田中啓文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
異形つながりで、田中啓文の短編集。良い意味で最悪な読後感。トラウマ系なので、人によっては途中でダメになるかもしれないが、この人はこういうものなのだ。
とにかく、内臓が飛び散り謎の粘液がほとばしり、もちろん血まみれグチュグチュのヌルヌル系なので、読者は選ぶのだが、筒井康隆のグロ部分を良い感じに引き出したような作風なので、筒井慣れしている人には笑いながら読める。
ほとんど作品が、タイトル通り食卓や食材に関わるもので、死体を食べるものから謎の生き物と、その(以下自粛)ものまで、まあ食欲が殺がれる事この上ない。
それ以外の作品も、筒井康隆の影響を受けたワルノリドタバタで、作風だけでなく擬音にいた -
Posted by ブクログ
おもしれぇぇぇぇ!!!!
すっっごい面白かった
ホラーであり、ミステリーであり、SFであり、様々要素をこのボリュームでまとめ切ったのがすごい。オカルト的な要素を如何に現実的に作品に取り入れるかは難しいところだと思うけど、まさか胃に取って代わる虫とは……それどころかラストで語られる胃そのものが別の生物なのではないかという可能性まであってもうびっくり仰天
伊邪那美と伊邪那岐、まゆみと己一郎、神と巫女(明美)、色んなところに男女の関係が暗示されていた。そしてそれこそがそれぞれの事件の発端になっていたような気もする。
ホラー作品の常として結末としては後味の悪いものだったが非常に面白かった