森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ科学に関する問答集。「博士」と助手」が科学、工学、建築などの分野について、ごくごく簡単に解説していきます。
前書きで著者も触れている通り、何か特定の分野に関する専門書というよりも「科学や工学の雰囲気を楽しむため」の本です。なので、この本から厳密かつ正確な知識を得ようとするならば、当てが外れます。
文庫サイズで1ページ当たり500文字弱、各トピックは4ページで終了し、しかもその中にイラストも含まれているため、必然的に含まれている情報は限定されています。また、雑談めいた会話のやり取りも多いため、詳しく知りたいと思っても細かい説明はされておらず、あくまで表面的なところについて軽く触れているのみで -
Posted by ブクログ
うーん爽やか。
端的に表すと大学生達(高校生も若干)のある夏の冒険です。
あーでもない、こーでもないと意見を出し合う謎解きの過程も、
殺人等で始まるサスペンスと違ってほのぼのしています。
夏休みという設定と長閑な風景描写、
そして主役の男子大学生コンビのユーモラスな会話。
どこか気だるくてでもなんとなく期待感のようなものも漂う、
あの「夏休み」という時間がなんだか懐かしくなりました。
文章はシンプルで読みやすくスイスイ読めました。
ジャンルでいうと暗号ものとかパズルものになるのでしょうか。
天才絡繰り師が120年前に残した幾何学模様を解読して、
まさにこの年動き出すというカクレカラクリと -
Posted by ブクログ
Gシリーズ3作目、陸の孤島に建てられた要塞で起こった密室殺人事件、被害者は謎の宗教の教祖で超能力者。
>思考というものは、既に知っていることによって限定され、不自由になる。
犀川先生の言葉です。
四季と保呂草、各務の現在ばかりを気にして、Gシリーズ自体を楽しめていませんでした、反省。
ただ、S&Mシリーズで森さんの構築する密室と犀川・萌絵ペアの活躍を存分に楽しみ、四季シリーズで四季の過去と将来に触れた身としては、正直現時点でのGシリーズは偉大なるマンネリであり、既にそれ単体では過去シリーズ同等の興奮を味わえなくなっています。
過去シリーズとリンクしているのはこの上ない喜びですが、今度 -
Posted by ブクログ
吉田篤弘氏の小説にはまってしまってから、小説のストーリー展開において「人称」というものが果たす重要な働きに興味を持ち始めていた。
森博嗣氏の作品においても、「人称」は強く意識されている。Vシリーズなどにはそれがよく顕れている。保呂草本人が、自身も含めてすべての登場人物を三人称に位置づけて書き進めることを、一人称で宣言してからでないとストーリーが始まらない…という風変わりな前置きがお決まりである。
この作品は、なんと間の抜けた…しかし完璧な三人称小説なのだろうか。主人公自身は理工系研究者としての性なのか、よほど手痛い人生経験を負ったがゆえのトラウマなのか、第三者の視点からすべての登場人物を、