田中啓文のレビュー一覧

  • 銀河帝国の弘法も筆の誤り

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    言うなれば「バカSF」。

    表題からもわかるように、宇宙を舞台にしたSF短編集なのだが(書き下ろし2本を除く3本は「SF○ガ○ン」が初出)、全編を覆うのはただただ駄洒落と悪趣味な描写。う~ん、この作者ってこういうのが本領だったんか……ま、グログロが好きなのは当時「異形コレクション」に発表していた作風を読めばよく分かる。

    とにかく「く、くだらねぇ~」の一言。が、その馬鹿バカしさが面白い。本編の他、5人の作家が書いた「解説」と、それに対する著者の「あとがき」も愉しめます。
    何も考えずに読める一冊。但し、人によっては拒絶反応を起こすかもw

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    2012年03月14日
  • 茶坊主漫遊記

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    2話目は、『剣客商売』で傑作と言えば必ず名前が挙がる『天魔』へのオマージュ含みかな。

    田中啓文にしてはオーソドックスなお話です。
    キャラも有名どころを揃えているので、すらすらと読めます。

    島原の乱は結局書いてないけど、あれはそれだけで1冊の長編になるからしょうがないか。ただ、田中啓文が島原の乱を書くと原城の中が別の意味で阿鼻叫喚になりそうだが ヽ(゚∀゚)ノ

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    2012年03月06日
  • 茶坊主漫遊記

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    斬首されたはずの石田三成が生きており、坊主の姿で水戸黄門ばりに諸国を旅していく時代ミステリー。
    三成を題材にした割にはキャラは水戸黄門のようだし、同行する腐乱坊や彦七がなぜ同行するようになったのかは書かれておらず、もう少し突っ込ん展開が欲しかった。

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    2012年03月02日
  • 茶坊主漫遊記

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    「笑酔亭梅寿謎解噺」シリーズで御馴染かつお気入り作家・田中啓文の「チュウは忠臣蔵のチュウ」に続く時代小説版お笑いミステリーだ。

    京都で斬首されたはず石田三成が米沢藩に生きのびていたが、いつしか幕府の知るところとなり坊主姿になりそこから密かに抜け出して南へ向け旅立つ。柳生十兵衛を追っ手として振り向けるが、坊主姿の三成と付き添いの腐乱坊そして行きずりの彦七の三人組は果たして追っ手を振り切れるのか。

    三成と言うと何となく細面で切れ者というイメージがあるが、ここでの三成は「チビで真ん丸顔」のひょうきん者だ。米沢藩の追っ手が顔も知らずに三成を探索に訪れた茶屋の親父に「怪しい二人連れは見なかったか」と

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    2012年02月29日
  • ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺

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    落語なんか好きになりそうですよね。

    からめかた上手いわ。

    主人公ほど感動はできないけど
    凄さは有りますよね。

    先が楽しみな本かも

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    2012年01月31日
  • ハナシがうごく! 笑酔亭梅寿謎解噺4

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    シリーズ4作目、もうお馴染みのどたばた喜劇、さりげないミステリ要素、落語のネタに掛けたストーリー設定、安心して読めた。ネタ「鬼あざみ」が聴きたくなった。次回でシリーズ完結か。

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    2011年11月24日
  • ハナシがうごく! 笑酔亭梅寿謎解噺4

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    毎回、上方の噺家につけらるネーミングに苦労しつつ、なんだかんだ言って読み終わるたびに好きになってしまうシリーズ。
    今回も面白かった。

    謎解きの色は薄かったけど、このドタバタ感は嫌いじゃない。
    特にしょっぱなの二人癖が良かったなぁ…、
    ベタでもこういうホロリに弱い。
    中盤から最後にかけては、どんどんハナシが転がって、
    どう落ち着くのかしら…とハラハラしつつ、
    肩すかしを食うようにストンと落としてくれる。
    オチはこれまたベタだけど、逆にこのベタが癖になるのが不思議。

    梅駆がどう育って、どんな噺家になるのか今後がますます楽しみになりました。

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    2011年11月14日
  • ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺

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    ミステリーにカテゴリわけしたけど、あんまミステリーっぽくはないかな。コナン要素はあるんだけど。

    バンドマン(笑)をなんとなく目指していたらしいヤンキー(笑)の竜二が、担任に無理矢理酒飲みの落語家のとこへ弟子入りさせられるのが冒頭。
    それから、落語の話に合わせた謎解きを孕んだ、竜二の成長物語的ジュブナイル。…だと、私は思っている。

    転職する前、昼休みがその時間なので見ていた『ちりとてちん』をなんとなく思い出したので、噺家さんの仕組みみたいの、なんとなくすんなり理解できたかな。まったく知らずに読んだら、その辺については微妙かも(あんま説明がない。常識なの?)。でも、話は面白いので知らなくても楽

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    2011年10月27日
  • ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺

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     元々古典落語は好きなので、楽しく読めました。そして落語が聞きたくなった……! 推理物としては弱いのですが、落語+推理物というジャンルは新鮮です。

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    2011年06月01日
  • ミミズからの伝言

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    一言で言えばお馬鹿ホラーの短編集。結局最後はダジャレかよ!
    表現は見事なまでにリアルにエグくグロい。
    自身初の田中作品。
    案外嫌いじゃないかも…

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    2011年05月16日
  • 天岩屋戸の研究

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    “保志野は目を丸くして、比夏留の食べっぷりを見守っていた。十人前はありそうな、山盛りのマカロニが、みるみる減っていく。
    「あいかわらず……すごいよねえ……」
    「だって、おなか減ってるんだもん。ここんとこ体育祭の準備で昼ご飯抜きだったし、こないだ血を飲んだでしょう。あれから気持ち悪くて、病院でもご飯が食べられなくなっちゃって……やっと元通りになったの」
    「諸星さんでも食べられなくなることあったんだ」
    「そーなの。ちょっと痩せたんだから」
    「えっ、ほんと?」
    「ほんとよ。二百十二キロに落ちて、ショックだった。もちろん、もう戻したけどね」
    ぱくぱく、ぱくぱく。
    「でも、今度のことでは保志野くんの『わ

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    2011年04月11日
  • 邪馬台洞の研究

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    “「今です。はやく……」
    保志野だった。保志野は、倒れた弾次郎を抱え起こそうとしたが、もちろんそれはむり。比夏留が、
    「えいっ」
    と気合をいれて、父親を立たせた。
    「パパ、大丈夫……?」
    「あ、ああ……ちょっとふらついただけだ。——きみは?」
    「お嬢さんの級友で、保志野ともうします。はじめまして」
    「え?はあ……その……こちらこそはじめまして」
    「そんなことやってる場合じゃないでしょ。逃げなきゃ」
    保志野が松明を鳥に投げつけると、下腹部に当たって、鳥ははばたきながら飛び退いた。
    「今です!」
    三人は逃げる。やっと洞窟の入り口に到達し、外へ。
    ぜいぜいはあはあぜいぜいはあはあ。鍛えているとはいえ

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    2011年04月11日
  • 蓬莱洞の研究

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    “まず、大盛りカレーライス(味が薄くて超まずい)。これでもかとばかりにカレールーのかけられたてんこもりの飯がスプーンで突き崩され、雪崩のように口に吸い込まれていく。まわりの級友たちは、三人前はありそうなその飯の山がみるみる消えていくさまを呆然と見つめていた。だが、それでことは終わらなかった。続いて、大盛りきつねうどん(味が濃くて超まずい)。洗面器のような丼に入ったうどんは、五玉はあるだろう。そのうえに揚げが五枚、蓋のように並べられている。スプーンを箸に持ち替えると、一分一秒でも惜しいというように、凄まじい勢いで麺を啜り込む。ずずずずっ、ずずずずずずっ、ずずずずずずずっ……。天井が落ちてきそうな

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    2011年04月11日
  • 異形家の食卓

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    えー、なにこれ?

    最初の1作目ででも、既視感。
    なんだこれ?
    最初はへんなだじゃれが清水義範か?と思ったが、
    過激なグロさと畳み掛けるような勢い‥

    そうだ、これ、筒井康隆だ。

    擬音語と擬態語を振り切れるとそうでもないんだけど、
    「食卓」というだけあって食べ物のグロイ表現がちょっとね。
    筒井ワールドマイナスエロプラス大グロ、ですかね。

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    2011年04月03日
  • ハナシがはずむ! 笑酔亭梅寿謎解噺3

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    モヒカン噺家「竜二」シリーズの第3弾。今回も彼を中心に
    大きな問題やトラブルが続々と舞い込んできます。その
    殆どが本人が望んでない事なのが可哀想ではあるw。
    もちろん、今作も楽しく、ホロリとさせられる人情噺や
    バカバカしいオチも用意されており、面白いんですが
    この「竜二」のあまりにも周りに流される態度に
    読んでいてイラっとします。
    前作でもそうですが、落語に入り込めない為、スグに
    自分の意識や興味が目移りしてしまうんですねー。
    今回は俳優になりたい...なんてアホな夢見てますw。
    まぁ、そんなたわけた夢はスグに師匠に
    看破されてしまうんですが...。

    まだまだこの竜二の成長を師匠たちと見届け

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    2010年12月06日
  • 辛い飴

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    永見緋太郎シリーズ第2弾。ミステリとしてと同時にジャズ小説としても愉しめる。実際に音楽が聞こえてくるかのような演奏シーンが素晴らしく、付録のお薦めレコード紹介も嬉しい ♪。お気入りは「甘い土」。

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    2010年11月15日
  • ハナシにならん! 笑酔亭梅寿謎解噺2

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    シリーズ2作目はストーリー全体が大きく動きますね。
    「ハナシがうごく!」篇って感じですw。
    金髪モヒカンの下っ端噺家「竜二」のその異常なまでの
    ツキの良さと落語センスの高さは謎ですが、色々な
    芸能や人々や状況に流され、モロに影響を受けながらも
    なんだかんだと彼なりのスタンスで落語を続けていく
    姿勢は微笑ましいし、応援もしたくなってきますね。

    前作以上に破天荒でもはやたんなる酒乱にしか
    見えない破滅型芸人の「梅寿」師匠の壊れっぷりも
    安定感(?)があり素敵w。
    時にはド浪花節のめっちゃいいオッサンになるのは
    ズルい。その浪花節全開の「ちりとてちん」が
    今作のベスト!かな。

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    2010年11月14日
  • 陰陽師九郎判官

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    平安末期、木曽義仲が勢力を拡大する中、源氏の棟梁・頼朝が挙兵。奥州の九郎義経も兄の元に参じるが、冷たくあしらわれる。その時、馬李阿と名乗る異国の女が現れ…。悲運の美将・源義経の正体は!?

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    2010年11月13日
  • 銀河帝国の弘法も筆の誤り

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    これはまた、ふざけた小説だ
    だいたい、「銀河帝国の弘法も筆の誤り」だって・・・・
    SF好きしかわからんネタをさむい駄じゃれで
    あははは。。。。私もこの本を推薦できません。(笑)

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    2010年10月29日
  • ミミズからの伝言

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    初読の田中啓文氏。ホラーから入ったのが
    正解なのか...正直今作では分からないっす。
    失敗なのかなw?

    7編の短編からなるホラー集なんですが
    ホラーというよりは生理的に嫌悪を
    感じるようなやや気色悪っ!な作品群。
    読んでいてどこか一カ所は誰しも顔を
    しかめる事必至なネチャっとしてグチャ
    っとしてビチャっとした作品w。
    嗅覚までも刺激してくれますよー。

    あとがきにてご本人も触れてますが
    ホラーの中でも屈指のアホラーとも
    言えそうな「赤ちゃんはまだ?」は
    稀に見る下らなさ爆発。そして暴発。
    そして自爆w。
    く、下らないー。
    でも好きーw。

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    2010年10月12日