吉村昭のレビュー一覧

  • 漂流

    Posted by ブクログ

    とても人の住むことは無理な島、禁断の不毛の小さい島。渡り鳥は、魚を食べるわけだが、そこらへんにかすかな望みはあったのだ。人と人との対立のサバイバルではなくて、自然環境の過酷さと、孤独があり、それでも帰る手立てを日夜考える、絶望と希望の物語。

    0
    2026年09月11日
  • 羆嵐

    Posted by ブクログ

    ー「腹、破らんでくれ」ー
    獰猛さ、野生の獣には慈悲などない。
    なかなか、トラウマになりそうな一文。

    ー銀四郎ー
    酒癖も悪く、粗暴で忌み嫌われるが
    羆撃ちとしては抜群である人物。
    羆の習性を分析して、単独で羆を狩る。

    ー必要なのは実力ー
    肩書きの良い警察、軍人を村民は頼ろうとするが
    到着までの遅さで被害が拡大してしまった。

    脅威が訪れたときに頼れるのは
    社会に不適合でも、圧倒的な実力を持った人
    綺麗事ではなく、本当にそう思わされました。


    0
    2026年09月09日
  • 光る壁画

    Posted by ブクログ

    主人公のお名前と私生活以外はすべてドキュメンタリーというちょっと珍しく感じる手法です。戦後の胃カメラ開発実話。胃カメラが最初に日本で開発されたとは知りませんでした。

    私の母が子供時代にすでに大人だったひとたちのお仕事。戦後から高度経済成長期にかけての空気感がすっと入ってくる感じ。渋谷、恵比寿、箱根、という馴染みのある土地が登場するせいでもあろうが。


    職場で、過去に退職した人々がおいていった本を処分することになって、欲しい本は貰えたのでピックアップしたうちの一冊。吉村昭さんはお名前は存じ上げていたけれど読むのは初めてでした。

    一回書いた感想が消えてしまって、書き直ししました。最初よりちょ

    0
    2026年09月06日
  • 漂流

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     トーク番組で百田尚樹さんが薦めていて読んでみたら冒頭から惹きこまれ一心不乱に読んだ。吉村さんの本は本当に描写力、筆力がすごい。これまで読んだ作家さんで我が本棚に一番多いのは五木寛之さんか吉村昭さん。ただ、五木さんが好きなのは昭和から平成初期まで。今はあんまり…。吉村さん作品は読後感が実にどっしりとしていて読んだ感が濃く深い。
     この本、百田さんがオチをしゃべってしまっていたので、それを知らなかったらもっと心躍らせ、没頭し、感動したと思う。百田さんに“喝!”もひとつ、イエローカード、いやレッドカードか。それ(オチ)をいっちゃぁ、おしまいよ。

    0
    2026年09月06日
  • 羆嵐

    Posted by ブクログ

    おじいちゃんに貰って、なんだかなぁと積読していた。気まぐれで読んでみると意外と面白く、1日で読んでしまった。
    熊の恐ろしさが脳にこびりついた。

    0
    2026年08月27日
  • 雪の花

    Posted by ブクログ

    人生を賭けて天然痘と戦った町医者の話。

    まだ科学的な知識が十分でない時代に感染症と戦うというのがどういうことだったのかということに思いを馳せる。

    いつかこの主人公の墓参りをしてみたい。

    0
    2026年08月19日
  • 漂流

    Posted by ブクログ

    小説マイベスト5には必ず入る。
    読んでいて情景が浮かぶし、ハラハラもするし、なんて面白いんだろうと思いながら読んだ。

    0
    2026年08月18日
  • 海の祭礼

    Posted by ブクログ

    ペリーが黒船に乗ってやってきて開国を迫られた。
    では、なぜ欧米諸国は日本に開国を迫ったのか。開国により、彼らは何を得ようとしたのか。あんなにもつまらなかった授業では語られなかった歴史の一端を知ることができる、一冊。

    北の果て、礼文島から始まり、アメリカ、長崎、下田、とあちこちに舞台を移しながら、鎖国していた日本はいかにして諸外国との交渉に当たったのかを知ることができる。

    吉田昭の小説は苦しく辛いものばかり読んでいる気がするが、この小説は苦難の中にも穏やかな瞬間もあり、万人にお勧めできる。

    0
    2026年08月12日
  • 羆嵐

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    この作品だけではなく、他の作品も読んでみたいと思った。
    そういう作家との出会いは久しぶりだ。

    20年以上読み続けられている作品には、まずハズレがないなぁと実感。

    0
    2026年08月12日
  • 高熱隧道

    Posted by ブクログ

    星5つ!!
    昔の工事の悲惨さがしっかりと表現されており、今の映像作品では表現しきれないだろうなと…
    とは言え吉村さん作品は読みやすく、司馬さんに疲れた時に読める小説。
    ちょっと読書速度が落ちてしまったのは、美談で語り継がれる黒部第四発電所と勘違いして読み始めてしまい、脳内をリセットするのに時間がかかってしまった…

    0
    2026年08月11日
  • 人生の観察

    Posted by ブクログ

    すっごい辛辣でおもろいです。悪辣なわけではなく、ありがとう!って感じの刺激を味わえます。
    作家さんのエッセイも面白いなぁ。

    0
    2026年08月05日
  • 漂流

    Posted by ブクログ

    これはすごい…
    スピノザの哲学を体現している…
    なぜ諦めず、生きることにこんなに執着できるのだろう(執着というとちょっとイメージが良くないですが)…
    でもこれは紛れもない事実。

    この時代の人の信心深さにも心打たれました。

    0
    2026年08月05日
  • 零式戦闘機

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    零式艦上戦闘機を通じて開戦から終戦までを描いた実話。
    これを読むまで、零戦が世界の追随を許さないほどの性能であったことを知らなかった。
    緒戦は敵なしで、山本五十六が半年や一年は暴れてみせると言っていたのは根拠があるんだなと思った。
    ミッドウェー海戦を機に米国の巨大な力に飲み込まれていく日本と、零戦の役割を重ねて描いていたのが面白かった。
    また通奏低音のように、牛馬で零戦が運ばれる様子が描かれており、最高水準の技実力と超アナログ運搬、日米の国力差を見事に表していたと思う。

    0
    2026年08月02日
  • 漂流

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    江戸時代、土佐の船乗りが嵐にあい、無人島に流れ着き生きていくサバイバル小説。

    たった4人で、森も川もないため飲み水もない。
    もちろん無人島なので人もなく、野菜も果物もなく、生き物らしい生き物は大量のあほう鳥だけ。道具もないので火も立てられない。とても生きていけるとは思えない。

    漂流者たちは基本的に皆善人であり、しんどすぎる運命に翻弄される彼らの人生と、その中で僅かに見える希望との落差の連続に泣けてしまった。

    驚くべきはこれが実話であること。フィクションならまだもう少し生きられそうなマシな設定にするのではないだろうか。
    実話であり、その物語が今読めるということは…是非結末は調べずに読んで欲

    0
    2026年07月26日
  • 高熱隧道

    Posted by ブクログ

    最初の30ページで、悲惨な描写の連続にすでに耐えられなくて、読み進めるのがきつかった。
    人夫と技師の主従関係による暗黙のルールが、悲惨な工事現場を背景に、気味悪く漂っていて、目を逸らしたくなった。
    最後の方は、全力疾走で読み終わり。
    おもしろかったのだけど、つらくて再読はできなそう。

    0
    2026年07月18日
  • 羆嵐

    Posted by ブクログ

    この本には、その当時の人々の暮らしぶりをはじめ、
    自然の怖さ、極限状態に陥った人間の脆さ、
    そして人間の愚かさや強さ、悲哀
    といったものがすべて詰め込まれている。

    グロテスクな表現も多々あるけど
    そこは本分じゃなくって

    バトルジャンキーな爺さんの悲しみも
    責任感のある爺さんの強さも
    羆をペチペチ叩いたばあ様の痛みも
    浮かれた隣村の人達も
    組織の歯車の分署長も
    どれもこれも鮮烈に焼き付いて離れないんだから
    この本は凄いんだろうと思う。

    0
    2026年07月17日
  • 羆嵐

    Posted by ブクログ

    昨今の熊被害・駆除対策を軽視または疑問視している人は必読。熊の種類こそ違うが大いに教訓を得ること間違い無し。実話ベース(人名、被害状況を変更)で、慰霊碑的な場所(三毛別羆事件復元地)が存在するが、人里から離れている為現在でもヒグマに遭遇する可能性が高いとのこと…

    0
    2026年07月12日
  • 羆嵐

    Posted by ブクログ

    5よりの星4!!
    と思ったけど5に変更です!!
    内容は今年一番没頭できたので5に変更です。

    今までは事件の事の説明で史実を調べたりしましたが、小説として討伐隊の状況や区長の心境など表現して、後半になるにつれ没頭して読めました。

    再読もしたい本です。
    事件ももう一度調べたい。

    0
    2026年07月05日
  • 破船

    Posted by ブクログ

    前浜でささやかな漁をし、浜に流れ着いた貝や海藻を拾い、浜と山の間に小さくある平地でちっぽけな畑を作り、たった十七戸しかない村の生活。
    食べていけない家は、家族の誰かを年季奉公に出す。売る。

    村のたった一つの望みは、村のそばで船が座礁することだ。
    そうしたら、船の積荷を奪い取り、船を解体して木材や釘などを調達でき、運が良ければ米を手にすることもできる。
    しかしそんな幸運は、ここ数年全くなかった。

    伊作の家では、父親が3年の年季奉公に出た。
    まだ10歳を少し超えただけの伊作が、母と二人で小さな弟と妹たちを食べさせていかなくてはならない。
    でも、まだ子どもなのよ。
    気持ちはあっても、力も、漁の技

    0
    2026年07月03日
  • 雪の花

    Posted by ブクログ

    コロナ禍、ワクチンや予防法のデマなど情報が錯綜していたことを思い出した。
    いつの時代も無理解が壁になる。

    0
    2026年06月27日