田中啓文のレビュー一覧

  • 猿猴
    民俗学好きな(特に古事記とか好きな)人にはワクワクする物語と思う。
    話の展開は想像できるところがあったけれど最後がこうなるかぁ…と思ったり。
    船は、ノアの箱舟でも示してるんでしょうかね?
  • こなもん屋うま子
    スルスルーっと読めました。
    「奇談蒐集家」に似た雰囲気があるなー、って思ったり、鯨統一郎の雰囲気、ひょっとして北森鴻風味も?なんて思ったりしながら、スルスルーっと読み終えた感じです。
    粉もんって、見た目より腹に貯まるんですが、この本はとても消化に良かったように感じました。
    どうしても、表紙の「こなも...続きを読む
  • 鍋奉行犯科帳 道頓堀の大ダコ
    シリーズ二作目。「風邪うどん」そばとうどんと出汁の話が楽しい。今回の4編の中で読んでいて一番空腹を感じた。大阪のこしのないうどんが食べたくなる。「地獄で豆腐」いろいろな地獄にそれぞれの豆腐、最後に豆腐が切れてよかった。「蛸芝居」一膳飯屋の業突屋の孫がおばあさん直伝の出汁を小麦粉を水で溶いて焼いてつく...続きを読む
  • 鍋奉行犯科帳
    面白いけれど、会話だけで話が進む場面では誰が何を言ったのか分かりにくいです。ドラマのノベライズかと思うぐらい。ドラマだったら、お奉行の扇子の文字とかもオチとして楽しめそうですが。
  • 鍋奉行犯科帳 道頓堀の大ダコ
    鍋奉行シリーズ第2弾。
    大邉奉行の食いしん坊ぶりは更にパワーアップし、勇太郎は相変わらず小糸と綾音との間で煮え切らないし、今後の展開も楽しみ。
    時代小説というよりは落語の一席を読んでいるようだ。
  • こなもん屋うま子
    大阪のどこかにある神出鬼没の店「馬子屋」。
    今日も悩みを抱えた人達が女店主・蘇我家馬子が作る絶品「こなもん」料理を口にする。
    たこ焼き、うどん、ピザ、焼きそば、豚まん、ラーメン・・・・・喰いたい。
  • 辛い飴
     この話を長編で書いたらしんどい、けど、ジャズとミステリと言う視点で、さらに短編となると輝きは増すばかりである。ひたすら格好いい。
     時折出るダジャレに若干ほっとするw
  • 鍋奉行犯科帳
    題名を見てあまり期待はしていなかったのですが、読んでみると、いつも通りの田中ワールドが眼前に広がり、江戸時代の大阪のことや食慣習などに思いを馳せながら楽しく読ませていただきました。第一話、食材に因んだ動機が秀免です。第二話、ひつまぶしの謂れのくだりが楽しい。第三話、ご飯に鰹節を乗せてだし汁をかけさら...続きを読む
  • ハナシがはずむ! 笑酔亭梅寿謎解噺3

    モヒカン噺家「竜二」シリーズの第3弾。今回も彼を中心に
    大きな問題やトラブルが続々と舞い込んできます。その
    殆どが本人が望んでない事なのが可哀想ではあるw。
    もちろん、今作も楽しく、ホロリとさせられる人情噺や
    バカバカしいオチも用意されており、面白いんですが
    この「竜二」のあまりにも周りに...続きを読む
  • ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺

    人気のシリーズ。ようやく手をつけ始めました。
    落語とコメディとミステリに更に作者の多趣味性を
    散りばめていてサクサクと軽快に読めますね。

    傍若無人に見えてやはり噺家らしく浪花節バリバリの
    「梅寿」師匠を始め、ある意味ベタな人物設定の
    登場人物み古典落語がテーマになっている為か、全く
    ...続きを読む
  • 茶坊主漫遊記
    なんだか、どこぞのご隠居様を彷彿とさせるお話だわ(笑)
    史実の裏を描いて見せるこういうお話ってかなり好き。
    でも、ラストがちょっと釈然としないので★は3つ止まり。
    彦七のキャラはかなり好み。
  • 蓬莱洞の研究
    「伝奇、ミステリー、ユーモア、学園小説の融合」という作品紹介に騙されて手にとってしまった駄洒落本。
    表紙のおかげで雰囲気はつかめたけど、文庫カバーの裏の文章はなんとかしたほうがいいんじゃないだろうか。
    手に汗握る脱力系コメディ。
    くだらん!と言いつつ続編を見つけたら手にとってしまいそうです…
    比夏留...続きを読む
  • 聴いたら危険! ジャズ入門
    よし聴くぞと決心が必要な音楽を海外と国内のミュージシャンにわけて紹介してくれる。
    最近、まともに音楽に向き合って聴くことが少なくなったなぁと痛感、久しぶりにCD棚から引っ張り出してみようかなと思える愛情あふれるガイドブックでした。
  • 天岩屋戸の研究
    題材は好きだったのだけれど、文体が合わない、というか、・・・ちょっとふざけ過ぎてない? と思った。
    でも、解説を読んだら、それが重要な“ギャグ”だったようで、
    しかも、これはシリーズ物で、この巻の前に2冊あるとか、、、
    これが、著者・田中啓文との出会いとなった(きっかけは『セブンミステリーズ』だった...続きを読む
  • 元禄百妖箱
    著者による忠臣蔵別解釈?
    桂昌院(綱吉生母)が九尾の狐で取り付いている話
    色々な妙な経緯で忠臣蔵へと進んでいく
    縛狐精と言う茶碗が中心?
  • 蠅の王
    田中 啓文 『蠅の王』
    (原題『ベルゼブブ』・徳間書店・2001年11月/角川ホラー文庫・2008年1月)

    ある遺跡で、無数の赤子の骨と一つの壷が発掘された。
    その封印が解かれた時、この世は底知れぬ“悪意”で満たされた。
    突如、東京で頻発しだした奇怪な児童殺人。
    地底から幼児の呪歌が湧き上がる異...続きを読む
  • 茶坊主漫遊記
    石田三成が生きていたという仮説の上に豊臣秀頼が生きて薩摩にいる、更には息子も?
    更に意外なことに秀頼の子、国松は、徳川秀忠の二男国松と取り換えられていた!
    猿飛佐助の息子、はたまた柳生十兵衛とか、途中に謎解きを交えながら米沢から薩摩へ
  • 落下する緑
    ジャズをテーマ・・・というほどでもないな。ジャズの奏者が登場人物というだけで話の核にジャズってほどでもないように思う。
    一編一編が短くサクッと読めるのは悪くないですが、裏を返すとどの話もすぐに終わっちゃって消化不良感が否めない。それでいて謎が面白いかというとそれほどでもないような。。。デビュー作だか...続きを読む
  • ホラーセレクション 平成都市伝説
    都市伝説をモチーフにした短編集。結構面白かった。なかでも「:わが愛しの口裂け女」と「飢えている刀鋩」がよかった。
  • 蹴りたい田中
    本当にアホな作品(最上級の褒め言葉)
    タイトルからすごいが、内容も負けず劣らずふざけている。
    本作品は茶川賞(芥川賞ではない)を受賞した後、失踪した田中氏の短編集という体をなしている。それぞれの作品は九割がた駄洒落で構成されたSFであり、相変わらず田中啓文らしい作品である。
    一番面白かったのは、「地...続きを読む