永井路子のレビュー一覧

  • 王者の妻 下 豊臣秀吉の正室おねねの生涯

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    秀吉の正妻・おねねの生涯。後半。

    秀吉は、賤ヶ岳の戦いで柴田勝家に勝利し、安土城を上回る巨大な大坂城を築き、天皇に近づいて、ついには関白に。
    おねねも、北政所と呼ばれる立場となり、宮中とのやり取りを一手に引き受けることとなった。
    この数年の間に、実は、おねねの人生を揺るがす事態が着々と進んでいた…

    京極家の龍子が本能寺の変の後に側室となり、他にも事後承諾でじりじりと側室が増えていく。
    浅井三姉妹は、秀吉の庇護下にあったが、おねねは直接関わってはいなかった。
    末のおごうにちょうど良い縁談があると聞かされ、後に次女のお初は京極高次に見初められた。京極家は名門だが没落していて、高次は三姉妹の従兄

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    2026年08月03日
  • 望みしは何ぞ 道長の子・藤原能信の野望と葛藤

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    誰もが栄耀(えいよう)を当然としている鷹司の一族の中で、(女児を産んだ)彼女はその幸運から脱落した。
    ………
    前の「この世をば」で主人公だった、りんしの鷹司系ではなく、明子の高松系の息子よしのぶが主人公。
    鷹司に変わって、高松系に主導権をと、狙っていたのが、
    自分が一人ずっと支えてきた、ていし(道長の孫)の息子、後三条天皇が自分の死後ようやく誕生し、
    さらにその息子の白河天皇によって、摂関政治から院政に変わってゆく、っていう、切ない結末。
    世の中思う通りにはいかないな(;;)

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    2026年07月09日
  • この世をば(下) 藤原道長と平安王朝の時代

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    下巻も面白かった!
    以下、記憶に留めるためメモ。

    彰子の入内の準備に余念がない。中でも道長が楽しみにしているのは、和歌屏風である。当時の参議以上の高官達に一首ずつ歌を詠んでもらう。ここに道長は一つの意向を秘めていた。彰子の部屋を訪れた一条帝は、ずらりと並んだ高位高官の名をそこに発見するだろう。おくれて入内してきた少女を高官達は無言で応援しているのだ。道長は暗に、娘を支援してくれるかな、それとも、と問いかけているのだ。

    ☆心にもあらで浮き世に長らへば 恋しかるべき夜半(よわ)の月かな 第67代 三条天皇
    →この百人一首の歌は、道長を長々と困らせた、盲目になってしまった三条天皇がようやく譲位を

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    2026年04月23日
  • この世をば(上) 藤原道長と平安王朝の時代

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    娘を天皇の後宮に入れる。その娘が男の子を産む。その男の子が即位し、外祖父たる自分が摂政関白になる。そのどれを欠いても権力は完璧ではないのである。

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    2026年04月08日
  • 乱紋(上)

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    信長の妹お市と浅井長政の三女おごうの物語。
    お茶々については知っていたが、おごうのことはほぼ知らず、ネット検索を駆使しながら読み進めている。
    語り部はおごうの侍女おちか。
    姉達と比べ地味でぼんやりしたおごうは、動じることなく、自分の立場を受け入れる。最初の夫佐治一成が、とても魅力的で、そのまま幸せになって欲しかったと勝手に思ってしまった。単に好み。
    今はおちかと一緒に、おごうの行く末をハラハラドキドキ見守っている次第。
    狭い世界にいるおちかに、世の中のことを知らせる謎の男ちくぜんも気になる。
    このまま下巻へ。

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    2026年03月01日
  • 流星 お市の方(下)

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    波乱に満ちた信長の妹お市の方の運命、下巻。
    浅井長政が信長を裏切り朝倉につき、姉川の戦いへ。
    浅井家の女として行きたお市のイメージが強かったが、今作では、織田家の女として行きた姿が強く描かれていた。
    そして、勝手に優しいイメージを持っていた長政の信長とお市の間で揺れる姿が、冷たい男として描かれていたのは意外だった。
    清洲会議の後に柴田勝家と再婚したお市。
    最後まで勝家に好意を持たなかった様に描かれていたが、織田家の女として信長亡き後は、勝家と共に果てることを選んだのは納得。
    次はお市の娘おごうの「波紋」を読む予定。

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    2026年02月28日
  • 流星 お市の方(上)

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    信長の妹お市の方の波瀾万丈の人生。
    上巻は、お市が浅井長政に嫁ぎ、浅井が朝倉に寝返ったところまで。
    先日読んだ功名が辻と並べながら、歴史をいろいろな角度から学び直した。
    戦国時代の小説を読み始めたのは、豊臣兄弟の影響だが、あちらに濃姫が出ないことに納得がいっていないので、今回描かれる濃姫の姿が嬉しくて、読んで良かったと思った。
    この巻では、お市は権六をかなり嫌っているけど、次巻のどのタイミングで好意を寄せるのか楽しみ。
    歴史物を読み始めると、違う視点から描くものも読みたくなる。
    また他にも手を伸ばしてしまいそうだ。

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    2026年02月28日
  • 王者の妻 下 豊臣秀吉の正室おねねの生涯

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    子供の頃は豊臣方vs徳川方だと言われながら、でもどっちにも豊臣の旧臣いるじゃんと思ってましたが、
    おねねvsお茶々の観点で関ヶ原の戦いを捉え直すとかなり腑に落ちる。でもかなり昼ドラっぽいから諸説あるんだろうなとは思う。
    著者の別の作品「歴史を騒がせた女たち」でもこの部分は言及されており、当時も面白いと思って読んでいたが、改めておねね目線で観るとより人間の情緒も相まって背景への納得感が強い。
    小早川秀秋のキャラクターとか動きとか、なるほどへえ〜って感じ。

    秀吉の狂いっぷりを冷静に客観視できていた人、当時はおねねしかいないのでは?
    秀吉の側で政争のどろどろを垣間見たり、側室どうしの女の闘いに巻き

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    2026年02月15日
  • 王者の妻 上 豊臣秀吉の正室おねねの生涯

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    庶民派でおおらか、器はでっかいが全方位への気配りも見事。本当に天下一の女房だなあ。
    秀吉は戦略家、政治屋としては天才的だしなるべくして出世したのだろうだけどやっぱりおねねのサポートなくしては天下人までは辿りつけなかったのでは?と思う。
    信長の手紙、めっちゃ良い。

    後半、次第に権力欲と色欲と老衰ボケ?にまみれてどんどん狂っていく秀吉(これも諸説あるんだろうけど)の側でどんな風に描かれていくのか楽しみ...。

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    2026年02月07日
  • この世をば(下) 藤原道長と平安王朝の時代

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    伊周、隆家の凋落に始まり、一条帝への彰子入内、定子出産、二后定立、定子の死亡、彰子敦康親王を引き取る、御嶽詣で、妊娠、2皇子の出産から、一家から太皇太后、皇太后、皇后の三后が立てられるまで。道長の栄光の人生。

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    2025年12月06日
  • この世をば(上) 藤原道長と平安王朝の時代

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    藤原道長の小説。倫子と明子を妻とし、関白兼家の三男として世を渡る。兼家の時代、道隆の時代、道兼の時代を経て、内覧に任じられるまでを描いている。
    「光る君へ」より少しゆったりした道長で、道兼はより癖が強い。道隆は大河ドラマよりは上品である。

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    2025年12月05日
  • 茜さす(上)

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    50年経てかえって新鮮

    1980年当時の主人公がちょうどそのころの自分の年齢に近く、その時代を生きてきた人生を振り返って感慨にふけった。作者は自分の母親と同じ世代、大した筆の力だなと感心した。結婚とは何だろうか、生きる目的とは、飛鳥時代と1980年代さらに今の若者は変わってしまったところと人間の本質は変わらないというところと実に面白かった。現代の結婚のかなりの部分はマッチングアプリだとか。
    飛鳥時代のことは歴史の番組等で知ってはいたが、持統天皇が実の叔父と結婚していたとはびっくら仰天である。遺伝子にゆがみが生じて短命な皇族もいたのかなとも。オス猫は近親相姦を避けるためにその地を去ることが本能に埋め込まれてるとか。この

    #深い #タメになる #シュール

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    2025年10月03日
  • 氷輪(下)

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    飾り物でない天皇たち

    本書は一応 鑑真和上の業績をたどる という経糸が前提とはなっているが、横糸としての孝謙天皇.道鏡そして何よりも藤原仲麻呂の人物造形が誠に見事である。この時代の天皇は、のちの時代の飾り物.象徴としての天皇ではなく、良きにつけ悪しきにつけ生き生きと活動し愛しあい争い殺し合っていたのだなと、深い感銘を受けた。

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    2025年10月01日
  • この世をば(下)

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    華やかな時代ではあるが

    清少納言や紫式部に象徴されるように、華やかな時代ではあるが作者永井路子は「羅生門」に代表されるような影の部分、そして藤原隆家に代表されるような武士の萌芽をしっかり描きこんでいる。1000年以上の年月を経ても政治家 政治屋のやり口は基本変わらない というところが面白くもあれば悲しくもなるところである。。

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    2025年09月02日
  • この世をば(上)

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    平凡な幸運児

    作者 永井路子が描きあげた関白藤原道長の人物造形がとても素晴らしい。この本の題名にもなっているように、有名な「この世をば....」に象徴されるようなゴツゴツガツガツしたやり手の政治家 というイメージを抱いていたが、この本を読んでいい意味で裏切られ認識を新たにした。まさに作者が言うところの「平凡な幸運児」であった。

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    2025年09月02日
  • 北条政子

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    我が子、孫を失い、父を失脚させ、兄を補佐して夫の幕府を守り抜きました。御家人達の前での大演説は圧巻です。政子は本当に強い人物だったのでしょうか?

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    2025年08月17日
  • 乱紋(下)

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    信長の血をひく三姉妹が

    信長、秀吉、家康の時代を大きく動かしたことは大まかには知っていた。女性である作者が三姉妹からの視点で描いたこの小説は三者三様の生き様をあきらかにしていて実に興味深かった。加えて武将が主役の歴史小説ばかり読んできた自分は、女性たちの建前と本音を洞察することでより歴史を深く楽しめると感じた。

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    2025年08月07日
  • 源頼朝の世界

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    私にとってとても魅力的な時代
    日本らしさを強く感じる
    雅と兵

    頼朝の人柄がなんだか憎めなくて好きだなぁ
    どんな人だったのか、もっともっと知りたい
    徳川家康が源頼朝に魅せられた気持ちすごくわかる

    そして私は後白河法皇も大好き
    超変な人だと思うしナニコイツって感じだけど、
    人間的ですごくいいよね

    平安鎌倉期もっともっと勉強しよう

    “残念ながら、頂点に達したそのとき、崩壊が始まると言う歴史の法則に対しては、彼も例外ではいられなかった”
    などの、永井路子さんの言葉を通した歴史から学べる真実がたくさんあった。

    とてもいい本!

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    2025年06月28日
  • 炎環

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    4作からなる短編集。全成から見た頼朝。梶原景時から見た頼朝。保子(鎌倉殿では実衣)から見た政子。時政から見た小四郎。ちょうど今、鎌倉殿の13人を見てるから、それぞれの人物から見た頼朝像や政子像がわかって、面白かった!

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    2025年05月17日
  • 王朝序曲 下 誰か言う「千家花ならぬはなし」と――藤原冬嗣の生涯

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    素晴らしかった。永井さんの深い史実研究をベースにしながらも、物語として読みやすく仕立てられ、この世代の作家さんたちのレベルの高さを改めて感じさせられました。文字ずらだけで認識している薬子の変や、以後、重要な役職としてたびたび出てくる蔵人頭が、このような経緯や内容であったとは、教科書では理解の及ばない知ってるつもりであったと感じ入ります。光る君へを契機に復刊されたようですが、このような作品はぜひ後世に読み継がれて欲しいと思います。
    2025-017

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    2025年04月04日