田中啓文のレビュー一覧
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Posted by 読むコレ
モヒカン噺家「竜二」シリーズの第3弾。今回も彼を中心に
大きな問題やトラブルが続々と舞い込んできます。その
殆どが本人が望んでない事なのが可哀想ではあるw。
もちろん、今作も楽しく、ホロリとさせられる人情噺や
バカバカしいオチも用意されており、面白いんですが
この「竜二」のあまりにも周りに流される態度に
読んでいてイラっとします。
前作でもそうですが、落語に入り込めない為、スグに
自分の意識や興味が目移りしてしまうんですねー。
今回は俳優になりたい...なんてアホな夢見てますw。
まぁ、そんなたわけた夢はスグに師匠に
看破されてしまうんですが...。
まだまだこの竜 -
Posted by 読むコレ
人気のシリーズ。ようやく手をつけ始めました。
落語とコメディとミステリに更に作者の多趣味性を
散りばめていてサクサクと軽快に読めますね。
傍若無人に見えてやはり噺家らしく浪花節バリバリの
「梅寿」師匠を始め、ある意味ベタな人物設定の
登場人物み古典落語がテーマになっている為か、全く
気にならないし、むしろその空間が気持ちいい。
主人公の「竜二」の落語のセンス以上(?)の
謎解きパート自体がオマケみたいなものですが
バカバカしいものから本格(風)まであってサービスの
多彩な一冊。
個人的には愛川晶氏の「神田紅梅亭〜」シリーズ
の方がより人情噺っぽくて好みですが、こちら -
Posted by ブクログ
田中 啓文 『蠅の王』
(原題『ベルゼブブ』・徳間書店・2001年11月/角川ホラー文庫・2008年1月)
ある遺跡で、無数の赤子の骨と一つの壷が発掘された。
その封印が解かれた時、この世は底知れぬ“悪意”で満たされた。
突如、東京で頻発しだした奇怪な児童殺人。
地底から幼児の呪歌が湧き上がる異常の街に、悪魔教団が姿を現す。
その頃、一人の少女が身に覚えのない妊娠をした。
生まれ出ようとしているのは何者なのか?そして、巨大な呪いは誰のものか?
想像もつかぬ真実がついに解き明かされたとき、“蠅の王”が出現した。(セブンアンドワイHPより)
この伝奇ホラー、というジャンル、当たりが少ない -
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Posted by ブクログ
本当にアホな作品(最上級の褒め言葉)
タイトルからすごいが、内容も負けず劣らずふざけている。
本作品は茶川賞(芥川賞ではない)を受賞した後、失踪した田中氏の短編集という体をなしている。それぞれの作品は九割がた駄洒落で構成されたSFであり、相変わらず田中啓文らしい作品である。
一番面白かったのは、「地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場」。ウルトラシリーズを中心とした昭和特撮臭が溢れるこの作品は、特撮ファンならきっと食指に触れるはず。話自体はくだらないが、作者のあふれる特撮愛が感じられた。「トリフィドの日」とかも、パロディ元の作者の名前が「ウィンダム」だからって、登場人物を某特撮シリーズのキャラ