田中啓文のレビュー一覧
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ミステリーにカテゴリわけしたけど、あんまミステリーっぽくはないかな。コナン要素はあるんだけど。
バンドマン(笑)をなんとなく目指していたらしいヤンキー(笑)の竜二が、担任に無理矢理酒飲みの落語家のとこへ弟子入りさせられるのが冒頭。
それから、落語の話に合わせた謎解きを孕んだ、竜二の成長物語的ジュブナイル。…だと、私は思っている。
転職する前、昼休みがその時間なので見ていた『ちりとてちん』をなんとなく思い出したので、噺家さんの仕組みみたいの、なんとなくすんなり理解できたかな。まったく知らずに読んだら、その辺については微妙かも(あんま説明がない。常識なの?)。でも、話は面白いので知らなくても楽 -
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“保志野は目を丸くして、比夏留の食べっぷりを見守っていた。十人前はありそうな、山盛りのマカロニが、みるみる減っていく。
「あいかわらず……すごいよねえ……」
「だって、おなか減ってるんだもん。ここんとこ体育祭の準備で昼ご飯抜きだったし、こないだ血を飲んだでしょう。あれから気持ち悪くて、病院でもご飯が食べられなくなっちゃって……やっと元通りになったの」
「諸星さんでも食べられなくなることあったんだ」
「そーなの。ちょっと痩せたんだから」
「えっ、ほんと?」
「ほんとよ。二百十二キロに落ちて、ショックだった。もちろん、もう戻したけどね」
ぱくぱく、ぱくぱく。
「でも、今度のことでは保志野くんの『わ -
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“「今です。はやく……」
保志野だった。保志野は、倒れた弾次郎を抱え起こそうとしたが、もちろんそれはむり。比夏留が、
「えいっ」
と気合をいれて、父親を立たせた。
「パパ、大丈夫……?」
「あ、ああ……ちょっとふらついただけだ。——きみは?」
「お嬢さんの級友で、保志野ともうします。はじめまして」
「え?はあ……その……こちらこそはじめまして」
「そんなことやってる場合じゃないでしょ。逃げなきゃ」
保志野が松明を鳥に投げつけると、下腹部に当たって、鳥ははばたきながら飛び退いた。
「今です!」
三人は逃げる。やっと洞窟の入り口に到達し、外へ。
ぜいぜいはあはあぜいぜいはあはあ。鍛えているとはいえ -
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“まず、大盛りカレーライス(味が薄くて超まずい)。これでもかとばかりにカレールーのかけられたてんこもりの飯がスプーンで突き崩され、雪崩のように口に吸い込まれていく。まわりの級友たちは、三人前はありそうなその飯の山がみるみる消えていくさまを呆然と見つめていた。だが、それでことは終わらなかった。続いて、大盛りきつねうどん(味が濃くて超まずい)。洗面器のような丼に入ったうどんは、五玉はあるだろう。そのうえに揚げが五枚、蓋のように並べられている。スプーンを箸に持ち替えると、一分一秒でも惜しいというように、凄まじい勢いで麺を啜り込む。ずずずずっ、ずずずずずずっ、ずずずずずずずっ……。天井が落ちてきそうな
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モヒカン噺家「竜二」シリーズの第3弾。今回も彼を中心に
大きな問題やトラブルが続々と舞い込んできます。その
殆どが本人が望んでない事なのが可哀想ではあるw。
もちろん、今作も楽しく、ホロリとさせられる人情噺や
バカバカしいオチも用意されており、面白いんですが
この「竜二」のあまりにも周りに流される態度に
読んでいてイラっとします。
前作でもそうですが、落語に入り込めない為、スグに
自分の意識や興味が目移りしてしまうんですねー。
今回は俳優になりたい...なんてアホな夢見てますw。
まぁ、そんなたわけた夢はスグに師匠に
看破されてしまうんですが...。
まだまだこの竜二の成長を師匠たちと見届け -
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シリーズ2作目はストーリー全体が大きく動きますね。
「ハナシがうごく!」篇って感じですw。
金髪モヒカンの下っ端噺家「竜二」のその異常なまでの
ツキの良さと落語センスの高さは謎ですが、色々な
芸能や人々や状況に流され、モロに影響を受けながらも
なんだかんだと彼なりのスタンスで落語を続けていく
姿勢は微笑ましいし、応援もしたくなってきますね。
前作以上に破天荒でもはやたんなる酒乱にしか
見えない破滅型芸人の「梅寿」師匠の壊れっぷりも
安定感(?)があり素敵w。
時にはド浪花節のめっちゃいいオッサンになるのは
ズルい。その浪花節全開の「ちりとてちん」が
今作のベスト!かな。 -
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死の床で父が語った母との思い出【わが愛しの口裂け女】、「マンションに出現する落武者」の意外な正体【飢えている刀鋩】、「ばね足ジャック」に親友を殺された女性記者は怪人を追うが……【怪人發条足男】、いじめられっ子の幾人は図書室で、読んではいけないという噂の本を見つける【みるなの本】他、「都市伝説」をテーマとした書下ろし9編を収録したアンソロジー。
このシリーズ?の中では収録作品が短め。中にはテーマとの関連づけがちょっと強引じゃないかと思えるものもあったが、それはそれで。友成純一の【悪魔の教室】はおなじみ「学校の怪談」がモチーフだが、いかにもこの作家らしい、しつこくも乾いたスプラッタ描写がいい味を -
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「やめてよ。連続誘拐事件だなんて洒落にならないわ。それよか比夏留ちゃんの話だけど、死んだひとは血を抜かれてたってわけ?ヤバいわね」
「吸血鬼のしわざかも、って思ったんですけど、うちの父は、吸血鬼なんかいるわけないって笑ってました」
「いねえとは言えねえさ。チスイコウモリ、蚊、蚤、ダニ、ツェツェバエ、ブヨ、ヤツメウナギ……動物の世界にゃあ、ドラキュラはいっぱいいるぜ」
「吸血妖怪はドラキュラだけじゃないわ。日本の妖怪にだって、血を吸うやつはいるわよ」
妖怪にくわしい伊豆宮の目が輝いた。
「代表的なのは、磯目ね。長い髪の毛を若い男の身体にまきつけて、血を吸うの」
(「オノゴロ洞の研究」本文p.4