田中啓文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上方の落語界に、髪型の落伍した若者が矯正もかねてつれてこられて、なんだかんだいって落語家になっていく話です。
一つ一つの章がミステリー仕立てになっておって、一話完結で非常に気分よく読める。このあたりは作者の力量でして、嘘も真も織り交ぜて実に破綻なくいける。いけてます。ドラマになってもおかしくない。
なんと言うかこの、マジモンの落語家の納得の高座を見て「ああこれなら、このくらい木戸払っても惜しないわー、いいもん見せてもらいました、どっとはらい」という感じ。お手本的。
と、これで満足すればいいんだろうけどねぇ。
いや、しました。してます。いい出来です。
でもねぇ……。
どメジャーでねぇ。
なんかこの「毒に中る」感じがまったくなくてなぁ。
シニカルさというか、落語界ゆえのウイットというか。
そこが「作り物」なんだろうなぁ。
コンピューターがものすごく発達して、人並みの物語をつむぎ始めたら、こんな感じかもしれない。
あと、江戸落語業の端くれにかかわる者としては、江戸落語を美化しすぎだと思いました。 -
Posted by ブクログ
神話ネタと蛇神信仰的なものと神話の里・宮崎という土地と
ポルターガイスト的なオカルトと降霊術と
観光策による自然・遺跡破壊と・・・
その他よくわからないもの含めて色んな要素を鍋に放り込んで
グツグツ掻き回してみたら、それぞれの原型は留めてないけど
よくわからない強烈な味だけどものすごく面白い
エンターテイメント小説が出来ていたという感じ。
ヒロインが降霊してきた時の描写とかポルターガイスト現象とか
ヒロインのお父さんがFAXで霊界からのメッセージを送ってきたりとか
主人公杜川のロリコンっぷりとか、とある患者が病院で食べるところとか
ところどころこれは本気なのかネタもしくはギャグなのかと戸惑いながら
若干引き気味に苦笑するしかない場面もあったりするのですが
ちょっとぶっとんでるというか過剰気味な描写が
逆にエンターテイメントとして効果的に機能していたりするのが不思議です。
作者の計算なのか結果としてそうなったのかは疑問なのですが。。
不思議な熱量を持った作品であることは確かで
結構分厚い本なのですが一気に読んでしまえる面白さはあります。
ツッコミどころが多すぎて、
真面目に読んだらダメですね。
ネタを楽しむ気持ちで読むのが吉です。 -
Posted by 読むコレ
シリーズ2作目はストーリー全体が大きく動きますね。
「ハナシがうごく!」篇って感じですw。
金髪モヒカンの下っ端噺家「竜二」のその異常なまでの
ツキの良さと落語センスの高さは謎ですが、色々な
芸能や人々や状況に流され、モロに影響を受けながらも
なんだかんだと彼なりのスタンスで落語を続けていく
姿勢は微笑ましいし、応援もしたくなってきますね。
前作以上に破天荒でもはやたんなる酒乱にしか
見えない破滅型芸人の「梅寿」師匠の壊れっぷりも
安定感(?)があり素敵w。
時にはド浪花節のめっちゃいいオッサンになるのは
ズルい。その浪花節全開の「ちりとてちん」が
今作のベスト!かな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ舞台は宮崎、イザナギイザナミ等良く出てくるので、古事記や日本神話好きな方には色々楽しいかも。
あり得ない超常現象ホラー派も理由はしっかり欲しい現実ホラー派も、楽しめるんじゃないかと思います。
うまく両立してると思う。
分厚い本な上に文章もかなり詰め込まれていて、読みごたえ十分。
登場人物のキャラもなかなか立っているし、展開は早くさくさく読めます。
なかなかのスリルだと思う。
サスペンスものだと思って読めば星5つあげちゃってもいいかな?とも思うのですが、ホラーとして読むと「怖さ」があまりないコト、最初に感じられた不気味さみたいなモノが後で増えたりしなかったコトがちょっと足りないかなーと思うので星4つで。 -
Posted by ブクログ
まあ危険な本だことヽ(゚∀゚)ノ
それなりの目的で、女の子を部屋に連れ込んで「ジャ、ジャズでも聴く?」と少し声をうわずらせながら、「趣味いいんだね」といわれてさらにもう一押しというときに、ここに載っている曲が流れたら……危険だ∩(・ω・)∩
「この人の小説すごくかっこよくておもしろいんだよ」と『落下する緑』を貸したつもりが、隣に置いてあった『星の船に流れは光』を好きな女の子に貸してしまったくらいに危険だ ヽ(´ー`)ノ
田中啓文が理屈じゃなくて、聴いてわくわくしたのであろう曲、奏者の紹介本だから、読む方もyoutubeなんかで探して聞いてみて好みのものを探せと……入門なのか?
ちなみに田中啓文自身サックス奏者。しかし小説でも超絶技巧と畳みかけるような言葉の嵐と、ふと全く別の方向から何かが絡んでくるフリージャズのような『星の船に流れは光』『罪火大戦ジャン・ゴーレ』があるので、そちらも是非お読みを。