永井路子のレビュー一覧

  • 炎環

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    1964年下半期の直木賞受賞作で大河ドラマ『草燃える』の原作のひとつになった作品だそう。鎌倉幕府創成期のお話。
    『草燃える』は観てないので、やっぱり『鎌倉殿の13人』が思い浮かぶ。人物像が全然違うのかな?と思っていたけど、案外、自分の持っていたイメージと遠からずだった。
    章ごとに主役が変わり、それぞれ全成、梶原景時、北条保子(阿波局)、北条義時を中心に語られる。読み始めは、拍子抜けするほどあっさり話が進む。でも同じ出来事を視点を変えて語られるごとに厚みが増していき、読み進むほどにこの小説の凄さを感じた。

    ドラマ観てたから、すごく面白かった。
    文章は読みやすいけど、登場人物も多いし予備知識ゼロ

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    2024年03月08日
  • この世をば(上) 藤原道長と平安王朝の時代

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    大河ドラマに触発されて手に取りました。
    大河もですが、苗字が藤原で分かりづらい(笑
    ところどころにある家系図が一部分で、この人誰だっけ?状態で、自分で家系図作りながら読み進めました。後、頭の中では大河の俳優さんのイメージで。
    道長像が思っていたのと違って面白かったです。どっぷり平安時代にはまれました。

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    2024年02月26日
  • この世をば(下) 藤原道長と平安王朝の時代

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    「この世をばわが世とぞ思ふ望月の〜」と有名な歌を残し栄華を極めた藤原道長の物語。平凡で気分の浮き沈みが顕著で容姿もパッとしないという人間味ある道長が描かれていた。姉の詮子をはじめ、妻の倫子、娘の彰子と女性も政治に与える力が大きかったのですね。女房や乳母も。この世のすべてを手に入れたような道長ですが、どこか満たされずこの世に未練を残し生涯を閉じたようにも思えた。「井の中の蛙」の人なのかなとも。私の中の道長のイメージが変わりました。

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    2024年02月26日
  • 炎環

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    1964年の直木賞受賞作品。鎌倉時代の歴史小説。物語は四つに分かれそれぞれ阿野全成、梶原景時、北条政子と保子姉妹、北条四郎義時を中心に描かれている。冷静な描写と表現は歴史小説というより、ノンフィクションを読んでいるよう。全てを読み終えると鎌倉幕府、源頼朝、北条家などが立体的に浮かび上がってきて面白い。ただ歴史に造詣が深くないと少しハードルが高くなるのだけが残念(←私だ)。

    同じ直木賞受賞作品で、松井今朝子「吉原手引草」が少し似た構成で物語を魅力的に読ませていたのを思い出した。

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    2024年03月01日
  • この世をば(下) 藤原道長と平安王朝の時代

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    ネタバレ

    平安時代は政争の時代と思っていたが、その通りの展開。武器を持って戦う描写はなくとも、めくるページめくるページに戦いの跡がある。その中でも栄華を勝ちとったのが、自らを平凡と称する本作の主人公なのも歴史小説の面白いところ。光る君へを見るにあたって読んでおくと、更に感情移入しやすくなるかも。

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    2024年02月25日
  • 雲と風と ――伝教大師最澄の生涯

    購入済み

    小説というより研究発表

    昔日本史の暗記にてんさい・しんくう(天台宗最澄・真言宗空海)と覚えたのが懐かしくて購入してみました。
    読んでみると様々な文献や仏教系の大学、中国現地にまで足を運んだ日本史の研究発表の様相でした。
    しかし、つまらないという訳ではなく宗教とは何か日本国はどのように出来上がってきたのかと考えさせられ深く心に残りました。
    特に奈良・平安時代僧侶は国家公務員だったといった表現とか長岡京遷都の理由は僧侶道鏡の悪事等による腐敗であるが比叡山ものちに僧兵やら金権争いやらおかしくなったが法然や親鸞、日蓮等が出現して未来が開けたという記述が興味深かった。
    これを読んでイスラム国家の憲法はイスラム法典であるという意

    #タメになる #共感する #深い

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    2024年02月22日
  • この世をば(上) 藤原道長と平安王朝の時代

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    今まで勝手に思っていた藤原道長像と違って、どことなく頼りなく、純朴な青年といった印象で新鮮だった。テンポもよく混乱しがちな平安時代の人物もわかりやすく整理してくれているので読みやすいが、ところどころ入る現代政治家への批判が蛇足だと思う。

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    2024年01月31日
  • 炎環

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    武士政権として誕生した鎌倉幕府ですが、これまでは源頼朝が「坂東の武士たちよ我についてこい」的につくったとものだと思っていました。
    しかし、この本を読んで頼朝の辣腕以上に頼朝の取り巻きの者たちの権謀術数が幾重にもかさなり、それがつながった結果できた幕府なんだと自分には思えました。

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    2023年12月31日
  • この世をば(下) 藤原道長と平安王朝の時代

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    この小説では、強運に恵まれながらも、苦悩する道長が描かれます。
    当時の貴族達の苦悩が分かります。
    決してきらびやかなだけではなかったようです。
    来年の大河ドラマ「光る君へ」の予習にはもってこいの小説でした。

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    2023年12月18日
  • この世をば(上) 藤原道長と平安王朝の時代

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    来年の大河「光る君へ」の予習として読みました。
    この本は、絶版だったようですが、復刊されたものを購入しました。
    主人公は、藤原道長です。
    平安時代に権力を欲しいままにしたイメージがありますが、上巻では、兄達に一歩も二歩も遅れを取ります。
    おっとりしていた道長が、処世術を少しづつ身につけていきます。
    いよいよこれから!というところで上巻が終わったので、下巻が楽しみです。

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    2023年12月17日
  • 炎環

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    2022年NHK大河ドラマ、鎌倉殿の13人関連の一冊として。

    好きな鎌倉時代を改めて読む。
    頼朝嫌い、北条嫌いは変わらないが、歴史を身近に感じて面白かった。新たな人物発見にもなった。

    やはり歴史の影に女性あり!
    政子の妹の阿波局が気になる!

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    2023年11月28日
  • この世をば(下) 藤原道長と平安王朝の時代

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    藤原道長という人は、沈着冷静で、尊大で、周りの人を見下していた、と思っていた。しかし、この作品の藤原道長は、すぐ弱音を吐いて、女房に尻を叩かれて、やっと世渡りしている、何とも情けない男である。やっぱり、古代から、「女性は太陽」なのだ。

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    2023年11月22日
  • この世をば(上) 藤原道長と平安王朝の時代

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    歴史小説は好きだが、平安時代のものは初めて読んだ。
    戦国時代とは異なり、戦争描写はないが、貴族間の権力争いや天皇も巻き込んだ人間関係については、とても読み応えがあった。

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    2023年10月13日
  • 北条政子

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    愛する者のためにただの女で、妻で、母で、祖母でたまたま御台所だった。うまく歯車が噛み合わない。時代に翻弄されてしまったね。

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    2023年07月29日
  • 炎環

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    読み終えると表題がしっくりきます。炎(命)の交わりと終わりなき連鎖。時には真っ赤に、時には青白く、勢いよく燃え上がったと思えば消えてゆく。其々の思いから発せられる言動が連鎖して一つの流れをつくり、それらが絡まり合って時代を作る。鎌倉の中枢で生きる人々の生き様を個々の視点で見せる物語です。
    人の思いの暗部にそれとなくスポットライトをあてた様な文面はホラー小説を読んでいるかのようなゾワッとした気持ちにさせられます。
    阿波局(保子)は助演女優賞級のいい味出してます。

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    2023年07月01日
  • 続 悪霊列伝

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    後書き

    著者の主張したかったことが巻末の後書きに手際よくまとめられている。本書及び前巻はこの後書きの主張の実例 という位置づけである。政治というものは今も昔も人々にとっては不満の多いものであり、不満のぶつけ先としてしばしばスケープゴートを必要とする。その道具の一つが悪霊であるというのは大変に面白い。現代では政権交代やデモになっているのかな。

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    2023年06月04日
  • 炎環

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    4つの短編のようで、独立していない感じ。
    視点を変えればこうも見かたが変わるのか。
    1番好きなのは「いもうと」です。政子と保子の微妙な立ち位置の変化がじっくりと描かれています。こういう人物の味わいを掘り下げられるのは、やっぱり映像ではなく小説だなと思うのです。

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    2023年04月15日
  • 炎環

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    『鎌倉殿の〜』の人物像が多少これに寄ってるのかなと思えるほど違和感なく読めた。景時の最後が不憫だった。頼朝腹立つなあ!

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    2023年04月14日
  • 源頼朝の世界

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    「鎌倉殿の13人」のサブテキストとして読んだ。ドラマでは疑問だった点(北条が親族や同僚を滅亡させる執念)が分る内容になっている。なるほど、北条は三浦や伊東とは同等の豪族ではなく、格下の小豪族だったのか。頼朝は信頼できる家臣がいなかったのか。
    ドラマではさらっと流されていた設定の背景が分かり、鎌倉時代の価値観や生き方がだいぶ理解できた。

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    2023年04月03日
  • 北条政子

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    大河ドラマでこの時代と北条政子に興味を持って手に取った。頼朝との出会いから実朝暗殺まで、文庫本で約600頁、ボリュームのある作品だった。

    昨年の大河が「マンガ日本の歴史」なら、こちらは少女漫画「北条政子」のようだったが、解説にも史実に基づいての歴史解釈がしっかりしているとあるように、改めてこの時代の出来事を少し理解できたように思う。

    これまで北条政子は自分の子供を殺す冷酷な悪女だと思っていたが、現代とは価値観も死生観も異なる激動の時代を一生懸命生き抜いた聡明な女性というイメージも加わった。

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    2023年04月02日