永井路子のレビュー一覧

  • 北条政子

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    人の人生にはいろいろな側面がある。この「北条政子」に関しては、愛した男であり冷徹な武家政権の創始者である頼朝との夫婦の愛憎を前段として、その子達との関係について、よくある母親の娘や息子・孫への深い愛情や絶望等を、頼朝の妻でありその子であるという特殊な立場にまつわる結果として、女性作家の目から抉るようにリアルに表現する。
    これほどの母親の想いや悲しみは男には描けないだろう。
    前半の頼朝による北条家との旗揚げや鎌倉幕府の御家人体制構築等牧歌的な創業の空気が後半になり、幕府成立後一気にシリアスな内部抗争と親子の確執へと急展開する。「明の静」から「暗の動」への転換も読む人を引き込みこの物語をより面白く

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    2022年07月22日
  • 源頼朝の世界

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    改めて「炎環」を読んで感心したので、理解を深める為にも本書を読む。
    この時代のことに詳しいわけではないが、永井氏の人物解釈や歴史観にはなるほどと思わせるものもがある。

    本書の題名は「源頼朝の世界」となっているが、内容的には北条が主役。北条一族の権力奪取の過程はすざましいので「北条の野望」とでもした方が似つかわしい気がする。

    個人的には、最後の後鳥羽と定家の章が面白かった。

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    2022年04月29日
  • 寂光院残照

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    頼朝の死の真相や実朝暗殺の内幕などがミステリータッチで描かれ、気軽に読める6編。44年前の作品ながら、歴史ものなので古臭さも全く感じません。永井路子さんならではの視点で、女心の怖さもしっかり教えてもらいました。

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    2022年03月19日
  • 北条政子

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    大河ドラマの題材の元となった歴史小説は、年に一度読んでも良いなと思うくらい面白かった。強い女性、ファーストレディー、承久の乱前の演説のイメージしかなかったが、生々しく、嫉妬深く、ひたむきな女性としての北条政子が描かれている。『ひたむきで潔癖な大姫と頼朝はおそらく生涯平行線を辿るだろう。』

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    2022年03月08日
  • 北条政子

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    ネタバレ

    それにしてもすさまじい一生である。

    北条というと、頼朝のと血のつながる者たちが亡くなったおかげで幕府の実権を握れた一族。ただ、政子の立場からすると、長女は政略結婚の末の悲劇を嘆いて若くして亡くなり、長男は精神を病み、次男は長男の子どもに殺されるいったように、これ以上不幸なことはないというひどい目に合う。

    これらもすべて日本で初めての武士の政権の確立のために仕方が無かったといってしまえばそうなのだが、政子の中ではいかばかりの葛藤があったのか。本書では、そうした政子に思いを馳せる。

    物語は、実朝が殺されたところで終わる。自分の人生を狂わせた幕府を憎むこともあっただろうが、承久の乱では政子は幕

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    2022年03月06日
  • 寂光院残照

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    短編集。鎌倉幕府の中枢近くに位置した4人の人物を取り上げている。それぞれの人物像をうまく作り上げている。
    この時代のメインでない人物の小説はなかなかなく、読み応えある。

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    2022年03月03日
  • 源頼朝の世界

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     論考というほど難しくはないけど、ちょっとホネのある歴史エッセイ集。

     人物別に書かれています。「頼朝とその周辺の人びと」では、源頼朝、北条政子、比企尼と阿波局、頼家と実朝、北条義時。「逞しき東国武者」の部では、三浦一族、伊豆の軍団、武蔵七党。そして「西国の権謀家たち」として、後白河法皇、源通親、後鳥羽院と藤原定家。

     まず『つわものの賦』を読み、鎌倉時代の流れと永井路子さんの歴史観を知り、次に細川重男氏の『頼朝の武士団』を読んで、頼朝軍団の雰囲気とその攻防の緊張感を味わってからこの本を読んだ結果、この時代の理解が深まっていたおかげで、ラクに楽しく読めました。

     ただ本書は、雑誌などに発

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    2022年02月06日
  • 北条政子

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    大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を観るにあたり、知識を補おうととっさに浮かんだ本作。政子自身の妻や母親の視点で書かれているが、鎌倉時代の大きな流れを理解するには適切な選択だった。
    『吾妻鏡』などの資料をもとに永井さんは政子像を描いている。そもそも女性は歴史資料に残っていないことが多く、「政子」と云う名も、三代将軍実朝の時代になり朝廷から官位を授かった際に、父の名から一字もらってつけられている。頼朝の時代に果たして”政子”とは呼ばれていたのだろうか。平家との争いだけでなく、乳母一族との権力争いも凄まじい。はからずも将軍の妻、そして将軍の母になってしまった政子が、子を愛したい、子に愛されたいと願いなが

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    2022年02月03日
  • 流星 お市の方(下)

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    この時代、武家に生まれた女性は、その家の女として戦国時代を生き抜いた。お市の方は、織田家の女として、信長に近い肉親として、誇り高く生き抜いた。

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    2020年12月30日
  • 流星 お市の方(上)

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    お市の方。戦国時代、お市は、織田家のお市として、またあの信長の妹として嫁ぎ、彼女なりに戦国の世で闘い抜いたのだということが、よくわかります。
    そうなんですよね、戦国時代では、今以上に、女性は、しっかりと自分の意志を持ち、強く生き抜いているんですよ。

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    2020年12月28日
  • 流星 お市の方(上)

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    お市の方の感情がすごく細かく描かれてて、ほかの本とはだいぶ違った描かれ方でした!また、解説や現代的な例えもあり、分かりやすかったです☺︎

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    2020年03月22日
  • 流星 お市の方(下)

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    浅井家が滅びるようとするなかで長政との愛憎半ばだが確かに愛し合っていた2人。浅井家に嫁いだ時も織田家に戻った時も信長とは違う方法で常に織田家を守る道を模索する。冷酷な長政、軽薄な信孝、鈍感な勝家と人物描写が素晴らしい作品でした。

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    2017年10月23日
  • 流星 お市の方(下)

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    戦国の武家の女たちが、外交要素を持ち実家と婚家のつながりを保ちつつ興隆を図る…とする筆者の主張を、主人公お市の方は全く果たしていなかった。
    連絡方法は取り上げられ、なすすべもない。特に実家から助が入ることもない。
    閨外交ですら思うままには進んでいないし、群雄割拠するあの時代の趨勢を見極めようという意思も感じられない。
    彼女より姉のお犬のほうが面白かったかもしれない。

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    2017年06月13日
  • 歴史をさわがせた女たち 日本篇

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    ネタバレ

    歴史をさわがせた女たち

    飛鳥奈良平安という私の好きな時代の歴史小説を普通の本屋で見つけるのは難しく、古本屋さんの方が魅かれるものが売ってたりします。
    なので古本屋さんを見かけるとついつい店内に入ってしまうのですが、そこで必ずと言っていいほど見かけるのが本書。
    なぜこの本だけこんなに世の中に出回っているの?しかも古本市場だけに。

    とはいえ、初心者用っぽく感じたし、古い本だから読まずにいたけど、これだけいつも見かけると気になるのでとうとう購入してしまいました。。

    歴史小説家永井路子さんの歴史エッセイです。
    どの章もさらりと読めて楽しめましたが、その中で静御前と神功皇后の章が印象に残りました。

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    2014年12月26日
  • 執念の家譜

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    「執念の家譜」…鎌倉時代・三浦光村目線による三浦氏の話
    「裾野」…曽我兄弟の話
    「信貴山落日」…松永久秀の話
    「群猿図」…長谷川等伯の話
    「裏切りしは誰ぞ」…小早川秀秋の話
    「関ヶ原別記」…宮部長煕と田中吉政の話
    「刺客」…山口重信の話

    「執念の家譜」では、三浦光村の妹・時子(という名で登場する)が、大江季光に嫁いでいるので、台詞はないものの大江季光の名前が登場する。

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    2014年05月18日
  • 女帝の歴史を裏返す

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    勉強になっておもしろかった。
    ただ江戸時代の女帝が薄かったかなぁ…。
    蘇我氏女帝説はなかなか説得的でおもしろい。

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    2013年07月07日
  • 岩倉具視 言葉の皮を剥きながら

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    読んだけど話が記憶に残らない!
    朝廷内の資料も元に怪物岩倉具視を
    丸裸に暴いてくれたんだとおもうのですが
    読みづらい!   2013.6.8

    2018.11.11 再読中
    あれ、知識が増えてるからか
    スラスラ入る!

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    2018年11月13日
  • 美貌の女帝

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    ネタバレ

    持統天皇の孫、氷高皇女のお話。
    スポットライトを当てる人物は永井路子らしく、いいところをついてるなぁ、と思います。
    生まれ、天皇となり譲位し、聖武天皇の補佐をするまでの一生。

    氷高皇女は静謐な美しく芯のある女性としてかかれています。
    個人的にはぱっとするところがあまりない気がするのですが、傍観者としての役割を果たしているのだと思えばその静かさもすんなりと受け入れられます。
    私はサイドの人物、特に藤原不比等と聖武帝がとても好きになりました。
    不比等は陰険であまり好ましくないような書かれ方をしているのですが、晩年に至るにつれて人間味のある人なんだなぁ、と思うと人の儚い悲しみを感じます。
    聖武帝も

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    2013年01月23日
  • 美貌の女帝

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    大好きな永井路子作品。
    今回の主役は氷高皇女。
    日本史上唯一の未婚の天皇。
    女性として 皇女として 天皇として
    一族の長として
    政治と戦いながらのお話しに引きづり込まれたが、後半はちょっと大雑把になったような…

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    2013年01月20日
  • 乱紋(上)

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    大きな文字の新装版、っていってるだけあって、読みやすくていい。浅井3姉妹の末妹を書いたお話で、姉妹仲がすごく悪いのがちょっと珍しい気がする。

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    2012年12月07日