田中啓文のレビュー一覧
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田中啓文『警視庁地下割烹』角川文庫。
三話からなる書き下ろしの連作形式の短編警察小説。
食と警察捜査を組み合わせた小説と言えば、福澤徹三の『侠飯』シリーズが非常に面白いので、本作にも大いに期待をしていた。しかし、斬れ味が悪く、可もなく不可もなくといった感じであった。
主人公が食の知識を生かして不可解な事件を一刀両断に解決するという爽快感は感じられず、ユーモアも中途半端なことが原因だろう。
警視庁捜査一課に所属する花菱朝彦は捜査で失敗を重ね、異動を命じられる。異動先は警視庁の地下4階にあるという刑事部割烹課という謎の部署。朝彦は、割烹『警視兆』に所属し、板前修業をすることになる。割烹課 -
Posted by ブクログ
ネタバレ件+牛鬼か…民俗学からひっぱってきた偽史小説好きなので面白かった。
牛を肉食にする必要あったのかなと思ったけど、鬼にしたかったのならそうか……一言主が鬼みたいになってるのは良いのかなぁ?
終始計画性があまり無い登場人物たちが好きになれず、特に礼子にイライラしっぱなしでした。ジャーナリズム、と言いつつだいたいけしかけるだけ。終盤の展開でようやく溜飲が下がりました。
教授ふたりとかアメリカ人の活動家兄弟は死ぬ必要ありませんでした。教授良い人だったのに…酷い巻き込まれだ。
ラストの牛鬼件スタンピードはハチャメチャB級映画みたいで面白かった。件なので、予言撒き散らしながら暴走しているのが良いです。
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Posted by ブクログ
誰が殺したか?
どうやって殺したか?
何故殺したか?
この3つのテーマを、それぞれ2人の作家が問題編と解答編を書き、他の作家が自分で考えた推理編を書く。
私はミステリーは好きだけど、マニアではないので、問題編→解答編→推理編、と、間を置かずに読んだ。物語としてはまあまあ面白かったが、私は推理編を楽しく読んだ。犯人は当てたけど、動機や殺害方法の推理が惜しい!という人もいれば、かすりもしない推理を披露してしまった人もいて、自分は推理しないくせに、この人すごいな!とか、だめじゃ〜んとか突っ込みながら読んだ。雑誌の企画なので、読者も推理して投稿できたらしく、半分くらいの人が犯人を当てたとか。ミステ -