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Posted by ブクログ
完全に身構えてしまった。600数十ページにも及ぶ厚さとキリストもの伝記ホラーという事で、眉間にシワを寄せ序盤から1ページ1ページを大事に噛み締めながら読む。面白い。歪んだ世界観の描写は素晴らしく、お得意のグロ描写も斬れ味抜群だ。しかし田中啓文はこれで終わらないのだ!終盤は今迄のは何だったんだ!?とハチャメチャにブチ壊した展開になるのだ。もう東宝特撮シリーズなのだ。虫や臓物のグロさ、性的描写のキツいエロさ、架空の表現や駄洒落のくだらなさ。田中ワールド全開の超スペクタルキリスト伝記お下劣脱糞クソ虫ホラーはいい意味で裏切られた。
Posted by ブクログ
田中 啓文 『蠅の王』
(原題『ベルゼブブ』・徳間書店・2001年11月/角川ホラー文庫・2008年1月)
ある遺跡で、無数の赤子の骨と一つの壷が発掘された。
その封印が解かれた時、この世は底知れぬ“悪意”で満たされた。
突如、東京で頻発しだした奇怪な児童殺人。
地底から幼児の呪歌が湧き上がる異常の街に、悪魔教団が姿を現す。
その頃、一人の少女が身に覚えのない妊娠をした。
生まれ出ようとしているのは何者なのか?そして、巨大な呪いは誰のものか?
想像もつかぬ真実がついに解き明かされたとき、“蠅の王”が出現した。(セブンアンドワイHPより)
この伝奇ホラー、というジャンル、当たりが少ない籤をひくようなものだと認識しているので敬遠気味であったのだが、あの田中啓文が・・・、と思わず手にとってしまった。
「あの」田中啓文と言っても、最近は落語やジャズを題材にしたミステリの方で注目されてたのでそのイメージしかなかったのだが、そういえば『ミズチ』も角川ホラー文庫だし、SFもいろいろ書く人だったはず。『馬子』や『蹴りたい田中』もたしかこの人だったなぁ。
で、肝心の内容はと言うと、可もなく不可もなく、であった。
蠅や蜂、蛾、蟻に蓑虫と、これでもかと虫が出てきて、これでもかと人が死ぬ話。
生来の虫嫌いの私には刺激が強すぎると思っていたが、「怖いモノ見たさ」で結構楽しめた。
無論、これが映像化などされようものなら、それこそ失神もしくは瀕死状態は不可避だったろう。
しかし深層意識の虫バリアーが脳内での映像化を固く拒否してくれたので、無駄なエネルギーを使うことなくスラスラ読めた。
田中啓文はもともとエログロダジャレの人なんだから、こんな省エネな読み方は邪道なわけで、本来味わうべきカタルシスの何分の一しか味わえていないだろうが、もう満腹、ごちそうさま、である。
キリスト教信仰と悪魔信仰、カルト教団と言った具材に、SF的要素を味付け程度に加え、うまく料理している気もするが、そこの掘り下げというか、ビックリ感が希薄であったのが惜しい。
これだけの筆力があるのなら、もっと荒唐無稽な展開、驚天動地の真相を、と期待してしまう。
と言っても、あとがきを読むと、これからもこのタイプのやばい伝奇ホラーをばんばん書く、と宣言してらっしゃるので、このまま期待外れに終わることはまずないだろう。
次は何とぞ虫以外でお願いいたします。
ところで、こんなダークな話なのに割と核心に近いところにダジャレを入れてくるその勇気は買い、だ。
あと、神様の造形も出色!最後のほうのセリフなんて、ただのおっさんになってて爆笑モノであった。
70点(100点満点)。
Posted by ブクログ
【2026年68冊目】
昆虫学者の両親を亡くした瀬美は、叔母と共に暮らしている。亡き両親の異常なまでの虫への愛情に反比例して、瀬美は大の虫嫌いであり、目にしただけで蕁麻疹が出るほどだ。彼女には売れっ子アイドルの彼氏であるショウがいるのだが、近頃は宙馬と名乗る男との淫夢を頻繁に見ており、罪悪感と共にますますショウへの思いを募らせている。ある日体調不良を感じた瀬美が病院に行くと、妊娠が発覚。それは地球を舞台にした争いの幕開けに過ぎなくて――。
一言で言うと、ものすごく下品で、やりたい放題な小説です笑 虫が嫌いな人には拷問にも思える内容ですが、そもそも虫が嫌いだったら「蠅の王」というタイトルの時点で手に取ることはないと思いますが。
架空の昆虫もたくさん出てくるので、「よくこんな名前思いつくな」と思いながら読んでいました。また描写が詳細なので、想像力をあまり働かさずに読んでました。とにかく、酷いやつらが集結したぜって感じでしたね。
子どもが犠牲になるのは可哀想だったのと、叔母さんはどうなったの?というのが気になりました。終わり方どうするんだろうと思いましたが、なるほど〜!という感じでもありました。でも、虫と天使を同等に扱うなんて、キリスト教徒の人に怒られそうですね…。
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小説・文芸
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