな部分(看守不足や食糧不足、司法、GHQ等)に突っ込んで居て面白いと思いました。

    看守が佐久間との心理戦において葛藤するシーンが多く、巧妙な脱獄方法と佐久間の体力には目を見張るものがありました。
    佐久間の物語終盤の心情の変化に感動しました。

    全体的に丁寧に描写されていて良かったです。

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    2025年08月24日
  • 関東大震災

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    地震後の火災による二次災害が被害を拡大しました。
    デマによる朝鮮人の虐殺は集団心理のなせることで、あってはならない恥ずべきことです。
    SNSによる拡散にも注意が必要ですね。

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    2025年08月17日
  • 総員起シ

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    戦争とひと言で言うても人の数だけ戦争体験があるわけで、本書はそれぞれ異なる立場の人が経験した戦争記録5篇が収録されている。
    ただ全てにおいて共通しているものがある。みんな悲惨。

    日本人同士での裏切り行為の描写があるが、こんな酷いことが出来るのかと思うと同時に、極限状態にはこういうことが起きても不思議ではないよな、とも思う。
    だからこそ戦争は起きたらあかんのよ。

    タイトルにもなった総員起シの章、潜水艦の中に閉じ込められて9年後に驚く姿で発見されるというエピソードなんやが、知的好奇心も刺激される話で、強烈に印象に残った。

    それと同じぐらい印象に残ったのが、剃刀のエピソードのラスト。他人を巻き

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    2025年08月15日
  • 破獄

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    四度の脱獄をした囚人の英雄譚だと思っていたが、そうではなかった。
    戦中戦後という時代に翻弄され困難な状況にも関わらず、脱獄囚を通じて、法と秩序を守る看守や刑務所長が、社会秩序のために奔走する話だった。 
    網走刑務所は、北海道の極寒の立地上、逃亡するのは難しいにも関わらず、脱獄する囚人。そして、その過酷な刑務所が、戦中戦後の食糧事情において、ほかの刑務所と比べ格段に良かったという点。感慨深い。

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    2025年08月05日
  • 島抜け

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    短編3話であるがどれも印象深く、面白かった。
    「島抜け」の主人公講釈師・瑞龍。
    殺人や強盗でない類の罪状で遠島刑になってしまうのかと気の毒に思った、才能がもったいない。
    逃亡中の様子が鮮明に想像でき、緊張感を与えられた。最後は刑が軽くならないかなと期待したがあっけなかった。

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    2025年08月01日
  • 漂流

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    これが実話だと思うと気が遠くなってきます。
    生き延びる力、自分には皆無だなぁと思いつつ
    ページを繰る手が止まらなくなりました。

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    2025年07月23日
  • 関東大震災

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    この★5は面白いという意味ではない。極限状態の人間について知れるという意味で読む価値は十分にある。人間の残虐性、自然の残酷さなど知りたくないことを触れる機会となり気持ちの滅入る読書だった。

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    2025年07月03日