永井路子のレビュー一覧

  • 北条政子

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    桜田晋也氏は政子が黒幕説をとっているが、永井路子氏は外野が黒幕で実朝が殺されたのは乳母同志の争いとのこと。
    頼家、実朝が悪人のように書かれていて吾妻鏡は読む人によって歴史の流れは一緒なのに解釈が全然違ってくる。
    桜田晋也氏はこれでもかと言うぐらい政子を貶め、極悪のように書いているのでこの本を読んで心安らぐ。大河にもなったようなのでソフトにかいてあるんだろうなぁ、

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    2022年04月26日
  • つわものの賦

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    炎環、北条政子と読み、すっかり永井路子さんの書く東国武士の世界に引き込まれている。
    本書は小説ではない。頼朝の挙兵に始まり、周囲の東国武士達についての彼女なりの考察書のようなもの。
    彼女も中で何度も言っているが、吾妻鏡やその他の資料を何度も読み返し、歴史学者とは違う小説家として、その時代の背景や心情を考えながら謎を紐解いていく。そのアプローチがとてもわかりやすく面白く読める。40年以上前に書かれた文章とは思えないくらい、色鮮やかに頭の中に情景が広がる。
    すっかり永井路子さんの世界に入り込んでしまった。
    昨今の大河ドラマを見るにあたって、自分の予備知識も広がる。

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    2022年04月20日
  • つわものの賦

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    鎌倉草創期、頼朝から義時までの、東国の独立と基盤づくりに伴う駆け引きや血の応酬、読んでいると古今東西、時代の変わり目に繰り返される一つの雛型のように思えました。文中で著者みずから何度も言及されているとおり、(細かな史書の読み込みを踏まえてはいるものの、)学者としてではなく小説家としての想像的視点で書かれていることや、40年以上前の著作であることは踏まえておかなければならないかもしれません。それでも、とにかく面白い。事実がどうだったかなんて所詮後世の人間には推測することしかできないとすれば、永井路子さん流の鎌倉はすごく面白いです。小説よりも面白いかも。

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    2022年02月11日
  • 北条政子

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    ネタバレ

    頼朝の妻として、大姫、頼家らの母として
    そして女としての政子。悪女との誉れ高き政子の生涯を永井路子先生の本で読んでみて益々2022年の大河ドラマが楽しみになった。

    時代は平安末期の伊豆、あの政子にも女の子らしい悩みもときめきもあった。そして妻になり嫉妬に燃え、母としての様々な怒濤のような悩み、出来事。歴史上の女性であったとしても間違いなくひとりの人間、ひとりの女で、辛さも悩みも涙も私たちと何ら変わらない。辛い生涯を描くこの小説のそのまた後にも尼となり生き抜く逞しい女性に『悪女』というレッテルはまさしく似合ってしまうのか…。

    永井路子先生の小説で私は日本史が好きになりました。

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    2021年12月31日
  • 朱なる十字架

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    「信と不信」の狭間で揺れ動くガラシャの描写がとても好きです。「信と不信」はこの物語の核でもあり、光秀、忠興、キリスト教、そして最後に自己を信じるか否か、その心理描写が内省的でありながら軽やかな筆致でつづられています。
    「見つめることは傷つくこと」、「互いに愛し合っていた故に別の世界にいることを確かめあってしまう」など、何度読んでも心に刺さる文章が多いのも特徴です。
    忠興との関係もどちらかが一方通行なのではなく、理解しあい、尊重したいと思うたびに相手と自分の幸せは違うのだと痛感してしまうとがとても苦しい。愛し合っていても幸せになれないところが細川夫婦の描写としてとても素晴らしいなと思います。

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    2019年07月19日
  • 美貌の女帝

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    なぜ遷都が繰り返されたのか、なぜ四代だけ女性天皇だったのか、その答えかもしれないと思いながら読むとハマる。それにしても血統が複雑。それも原因だったのかもしれないが。元正天皇だけは独身で突出した美貌。井伊直虎のときのように妄想してしまう。こんな見方、不謹慎だろうか(笑)

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    2016年03月19日
  • 山霧 毛利元就の妻 上

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    面白くて、上下巻3日で一気読み。
    「天璋院篤姫」と今年の大河「花燃ゆ」で、女性が主人公の時代物のおもしろくなさに辟易していたところで、用心しながら読んだにも関わらず、面白かった。

    サブタイトルが「毛利元就の妻」だし、物語は元就が名将と呼ばれる道を駆け上がる途中までのみを描き、妻の死去とともに物語は終わるが、きちんと元就の動静がわかるし、その勝ち負けの興奮もきっちり伝わる。
    上手いと思った。

    それに、恋愛ものとしても、すごく可愛い話だ。こんな夫婦になりたいと純粋に思えた。

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    2015年09月21日
  • 朱なる十字架

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    細川ガラシャ。戦国時代を生きた女性の中でも好きな人だ。やはり凛としていて潔い。

    随分前だが、ガラシャが幽閉されていた味土野に行ったことがある。行き着いたところは道の終わり…山の中。ガラシャがいた証の碑がそっと建てられていた。こんなところに何年もいたなんて…とガラシャの気持ちを思わないではいられない場所だったことを思い出した。

    生き様が清々しい。心が美しい。
    改めてガラシャの強さを感じた本だった。

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    2014年04月20日
  • 美貌の女帝

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    永井史観は説得力がありますねぇ。元明・元正帝は中継ぎとして存在感が乏しかったのですが、永井路子は蘇我系天皇としてキャラをたて、藤原系天皇との対立項とします。滅びゆく蘇我氏のプライドを守る女帝たちの生き様が凛としています。

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    2013年05月01日
  • 美貌の女帝

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    悲しくも気品のある女帝の姿にうっとりといたしました。それはなにも華やかで豪華絢爛だからではありません。むしろこの作品の主人公、元正天皇の生涯は苦難に塗れています。孤立を深めていく中、蘇我の娘としての誇りと意地をよりどころに己を滅し政(まつりごと)の世界で痛々しいまでに戦い抜く姿は感情移入をしないわけにはいきませんでした。もしかしたら、即位時の年齢が現在の私と同じというのも共感を生んだひとつの理由かもしれません。また藤原氏の面々が演じる腹黒い悪役ぶりは物語をひきたててくれます。

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    2013年04月04日
  • 朱なる十字架

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    細川ガラシャ。旧版蔵書。
    永井路子の本はほぼ読破しています。最も好きな時代作家。残念ながら手元に残っていない本を「読みたい」カテゴリ登録してるけど、かつて一度は読んだ(笑)。

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    2013年02月27日
  • 新・歴史をさわがせた女たち

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    このシリーズは好きなのですが「新」は未チェックで内容を確認してみると「藤原彰子」そして大河ドラマでもお馴染み「上西門院」「八条院」とすごく魅惑的な女性たちが!しかし廃版のようで新品では見つからず古本で購入しました。「歴史をさわがせた女たち・日本篇」よりもちょっとマイナー?だけど読んでいて楽しい女性の人生が書かれていて面白かったです。

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    2012年09月10日
  • 流星 お市の方(上)

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    いい!最後は京浜東北線の中で涙がこぼれそうになった。。。
    信長の「鳴かぬなら、殺してしまえホトトギス」というイメージが、ちと違う。
    お市の方も、「お江」の時のイメージと全然違う。
    ま、どんなに違うかは読んでのお楽しみ♪

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    2012年06月18日
  • 歴史をさわがせた女たち 外国篇

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    初めてコレ系の本を読んでみたんだけど、おもしろーい! サクサク読めてしまう。とくにヨーロッパ編は殆どみんな親戚みたいな感じで、その中で骨肉の争いをするのだけど、そこに理性的じゃないもろもろが組み合わさって! かと思えばやり手の女王がいたり。それがまたしたたかで…!
    ちょっと歴史を学べて、暇つぶしにも大いになって楽しめて。
    男性編なんてあってもそんな注目を浴びないんじゃないかな。というか反感もの? だってお嫁さんにしりに敷かれる男性貴族とかを読んでる方が楽しいもの。奥さんをやり込めちゃう旦那さんの話よりも、男を手玉に取る女帝的な人ってやっぱり言いようのない魅力があるな。悪女でもいいし、そうでなく

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    2012年06月18日
  • 平家物語の女性たち

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    本棚から引っ張りだして再読。大河ドラマを見るために読み返す。
    古本市で買ったので、かなりの古さ。昭和47年に書かれたもので、戦争を体験した女性たちと平家の女性たちをダブらせて書いてある。
    平家物語にはあまり女性がでてこないらしいが、その少ない人たちにスポットを当てて書いてあり、かなり興味深かった。
    この女性たちは大河ドラマにはほとんど出演する可能性が薄い人が多かったが、その夫とか恋のお相手が平家物語の主人公たちであり、そちらの男性たちについても書かれている。
    最後に気になる、建礼門院徳子のその後であったり、二位の尼時子の話もあるし、これから大河ドラマが楽しくなりそうだ。

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    2012年06月01日
  • 歴史をさわがせた女たち 日本篇

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    史実にのっとっていて、しかもそこらへんのワイドショーよりおもしろい。大正生まれの著者とは思えないぐらい、文章もすっきりしていて読みやすい。

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    2012年02月29日
  • 歴史をさわがせた女たち 外国篇

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    ネタバレ

    これは初心者の私でもスイスイ読めちゃいました。
    ユーモアたっぷりで、砕けた文体が良い。

    どうやらプランタジネット家男子は年上のセコハン女房を持つと出世するようだw
    ネロがマザコン可愛いw
    イザベル女社長ー!さすがだ

    でも、やっぱ永井さんの十八番は日本史だからなぁ。
    世界史選択の受験生だった今、読み返すと「あれれれ」というところが多いので、世界史にある程度踏み込んじゃった人には、物足りないとこもあるかも。

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    2011年03月14日
  • 歴史をさわがせた女たち 外国篇

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    賢者も悪女もスケールが違う。
    ここで名前とストーリーを学んで、
    興味を持った人は
    更に他の本で深くという、
    歴史を学ぶにはとっかかりとしてとてもいい。

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    2019年01月16日
  • 歴史をさわがせた女たち 日本篇

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    歴史に興味を持った入門書。
    歴史に残る人物は、男の人ばかりじゃないんだ。
    実はその裏には女性が絡んでいる。
    私の人格形成にも影響を与えた一冊。

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    2019年01月16日
  • 乱紋(下)

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    物語の最後の数ページは私の人生をゆさぶった。

    そして、夜寝る前にその数べージを読みたくなって本を手に取る日々が続いている。

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    2010年08月30日