森博嗣のレビュー一覧
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良いと感じられないものを、その対象のせいにするのではなく、自分の感性を顧みることが大事だが、その結果、自分の感性を修正しろという意味ではない。その逆である。自分にはそれが良いと感じられなかった確固とした理由があることを確かめて、自分の感性を防衛すべきである。この防衛をしないと、単に「鈍い奴」という処理をされてしまう。防衛をすることで、次第に個性が確立することになる。
(P.83)
日本人というのは、そういう民族らしい。誰かが悲しい目に遭うと、みんなで悲しまなくてはいけない。みんなで涙を流すことで、気持ちが一つになると感じるのだ。また、励ましの言葉をかけることがとても重要であって、こんな事 -
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「上手くできない」という人の実態をよくみると、結局は何もできていないということが多い。即ち上手くできないではなく「できない」ということ。思ったとおりにできなくても果敢にチャレンジして何らかのものが完成すれば少しは嬉しいもの。完全な満足はなくても一定の達成感は味わえる。一つやり、再度もう少し工夫して前の反省を活かして努力すれば、さらにより良いものができるだろう。上手くできるための最大の秘訣は作り続けること。作り続けている人は決して「上手くできない」などとは言わない。このほか、「透明感って何」「映像美って何」。これ自分も凄く不思議に思っていた言葉。「空気を読むのは空気に流されるためではない」「感動
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ネタバレきちんとミステリー…と言えるのかな。自信はないけど。
森作品は理系ミステリーなんて言われてきたけれど、ファンはそんなジャンルではくくれないと、皆さん思っているのではないでしょうか。
殺人事件が起き、そこに謎があり、謎解きをする探偵がいる…わけだから、ミステリーなのだとは思う。
しかし、それが作品の主目的ではないこと、さすがに40冊以上読み込んできたからわかります。
特にこのXシリーズは、ここに繋がるS&MシリーズやVシリーズ、四季シリーズなどとは別の次元にあるような気がする。
シリーズと言いながらも、作者は積極的かつ一貫したメッセージをはっきりとは見せていない。なんとなく、小 -
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ほぼ全編、ちゃんとしたミステリーでした。
変な感想ですけれど、私が森作品に期待していることからは少しずれていたからこそのコメントです。
シリーズに動きらしい動きも見えず、保呂…いや、椙田もストーリーにはほとんど関係しないので、まだまだ。
森作品に登場する重要なキャストは、ほとんどが独特の死生観や価値観に殉じているので、小川のような主人公的な立ち位置の人が普通だと、ハラハラする。その予感通りの展開だったし。
西之園萌絵の登場のタイミングも読めてしまったので、そろそろ私の拙い予想を超えるストーリーに進んでほしいと願いつつ、タカイ×タカイへ。
そう、嵐の前の静けさ…というよりも、舞台装置が整 -
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ネタバレなんとなく手に取った作品ですが、こういう作品も出版されていたなんて知りませんでした。独特の感性で題付けされた写真に、たった1ページに収まる超ショートストーリーを添えられています。本当に多彩な方ですね。
大好きな作家さんなの頭のなかを覗けるかなと思いきやけどわかるようで全然わからない不思議な世界でした。でも、たぶんそれがまたおもしろい。おきにいりもいくつかありましたが、きっと読むときの環境・状況・心理状態で響くものも変わる予感がします。
ページを捲るごとに脈絡ない不思議な世界観が更新されるので、一気に読もうとすると眠くなってしまうかも。。
寝る前に毎日1ページとか、通勤一駅だけ使って読むとか、そ