新井素子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「いつか猫になる日まで」は中学生のころ読んで、そこから新井素子作品にしばらくはまった。「絶対猫から動かない」の裏表紙を読んで、性質的に「いつか猫になる日まで」の精神を汲むだけなのかと思って読み始めてたんだけど、題目からして「いつか猫になる日まで」のおじさんおばさん版だった、のか。文体は、勝手知ったる感じがして、とくに気にはならない(けど初めて読む人は面食らうかも)。
50代、義理の両親の介護に精一杯な、ただの主婦だったおばさんが、こんなにかっこいいとは。(でも本来緊迫するシーンで、気が抜けちゃうような描写がずっと入るのも、相変わらず、なんだよなあ)
おじさんおばさんだけじゃなくって、中学生や -
購入済み
素子ワールドだからね
私が素子さんを知った頃は「短編なんか書けない」と、仰っていたかと思いますので、短編集を楽しめるようになるとは(当時は)思っていませんでした。
素子さんが20代の頃からのファンならご一読をお勧めしたいと思います。
あの頃の新鮮な果汁の瑞々しさから、熟成されたワインのような味わいになっているのではないかと思います。
いずれにせよ、素子ワールドをお楽しみください。 -
Posted by ブクログ
いわゆる“セカイ系”と呼ばれるもの。
「来週、地球が滅びるとしたら」という、あまりにも特殊な状況。その状況にもし自分がいるのならば、どんな行動をとるのだろうか。
似たような破滅SFで伊坂幸太郎の『終末のフール』を連想したが、この『ひとめあなたに…』は来週という近い将来の話ゆえに切迫した内容だ。
練馬から鎌倉までの旅で出会う女性たちがみんな個性的。最初に出会う由利子の「チャイニーズスープ」が強烈で、この小説は猟奇的な話が続くのかと思ってしまった。興味深かったのは智子の「夢を見たのはどちらでしょう」で、現実の捉え方がとても面白かった。
この結末からすれば、これは恋愛小説なのだろう。 -
Posted by ブクログ
一年一年がとても長くて、恋にしろ失恋にしろ十分した気がしている。失敗や成功もくっきりとしていて、諦めたり喜んだり、行動的ですぐ立ち直り、絶望もやってくるが、希望がすぐ取って代わる。
だから、はたちの頃って、もう人生を味わいつくしたような気がしているのよね。
本当はそれからが人生長く、機微に溢れ、苦しけれ、楽しいのだけれど。
そのみずみずしさがここには書かれている。新井素子さんの20歳の作品だそうだから、そのまま生のまま。
恋しい夫を食べてしまったり、バイクでひき殺したり、いや、地球に隕石がぶつかって破壊されてしまうなどと涼しい顔でいわれてもねぇと思うが、そんなことも有りと平気に思う若さが -
購入済み
お久しぶりです。
素子さんは、星へ行く船、ブラック・キャット辺りからの読者ですが、ハッピー・バースディで、自分の中で「そっちに行っちゃうんですか」感があったので、イン・ザ・ヘブンは、やや引き気味で手にとりましたが、久しぶりに素子ワールドを楽しませていただきました。
30年くらい前の素子ワールドに親しんだ方には賛否あるところだとは思いますが、自分も年齢を重ねたためか、時と共に変化した素子ワールド健在、と感じました。
しばらくぶりに、ハッピー・バースディ、チグリスとユーフラテス、くますけ、おしまい、あたりを読み返してみようかなと思います。