あらすじ
第二次大戦下で鬱屈する少年兵たちの、複雑な心象を描破した珠玉作「蹴りたい田中」で第130回茶川賞受賞後、突如消息を絶った伝説の作家・田中啓文。その稀有なる才能を偲んで、幼少時から出奔までの偉大なる生涯を辿る単行本未収録作8篇+αを精選、山田正紀、菅浩江、恩田陸などゆかりの作家・翻訳家・編集者らによる証言、茶川賞受賞時の貴重なインタビュウ「未到の明日に向かって」までを収録した遺稿集。
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Posted by ブクログ
「銀河帝国の弘法も筆の誤り」に続くSF短編集第二弾。例によってダジャレとグロとバカが基本で楽しい。アイディアの核がダジャレでも、プロットはSFが溢れてて、でも最後はダジャレで、もう大好きである。ヨコジュンのハチャハチャSFをどこかで既に越えて、ダジャレ小説に関してなら暫定チャンプではないか。「赤い家」なんて、SFハードボイルドの名作ですらあるのではないかとか、「地獄八景獣人戯」のラストの脱力感はもはや癒しではないかとか、いや、ほんと名作揃いであると俺は思うのだけど、どう?
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茶川賞受賞後失踪した田中啓文の最後の作品……という触れ込みのタイトルからしてアレな作品。
この人凄すぎて天才かと思った。電車の中で笑いを堪えた。
「どすこい/京極夏彦」で笑える人ならおおウケだと思う。
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まず、「トリフィドの日」だ。
嬉しいじゃないですか、小林信彦だったかと思うけど原典のJ・ウインダムの「トリフィド時代」を絶賛されていて、集英社文庫の「トリフィド時代」を探し回った事があります。
結局、見つける事ができずに現在まで・・・
遂に田中啓文によって念願かなった?
やっぱり原典、読んでみたいです。
作品内容では「やまだ道 耶麻霊サキの青春」、「赤い家」が気に入りました。
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平成15年度下半期の第130囘「茶川賞」受賞作。
41歳の瑞々しい感性が描く青春群像。
くそっ、やられたっ!
ここまでやるかぁ?
2004年7月22日讀了
Posted by ブクログ
何が良いかと言えば、作者自身が「これは馬鹿馬鹿しい」と分かっていてやっているところ。下手に高尚ぶられては、最悪なのだが。万人には薦められないが、好きな人は好きだろうという類の作家だなあ。
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第130回「茶川」賞受賞後、消息を絶ったあの田中啓文の作品である
巻頭から初出一覧直前まで徹底的にふざけ倒した潔い本である
こんなふざけた本は「ばっかでぇ」と小馬鹿にして読むのが正しい姿勢と言えよう
この冗談が判らない人はそもそも買ってはいけない本である。ただ、赤い家、だけアンソロジーとかで再録してくれないかな。真面目なミステリー読者のブチギレ感想見たいなあ(無責任)
Posted by ブクログ
パロディとかオマージュとか、その手の高尚っぽいことを言っても似合わないというか、単なる悪ふざけと言った方がしっくりくる。それはともかく「おもろいやろ。な、めっちゃ、おもろいやろ」と、目の前に顔を突き出されて、圧を掛けられてるような感じがうっとうしい。田中氏の顔とか知らんけど。まあまあ、分かった、分かった。おもろかった、おもろかったて。え、ほななんで、星三つやて。あんな、こんなもんはな、おもろうても星三つまでや。ああ? 何が、こんなもんや、やと。何ゆうてけつかる。こんなもんは、こんなもんやんけ。
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あのしょーもない「ハナシにならん」噺家の小説を書いた作家とは思えないぐらい、斬新すぎて「ハナシがヤバい」が、なんというか…世にも奇妙な物語レベルである。くだらなさすぎて一周まわっても、それでもくだらくて…スベり芸にちかい。とりあえずこの作者は小説で遊んでるというかナメてるという点では「アリ」かも。
Posted by ブクログ
本当にアホな作品(最上級の褒め言葉)
タイトルからすごいが、内容も負けず劣らずふざけている。
本作品は茶川賞(芥川賞ではない)を受賞した後、失踪した田中氏の短編集という体をなしている。それぞれの作品は九割がた駄洒落で構成されたSFであり、相変わらず田中啓文らしい作品である。
一番面白かったのは、「地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場」。ウルトラシリーズを中心とした昭和特撮臭が溢れるこの作品は、特撮ファンならきっと食指に触れるはず。話自体はくだらないが、作者のあふれる特撮愛が感じられた。「トリフィドの日」とかも、パロディ元の作者の名前が「ウィンダム」だからって、登場人物を某特撮シリーズのキャラクターにしたのには吹いた。
Posted by ブクログ
気合を入れて読まないほうが良い。
駄洒落、オチなし、脱力、でも大爆笑は無い短編。
表紙のままの馬鹿馬鹿しさが渦巻いているので、一見まじめな文章に騙されると痛い目にあいます。
茶川賞受賞(そんなもの無いんだけど)に関する文章もどこまで信じたら良いのだろう?
でも悪くないんだよなコレ