田中啓文のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この田中氏は、守備範囲の広い作家さんらしい。いろんなタイプの小説を書いてる。
私はこの本が初だったけど、お気に入りの1人になりそう。
いわゆるヤンキーあがりの竜二は高校のときの担任に、無理矢理落語家に弟子入り
させられる。年がら年中二日酔いで無茶苦茶な師匠、笑酔亭梅寿にこき使われ、
罵倒され、さんざんな目に遭いながらも、次第に落語の魅力にはまっていく竜二。
そんな日々の中で出くわした事件の謎を竜二が解き、あたかも師匠の推理かの
ように周囲に伝えて事件を解決していく。(名探偵コナンみたい?)
謎解きも面白いけど、竜二と師匠、兄弟子達のやり取りや、落語の場面が面白くて
すっかり話しに引き込まれた -
Posted by ブクログ
ネタバレ唐島英治クインテットのメンバー、永見緋太郎は天才肌のテナーサックス奏者。音楽以外の物事にはあまり興味を持たない永見だが、ひとたび事件や謎に遭遇すると、楽器を奏でるように軽やかに解決してみせる。逆さまに展示された絵画の謎、師から弟子へ連綿と受け継がれたクラリネットの秘密など、永見が披露する名推理の数々。鮎川哲也も絶賛した表題作にはじまる、日常の謎連作集。
面白かった。
ジャズに関しては、全くの門外漢だが、
それでも問題なく読み進められた。
著者のジャズに関する愛情がいっぱいなことが
ひしひしと感じられるが、押し付けがましくなく、
主人公の永見の常識ハズレな言動も、その類まれなる才能、
そ -
Posted by ブクログ
それでは皆さんご一緒に「♪つ・み・ひ・せんたい じゃん・ご~れ~♪」
魔法少女物に化けたダークファンタジー(といっていいのかな)が大人気でしたが、これもいろいろな物に化けたワイドスクリーンバロックです。
ただ田中啓文の得意分野に思いっきり化けてますので、何度「やめろ阿呆 (゚∀゚)」と読みながら呟いたか……。
ところで、この大風呂敷畳むのでしょうか?
なんとなく、「切り刻んで、空に撒いて、わーきれいだな!」となるような気がするんですが……そして「実は切れてません」と口から風呂敷を出す手品師、もしくはペテン師、それが田中啓文で進んで騙されるのが読者 \(゚∀゚)/ ただし、最後に「やはり風 -
Posted by ブクログ
収録作
井上雅彦「デモン・ウォーズ」
田中啓文「糞臭の沼」
友成純一「魔物の沼」
菊池秀行「甘い告白」
井上氏作品:本当にパロディ満載で、井上作品の中ではかなり読みやすい物だと感じた。
田中氏作品:「あぁ、田中さんね、やっぱりねぇ…。」となんとも言えない笑いが浮かぶ一作。
前半の良い意味での「胸が悪くなる」感じも印象的だが、
後半のふざけてるような、真面目なような、スピード感のある展開には引きこまれてしまった。
そして、大爆笑。。。w
友成氏作品:もっとも個人的にインパクトのあった作品。
後半はやや失速感もあったけど、前半までの暗黒緋色の世界に魂は翻弄される。
菊池氏作品:スピード感満