吉村昭のレビュー一覧
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紀州から江戸に向かうはずが嵐に遭い遠くロシアまで漂流した商人、大黒屋光太夫。極寒の地を仲間とともに旅し、ロシア人の支援も受けて帰国を目指す。
絶望からキリスト教徒に宗旨変えする仲間も出るなか、ひたすら帰国を信じる彼の姿は映画「ショーシャンクの空に」の主人公に重なる。深い教養やロシア語を身につける知性も武器に、細い糸を辿るように帰国への道を切り開いていく。
吉村昭は華美な形容に走ることなく、淡々と彼らの
漂流の旅を綴る。過酷な船上生活に極東の凍える寒さ、仲間と生き別れるつらさ…余計な形容を省いた描写が読者の想像をかき立てる。
自分なら光太夫のように過酷な運命に立ち向かえるだろうか?異国の人々をも -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
1785年、土佐藩の船乗り長平は悪天候と黒潮の影響により3人の船乗り仲間とともに無人島にたどり着く。
そこは土佐から700km離れた鳥島という場所だった。
食物も育たない活火山の岩山で雨水をのみ、アホウドリを食べ心身ともに極限状態の中を生き抜き生還した長平の12年間。
・感想
さすが吉村先生、面白かった。
江戸時代の奉行所の公的文書でしか残されていない漂流者の記録から、壮絶なサバイバル生活を綿密な取材と想像力で描写してた。
淡々とした文章ながら、いや、だからこそ厳しく牙をむく自然が恐ろしく感じたし、絶望、孤独感、諦観などの人間の心理に納得させられた。
手に汗握る展開もありするす -
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天然痘の予防のために種痘を広めた町医者の鬼気迫る命を繋ぐ戦いの記録です。
ワクチンの考えがなかった日本にこの予防法が受け入れられるには大変苦心したと思います。自分の職場にもインフルのワクチンでも拒否反応のある人もいますし、気持ちが分からなくもないです。
それにしても電車も車もない時代の雪山越えの凄まじさ!命懸けです。かなり後半になってもなかなか種痘法が受け入れられず、やきもきしました。私が車出してあげたい!と何度も思いました。
子供たちが死んで大八車で運ばれていく列を見るのはもう嫌だと自分の命を削っても助けたい思う優しさが本当に泣けます。7日置きに種痘するって大変すぎじゃない!?
自分 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
昭和11年8月中旬、日本電力株式会社は黒部第三発電所の建設を開始した。
豪雨、豪雪、急峻な崖。
人を寄せ付けない大自然を相手に、欅平から仙人ダムまでの約6キロの隧道工事に命をかけた男達の話。
・感想
超絶面白かった…!!
立山黒部アルペンルートに旅行へ行く前に工事が過酷を極めたという黒部ダムとかその辺りにある発電所の背景でも知っとくか〜くらいのテンションで読み始めたんだけど、面白すぎて(内容的に面白いと言ってしまって良いのか分からないけど)あっという間に読み終わった。
(作品はクロヨンでも黒部ダムでもなくそれより前の黒部第三発電所建設時の話)
ずっーーーと「昭和11年っていつよ -
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うちは今、けっこうな田舎にあって、この前、2、3日うちを開けたら、ネズミかハクビシンか、アナグマが天井裏に住みついてた。というか東京に住んでた時も、防災用のビスケットがネズミにやられて、そこはあんまり田舎関係ないかも。前に虫に詳しい友達が言ってたんだけど、害虫を家に入れないためには、たえず「ここは人間のテリトリー!」とアピることが大事らしい。なので天井は、クイックルワイパーでドスドスつついてがんばった。ケーブルかじられて火事とか怖いし。人間さまの尊厳ってないね。虫やハクビシンとタイマン張らないと、家も守れない。
よく「自然を守ろう」とかって言ったりするけど、自然って、ちょっと気を抜くと、自分