新井素子のレビュー一覧
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作者の名前はかなり前から知ってはいたが、その作品を読むのは今回が初めて。日下氏の編集ものに興味があって、本書もそれで読んでみることにした。
本書には、80年代から2000年代の作品のうち、一度も文庫化されていない作品、再編集本ではない個人短編集に収録されたことのない作品、一度も本になっていない作品を、可能な限り集めてみたそうだ(編者解説より)。こうした編集方針を聞くだけでも、随分お得感を感じてしまう。
第一部は『季節のお話』という連作ショートショート。「雪 一月」では、雪というものがどうしてできることになったのか、「氷 二月」では氷ができるようになったのには奥さん思いの熊さんの思いがあ -
Posted by ブクログ
新井素子は中学生の頃から読んでいて、SFと独特の文体が思春期にはドンピシャハマったものだが、それらを何となく読まなくなるのと引き換えにこの結婚物語から続くシリーズを読むようになった。
大学卒業して数年後に結婚した2人が定年を迎えるとは中々感慨深い。が、久々に読むと陽子さんの変人ぶりというか、思い込みの激しさというか、頑なというか、こんなのだったっけ?ちょっと引くほどだった。QRコードとインスタント食材に関してはウチの80歳の婆ちゃんより酷い。昔はこの奇行で笑ってたと思うと自分も歳をとったのかな。
次は終活がテーマかな?
俳句はちょっと興味が湧いた。 -
購入済み
こんな感じだったかな?
若い頃にコバルトシリーズを読んでいて、めちゃくちゃ面白くて夢中になったはずなのですが、新井素子さんの作品から離れていたこともあり、
こんな文体だった?という印象で、読みずらかったです。自分が年をとって好みが合わなくなっただけだと思います。通りすがりのレイデイも今読んだら楽しめないのかなー?なんて思ったりしました。長編と短編の違いはあれど、この文体ならあまり読む気にはなれないです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「いつか猫になる日まで」は中学生のころ読んで、そこから新井素子作品にしばらくはまった。「絶対猫から動かない」の裏表紙を読んで、性質的に「いつか猫になる日まで」の精神を汲むだけなのかと思って読み始めてたんだけど、題目からして「いつか猫になる日まで」のおじさんおばさん版だった、のか。文体は、勝手知ったる感じがして、とくに気にはならない(けど初めて読む人は面食らうかも)。
50代、義理の両親の介護に精一杯な、ただの主婦だったおばさんが、こんなにかっこいいとは。(でも本来緊迫するシーンで、気が抜けちゃうような描写がずっと入るのも、相変わらず、なんだよなあ)
おじさんおばさんだけじゃなくって、中学生や -
購入済み
素子ワールドだからね
私が素子さんを知った頃は「短編なんか書けない」と、仰っていたかと思いますので、短編集を楽しめるようになるとは(当時は)思っていませんでした。
素子さんが20代の頃からのファンならご一読をお勧めしたいと思います。
あの頃の新鮮な果汁の瑞々しさから、熟成されたワインのような味わいになっているのではないかと思います。
いずれにせよ、素子ワールドをお楽しみください。