【感想・ネタバレ】源頼朝の世界のレビュー

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Posted by ブクログ

「鎌倉殿の13人」の復習ができて大満足。とくに「北条義時」の章。読めば読むほど、知れば知るほど面白い。鎌倉時代のこと、もっと早く読んで知りたかったなあ。

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2023年02月11日

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永井路子さんによる歴史エッセイ。
最初大河ドラマを見るにあたって基礎知識をと思い読み始めた「炎環」がとても面白く、それ以来永井路子さんの本を読み続けている。
歴史学者ではない、彼女の小説家としての視点の解釈が面白く、時に学者では思いつかない考えに頷くばかり。
今では定説になりつつある実朝暗殺の黒幕も、当時の識者の間では北条氏が有力視されていたが、資料を何度も読み、当時の武士の在り方、考え、風習などから乳母、乳母夫の持つ影響力を考え黒幕は三浦義村であろうと推測している。
40年以上前に書かれた本でも色褪せることなく、今なお楽しく読むことができる。
このエッセイが書かれた当時は、北条義時は三上皇を島流しにし源氏を滅ぼした張本人と悪評高く、それ以外のエピソードはほぼ何もなかった時代。
その中で永井路子さんは北条義時は日本史の中で最も興味のある人物と言っている。
歴史は繰り返される。
永井路子さんが雑誌で書かれたエッセイが、この単行本となって出版されたのは、大河ドラマ「草燃える」の放送に合わせてだったようだ。
草燃えるは永井路子さんの4つの小説やエッセイが元になっている。
今回再びこの本が復刊されたのもまた大河ドラマ鎌倉殿の13人を意識したものだろう。
永井路子さんの考える鎌倉時代東国武士団と、宮中での力関係を読んで今回のドラマを見ると、より楽しむことができると思う。
この本の中では、東国武士団の武蔵七党、そしてマキャベリスト源通親、後鳥羽院と藤原定家を楽しく読めた。
最後に源氏三代の乳母関係図は人間関係を考える上でとても参考になる。
現代に通じるところも多く、歴史は繰り返されるということを痛感した。

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2022年05月30日

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「鎌倉殿の13人」のサブテキストとして読んだ。ドラマでは疑問だった点(北条が親族や同僚を滅亡させる執念)が分る内容になっている。なるほど、北条は三浦や伊東とは同等の豪族ではなく、格下の小豪族だったのか。頼朝は信頼できる家臣がいなかったのか。
ドラマではさらっと流されていた設定の背景が分かり、鎌倉時代の価値観や生き方がだいぶ理解できた。

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2023年04月03日

Posted by ブクログ

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿と13人」に刺激を受け、3冊目の永井路子を手に取りました。相当「吾妻鏡」を読み込んで、この時代の人物、相関関係を研究されてる方なので、読んでて安心感があるし、何よりめちゃくちゃ面白い。歴史って楽しいな〜と、思わせてくれる。
 頼朝が鎌倉幕府を作ったわけではなく、坂東武者の力によるものだということや、乳母夫の持つ力の大きさ(比企尼vs阿波局=頼家vs実朝)、何もしないように見える北条義時がだんだん力を持ち、父時政と牧の方を失脚させるまで冷酷に成長する様などドラマの教本としては最高の一冊です。
 その他、梶原、比企、新田、畠山と次々失脚していく中で、粘り強く北条とやり合う三浦義村や、平清盛、木曾義仲、源義経と力を持つものを頼って生き延び、頼りにならないと知ると非常に振り捨てる後白河法皇の生き方。関係を持つ女性の力でのしあがっていく源(土御門)通親、和歌の才能でもって九条家から後鳥羽院、土御門通親から幕府へと常に主流にくっついて生きる藤原定家など、狡猾に生きる当時の公家や武将を紹介する。面白い!

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2022年07月26日

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「鎌倉殿の13人」の勉強用に。
思ってたよりがっつり深く書かれていて本当に面白かった。大河ドラマを観ながら何度も読み返しそう。

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2022年05月08日

Posted by ブクログ

改めて「炎環」を読んで感心したので、理解を深める為にも本書を読む。
この時代のことに詳しいわけではないが、永井氏の人物解釈や歴史観にはなるほどと思わせるものもがある。

本書の題名は「源頼朝の世界」となっているが、内容的には北条が主役。北条一族の権力奪取の過程はすざましいので「北条の野望」とでもした方が似つかわしい気がする。

個人的には、最後の後鳥羽と定家の章が面白かった。

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2022年04月29日

Posted by ブクログ

 論考というほど難しくはないけど、ちょっとホネのある歴史エッセイ集。

 人物別に書かれています。「頼朝とその周辺の人びと」では、源頼朝、北条政子、比企尼と阿波局、頼家と実朝、北条義時。「逞しき東国武者」の部では、三浦一族、伊豆の軍団、武蔵七党。そして「西国の権謀家たち」として、後白河法皇、源通親、後鳥羽院と藤原定家。

 まず『つわものの賦』を読み、鎌倉時代の流れと永井路子さんの歴史観を知り、次に細川重男氏の『頼朝の武士団』を読んで、頼朝軍団の雰囲気とその攻防の緊張感を味わってからこの本を読んだ結果、この時代の理解が深まっていたおかげで、ラクに楽しく読めました。

 ただ本書は、雑誌などに発表されたエッセイをまとめたものであり、先に書いたように人物別に書かれているので、永井さんご自身も「あとがき」に〈繋がりが深すぎて重複する部分がどうしても出てくる〉と書かれているとおり、ちょくちょくエピソードがかぶります。その部分では、ちょっとアクビが出てしまいました。

 でも、読んでよかった。武蔵七党、源通親、後鳥羽院と藤原定家、の3本がかなりおもしろかったから。この人たちのことを知れる機会ってなかなかないのでは。武蔵七党はまさしく〈雑草のような名もなきつわものたち〉で、潔い分ちょっとせつなさが残るし、源通親なんてこんなにあの手この手で〈厚顔に世を押し渡った〉人がいたとは知らなかったし、藤原定家は歌人として有名だけど、後鳥羽院とのこんな確執があったとは知らなかったし。

 その他の感想としては、北条政子、やっぱり好きだわと思ったのと、頼家、かわいそうだなと思ったのと、北条義時の「何もしない男」というのにちょっと笑ってしまった(いや、すごい人なんですけどね)。

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2022年02月06日

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