森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
良いと感じられないものを、その対象のせいにするのではなく、自分の感性を顧みることが大事だが、その結果、自分の感性を修正しろという意味ではない。その逆である。自分にはそれが良いと感じられなかった確固とした理由があることを確かめて、自分の感性を防衛すべきである。この防衛をしないと、単に「鈍い奴」という処理をされてしまう。防衛をすることで、次第に個性が確立することになる。
(P.83)
日本人というのは、そういう民族らしい。誰かが悲しい目に遭うと、みんなで悲しまなくてはいけない。みんなで涙を流すことで、気持ちが一つになると感じるのだ。また、励ましの言葉をかけることがとても重要であって、こんな事態のとき、自分だけ楽しい思いをしていてはいけない。たとえしていても、だまっていなければならない、という思想がある。
僕は、そうは思っていない。自分にできることとして、寄付をして支援をすること、また、むやみに右往左往せず、落ち着いて分析をすること、今後どうすれば良いのかを考えること、などの方が大事だと思っている。
(P.87) -
Posted by ブクログ
「上手くできない」という人の実態をよくみると、結局は何もできていないということが多い。即ち上手くできないではなく「できない」ということ。思ったとおりにできなくても果敢にチャレンジして何らかのものが完成すれば少しは嬉しいもの。完全な満足はなくても一定の達成感は味わえる。一つやり、再度もう少し工夫して前の反省を活かして努力すれば、さらにより良いものができるだろう。上手くできるための最大の秘訣は作り続けること。作り続けている人は決して「上手くできない」などとは言わない。このほか、「透明感って何」「映像美って何」。これ自分も凄く不思議に思っていた言葉。「空気を読むのは空気に流されるためではない」「感動を与えたいって何様のつもり」・・・・・。含蓄のある警句が100も並ぶ。森博嗣100シリーズ第三弾である。今回も新鮮な発想を沢山もらえた。
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Posted by ブクログ
ネタバレきちんとミステリー…と言えるのかな。自信はないけど。
森作品は理系ミステリーなんて言われてきたけれど、ファンはそんなジャンルではくくれないと、皆さん思っているのではないでしょうか。
殺人事件が起き、そこに謎があり、謎解きをする探偵がいる…わけだから、ミステリーなのだとは思う。
しかし、それが作品の主目的ではないこと、さすがに40冊以上読み込んできたからわかります。
特にこのXシリーズは、ここに繋がるS&MシリーズやVシリーズ、四季シリーズなどとは別の次元にあるような気がする。
シリーズと言いながらも、作者は積極的かつ一貫したメッセージをはっきりとは見せていない。なんとなく、小川と真鍋との日常的なからみが周囲の空気を揺らし、気づけば真相に近づいていっている。本当に、なんとなく読み終えてしまうし、何も残らない。事件のすべてを最後まで解き明かしてしまわない居心地の悪さ以外は。
西之園萌絵リスペクトのスピンオフ…と言えなくもないのだが、まだ3冊目なので結論は早すぎる。森博嗣作品の仕掛けの壮大さは存分に学習したから。
引っかからんぞ!と身構えつつ、ムカシ×ムカシへ。掌が小さくて指が短い私は、新書サイズは相変わらず苦手だが。 -
Posted by ブクログ
ほぼ全編、ちゃんとしたミステリーでした。
変な感想ですけれど、私が森作品に期待していることからは少しずれていたからこそのコメントです。
シリーズに動きらしい動きも見えず、保呂…いや、椙田もストーリーにはほとんど関係しないので、まだまだ。
森作品に登場する重要なキャストは、ほとんどが独特の死生観や価値観に殉じているので、小川のような主人公的な立ち位置の人が普通だと、ハラハラする。その予感通りの展開だったし。
西之園萌絵の登場のタイミングも読めてしまったので、そろそろ私の拙い予想を超えるストーリーに進んでほしいと願いつつ、タカイ×タカイへ。
そう、嵐の前の静けさ…というよりも、舞台装置が整うのを、メインキャストたちが楽屋で待っている…そんな感じがしたままなのである。