田中啓文のレビュー一覧
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ネタバレ目次
・蛇含草
・天神山
・ちりとてちん
・道具屋
・猿後家
・抜け雀
・親子茶屋
今回の竜二は今ひとつだったかな。
前巻よりは真面目に落語と向き合っているけれど、ちょっと何かあると古くさい師弟制度が、落語を古典芸能にしてしまい、若い才能は漫才やコントに流れていくと思ってしまう。
落語の力を信じきれない。
謎解きという面では頭が回るのに、先輩たちの助言をちっとも理解できないのはなんでなのだろう?
梅寿師匠は、飲んだくれで、金に汚くて、暴力的で、とんでもないオヤジだけれど憎めない。
そばにいたら簡単に憎めそうだけど、とりあえず憎めない。
なぜなら、人情に篤いから。
竜二にはとことんきつく当たるけど、多分それは竜二が打たれ強いのをわかっているからなんではないかな。
さて、松茸芸能を解雇された師匠と竜二たちは、次に何をやらかしてくれるのだろう。
わくわくわく。 -
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ネタバレ目次
・たちきり線香
・らくだ
・時うどん
・平林
・住吉駕籠
・子は鎹
・千両みかん
目次はすべて落語の演目。
各話の頭に、月亭八天さんの落語解説があります。
主人公は落語なんて全く興味のない、天涯孤独の不良少年・竜二。
落語よりは漫才やコントなどの方が断然面白い。落語なんてダサい。そう思っています。
我慢なんて知りません。頭にきたらすぐキレる。我慢なんてするだけ損。そう思っています。
高校を中退して、好き勝手に生きていた竜二を、元担任の先生が無理やり笑酔亭梅寿師匠のもとに弟子入りさせます。
すぐ辞めてやる。絶対やめてやる。そう思っている竜二でしたが、気分屋で、大酒のみで、すぐに暴力をふるう師匠の落語を聞いて、落語って面白いと思います。
気分屋で、大酒のみで、すぐに暴力をふるう師匠のどこに、人を感動させ笑わせる力があるのか。
それはこの本を読めばわかってきますが、実際こんな師匠みたいな人がそばにいたらたまらないと思いますよ。
笑酔亭梅寿謎解噺ということになっていますが、実際に謎を解くのは竜二です。
でも、「俺には真相がわかっているが、竜二、みなさんにわかりやすく説明してやれ」というので、対外的には梅寿の謎解きとなるのです。…って、師匠は毛利小五郎か!
落語のことを全然知らなかった竜二が落語を学んでいくように、読者も事件を通じて落語を知ることができます。
例えば江戸落語と上方落語の違いなど。
江戸落語では「時そば」
ひとりの男が蕎麦屋との掛け合いの中でそば代を1文ちょろまかす話ですが、上方ではこれが「時うどん」
そばがうどんになっただけではありません。
「時うどん」では二人組の男が1杯のうどんを食べる話。
基本は同じでも、ちょっと違うところが面白い。
「平林」
東京では「ひらばやし」、大阪では「たいらばやし」と発音するのだそうです。
私は「たいらばやし」だと思っていました。
だって「た~いらばやしかひらりんか、いちはちじゅうのも~くもく、ひとつとやっつでとっきっき」って言うでしょ?
「ひらばやし」なんて出てこないじゃん。
面白かったので、シリーズを追いかけて読もうと思いました。
竜二の成長も気になるし。 -
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『こなもん屋うま子』があまりに楽しかったので、この著者の時代小説ならば、あまり時代小説に慣れていない私でも読めそうだと、シリーズを大人買い。期待を上回る楽しさでした。
大坂西町奉行所に赴任してきたのは巨漢のお奉行様、大邉久右衛門。どケチなくせして、食べるものに関してだけは金に糸目をつけず。しかも、旨いものと見るや自分の分だけではなく、与力や同心たちにも食え食えとうるさい。付いたあだ名は鍋奉行、大鍋食う衛門。食べること以外に興味はないのかと思いきや、事件が起こればぼそっとつぶやいて解決の糸口を示す彼に、まわりはすっかりペースを乱され巻き込まれ。
主人公は久右衛門というよりも、若い同心の村越勇太郎。勇太郎の目線で描かれる事件の過程や久右衛門の言動がものすごく楽しい。シリーズ1作目となる本作では、ふぐ、鰻、鰹節、餅菓子が登場。旨いものを食べれば気持ちが安らぐ。豪快な書きっぷりながら、料理についての描写は子細に渡り、胃袋も刺激されることまちがいなし。辻斬りやら仇討ちやら、穏やかとはいえない事件なので、そこは少しバランス悪し。時代が時代だけに合っているとも言えますけれども。 -
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お笑い芸人と刑事、二足の草鞋で活躍する主人公を描く連作短編ミステリ。もちろん刑事は副業禁止なので、秘密裏に兼業しているわけだけど。同僚にばれてたかられたり、先輩にばれそうではらはらしたり、と事件以外の部分でかなりどきどきさせられます(笑)。だけど二つも天職をものにできた彼は、実はとんでもなく幸せだよなあ。
お気に入りは「人形に殺された男」。いかにも怪奇じみた殺人事件に惹きつけられます。事件自体はかなりシリアスで怖いよなあこれ……。そして高山の決断にもまたはらはらどきどきさせられて。
そしてラスト「漫才刑事最後の事件」の腰砕けな真相もそれはそれで(笑)。笑いもミステリもたっぷり楽しめる一冊でした。 -
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ひょんなことから
落語家に弟子入りする事になった不良少年。
初めは興味もなかった落語に少しずつのめり込んでいく。
田中啓文がこんな本も書いていることに驚き。
ホラーしか読んだことがなかったので。
そこまで詳しくはないですが、落語、私は好きです。
難しそうなイメージを持っていましたが、聞いてみると、意外とライトで面白い。
これぞ娯楽という感じ。
主人公の竜二も落語には詳しくないので、読み進めていくうちに一緒に落語を好きになっていく感覚。
師匠もかなりはちゃめちゃな人ですが、私、こういう男の人は嫌いじゃない。
締めるところは締めているし。
解説にも書いてありましたが、ミステリと落語のなんと相性のいいことか。
これは続きが気になるシリーズです。
他の方もレビューで書かれていますが、表紙が少し残念。何だかイメージと違う。 -
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この小説に星をつけるのは負けた気がする。
でも、続編も絶対読むつもりだし…。
夏休みの課題図書なんかに、必ず一冊読書が苦手な子
向けの本が入っていたりしませんか?
にぎやかな登場人物達の冒険譚に挿絵代わりの漫画。
それがそのままちょい大人向けになったのが本作品。
蓬莱洞の研究、大南無阿弥洞の研究、黒洞の研究の
3編がおさめられています。
民俗学的な面白さを期待したのですが、それは
ほとんど関係なし。
でもオシラサマとかそういうワードが好きな人は
より楽しめると思います。
いわゆるバカミスかとも思ったのですが、ミステリでも
ないし。もしかしてただのバカ小説!?
さすがメフィスト。
でもただのワーワーキャーキャーで終わらない
雰囲気もあり、ストレスなく読み進められる
楽しい一冊です。
でもオンブーっていわれて「おばけ?」と思う
比夏留ちゃんって本当に女子高生なの?笑 -
Posted by ブクログ
異形つながりで、田中啓文の短編集。良い意味で最悪な読後感。トラウマ系なので、人によっては途中でダメになるかもしれないが、この人はこういうものなのだ。
とにかく、内臓が飛び散り謎の粘液がほとばしり、もちろん血まみれグチュグチュのヌルヌル系なので、読者は選ぶのだが、筒井康隆のグロ部分を良い感じに引き出したような作風なので、筒井慣れしている人には笑いながら読める。
ほとんど作品が、タイトル通り食卓や食材に関わるもので、死体を食べるものから謎の生き物と、その(以下自粛)ものまで、まあ食欲が殺がれる事この上ない。
それ以外の作品も、筒井康隆の影響を受けたワルノリドタバタで、作風だけでなく擬音にいたるまで、見事に筒井流である。マシンガンの音が「ダダダ」じゃなくて「ぷちゅ、ぷちゅ」というところだけ取り上げても、わかる人にはわかる。
そう思いながら読んでいたところ、どうやら単行本の帯には筒井康隆が推薦文を書いていたそうだ。
読後感も何もかも最悪だが、この最悪が良いのである。グロ表現に耐性のない人はやめておくか、筒井康隆の短篇で鍛えてから読むべき。そうでない人にはおすすめする。食欲がなくなりますので、ダイエットにも最適かも。