西澤保彦のレビュー一覧

  • 腕貫探偵

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    何とも不思議な読み心地(^ ^;

    まず、探偵は主役ではない。
    櫃洗市という地方都市を舞台とした、連作短編集。
    舞台設定や時間軸は連続していて、
    各章の出演者同士も微妙に絡みがあったりする。

    その「狭い世界」の中で起きる様々な不思議を、
    市役所の「よろず相談窓口の臨時出張所」みたいな
    神出鬼没な場所に陣取る男が解決していく。
    その男の風貌が、特に特徴もとらえどころもない
    「公務員顔」で、今どき腕貫(腕カバー)をはめている。

    ...ということで「腕貫探偵」となる(^ ^;

    探偵は(全作品通して男の名前すら出てこない)、
    相談者から話を聞いただけで、本質をズバズバ言い当てていく。
    正に快刀乱

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    2020年10月01日
  • 夢の迷い路

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    読書大好き美少女日柳永美とB級・C級映画おたくの少年柚木崎渓の2人、エミール&ユッキーのコンビが、親しい雑貨屋の店主、ブックカフェの店主、叔父から話を聞いて、その驚くべき真相を解き明かすというもの。高校生なのに大人顔負けの推理を披露する。結構無茶苦茶な事件ばかりなのだが、こんな頻度で彼らの身の回りで起こっているなんて殺伐としているけど、2人のコンビぶりはなかなか微笑ましい。最後の短編はエミールの祖母が出てきて、なんだか心温かになる。このシリーズを続けて欲しいな。

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    2020年08月30日
  • スナッチ

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    いきなり降ってきた銀色の雨を浴びた者は宇宙の生命体に人格を乗っ取られてしまう。恋人との結婚を控えた22歳の奈路允生は自分の体の中で目覚めたのは31年後であった。31年間の自分の人生はどうなったのか。奇しくも連続殺人事件が起こり巻き込まれていくことになる。失われた31年の人生に殺人事件の鍵があるのか。
    一回きりの人生というものの意味を考えさせられる。食品添加物などの問題、がん治療の是非、免疫力を無視した解熱剤の使用の問題など、現代が直面する問題を直截に提示もしている。作者が示したのが正解かどうかはこれからの課題ではあるだろう。

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    2020年08月25日
  • 完全無欠の名探偵

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    大財閥の総帥白鹿毛源衛門の孫娘りんの監視役として山吹みはるが高知の女子短大に送られる。この山吹みはるは2メートルの大男で、極めて気のいい男なのだが、相手を知らず知らずのうちに饒舌にしてしまう。喋りまくった後に自分自身で隠された真相に気付くというのだ。一種の超能力だ。この山吹みはると白鹿毛りんが、複雑に絡み合ったある事件を解決するというもの。複雑な関係も最後にはお互いにピタッとはまり込む。これにもちゃんと理由が用意してある。
    作者のデビュー第2作だそうだが、結構力作だ。使われている土佐弁も面白いし、みはるの人柄がいい。シリーズにしても面白かったかもしれない。後の神麻嗣子の超能力事件簿に繋がる作品

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    2020年08月24日
  • 人格転移の殺人

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    そういえば、久しぶりに西澤作品が読みたいかも、ってことで手に取ったもの。ちょっと最近、個人的にミステリ志向。今までのところハズレはないけど、本作も十分に楽しめるクォリティ。どういう仕掛けがあるのかは、タイトルに既に示されている訳だけど、ありふれた転移設定を、いかに料理するのかってところが本作の見どころ。さすがというか、上手い着地点を提示してくれてます。

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    2020年05月08日
  • 腕貫探偵、残業中

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    今作の腕貫さんは、時間外労働というか、プライベートな時間に持ち込まれた相談の謎を解き明かしていきます。
    グルメな腕貫さん…風体や表情は相変わらずですが、そんな一面も見られて、だけど鋭い視点での謎解きには相談者と同じく、聞き入るように読み進めてしまう。
    それぞれの話の登場人物の細やかな描写も、現実にいそうな感じがしてしまうくらい、物語に入っていけるし、やっぱり面白かった。

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    2020年03月07日
  • 腕貫探偵

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    探偵といっても現場に現れて謎を解き明かす訳ではなく、相談という形で解決に導いてくれるという、珍しいタイプのお話。
    一言で言えば面白かった。
    架空の市内のお話なので、相談者(=語り部)がすれ違っていたりするのも楽しい。
    そして腕貫さんの存在が薄い事で、それぞれの相談者のキャラクターがたっているのかな?と思った。
    短編集ながらも繋がりがあるのも、架空の市の存在が本当にありそうな感じがして、お話の世界に入りやすいです。
    続編も楽しみ。

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    2020年03月03日
  • 腕貫探偵

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    思わぬ伏兵。よみやすくて、読後スッキリで、謎解きも鮮やか。定型文通りの切り口で描かれる腕貫探偵の描写がテンポよく物語の導入を果たしてくれる。

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    2019年12月21日
  • 新装版 瞬間移動死体

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    こんな本格ミステリなのに、ある能力をアリバイトリックに使うとは大胆不敵な西澤保彦氏。そしてそのある能力の欠陥が故に見事に着地点に。もうこれは一気読み必至の本格長編パズラーの傑作。

    気弱でヒモで無気力なマゾヒストでありながら、不純な動機で密かに作家を目指す、長男なのに婿養子が主人公。この夫の視点で物語は進むのだが、どこで何が起こったのか最後まで分からない。殺人現場はロサンゼルスで自分は東京に。完璧すぎるアリバイ。そんな緻密で論理的なはずの計画にイレギュラーが。何故か見知らぬ白人男性の死体が現れる。

    とても満足な作品でした。

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    2019年03月08日
  • 収穫祭(下)

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    徹底的にグロかったけど、後半もテンション変わらず面白かった。というか、前半最後に謎の組織みたいなのが出てきて、そういう方向にいったらどうしようと思ってたけど、全く杞憂だった。寧ろ、あの人たちは誰だったの?っていう謎はそのままほったらかし。最終的に、不安な行く末を暗示しつつも、登場人物たちの末路までは描き切っていないのも 不気味で○。上下巻あわせると千頁越えの超大作だったけど、一気呵成に読まされる力作。西澤作品、今のところ当たり確率が高くて素敵です。

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    2018年10月05日
  • 収穫祭(上)

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    最初、何だかうだつのあがらない日常風景の描写に、いまひとつのめり込めない自分がいたけど、大雨が降って不穏な空気の村に帰ってきてみたら、ってところからの惨殺に次ぐ惨殺はかなりの緊張感。それだけでひとつの物語が出来上がるのに、まだ一章(とはいえ300ページ)。で、読んできた内容とは異なる解決が提示され、9年後の第二章へ。ここでもまた、簡単に真実が明かされる訳でなく、生き残ったうちの一人の目線で、何となく9年前の事件と関係あるようなないような日常が物語られる。そしてまた、この章の最後でも意外な結末が… ってか、重要人物かと思ってたのがあっけなく死んじゃったりで、いまだに物語の行く末が見えてこん。それ

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    2018年09月28日
  • 彼女が死んだ夜

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    門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。出発前日、親の外出をいいことに同級生が開いた壮行会から深夜帰ると部屋に女の死体が!夜遊びがバレこれで渡米もふいだと焦った彼女は自分に気があるガンタに遺棄を強要する。翌日発見された遺体は身元不明。別の同級生も失踪して大事件に。匠千暁、最初の事件。

    家に見知らぬ死体。そこから発生する謎にまた謎。
    繰り返される、机上の空論。論理の飛躍。それがまた当たっていたりするもんだから面白い。
    徐々に事件の形が変わっていき、まさかの展開へと繋がっていく。中盤までの気楽さが、これほど重いものとなるとは…
    キャラクターの立ち位置も絶妙。シリー

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    2018年01月31日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    タイトル通り、どんでん返しもの。
    自薦だけあって、それぞれの作家さんの特徴が出てて大変面白く読めました。
    なーんか読んだことある話ばかりだなー
    まー自薦だから他ので読んだんだろーなー
    と思ってたら同じ本が自宅の本棚にあったのは内緒

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    2017年10月17日
  • 回想のぬいぐるみ警部

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    ぬぐるみの刑事が(刑事ぶたぶた)がいるのだもの、あふれ出るぬいぐるみ愛で推理し、事件を解決する刑事がいたっておかしくない!

    事件はシリアスなのに、シリアルになるのは決してぬいのせいじゃない。スーパー美形で、仕事もできて、エリートなのに、ぬいぐるみへの愛情が事件現場でも漏れ出してしまう音無警部のせいだと思うのです(笑)

    堪能させていただきました。

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    2017年03月16日
  • 麦酒の家の冒険

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     とにかく、「そんな馬鹿な」と思ってしまう作品。不自然な状況下におかれた人がそんな行動をはたしてとるのか。そもそもそんな状況が不自然すぎる。などといった違和感が常につきまとう。が、そんな違和感を登場人物たちも感じながら、物語は突き進む。
     この作品の妙は、とにかくビールが美味しそう。そのビールがミステリとしての本作の鍵にもなっているのだが、とにかく主人公たちが美味しそうに飲み続けて、酩酊しながら謎解きに取り組む。
     うーん、成人した人間の「冒険」ってこんな感じかと思いながら、楽しくなる作品。

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    2016年11月25日
  • 腕貫探偵、残業中

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    もともと連作ものだったけどユリエの携帯に出るようになって神出鬼没ではなくなったかな。
    ユリエとの関係はどうなるのか今後が楽しみです。

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    2016年07月10日
  • ファンタズム

    ネタバレ

    私は好き

    何度も読み返しました。
    最後まで読むと刑事と同じように叫びたくなる。
    この不快さ不可解さ理不尽さ、癖になります。
    普通のミステリーと思って読むと不完全燃焼を起こすかも知れません。

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    2016年02月11日
  • 謎亭論処 匠千暁の事件簿

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    短編集なので、ひとつひとつの話は短いけれど、切れ味は抜群。些細な謎を突き詰めていくと、人の悪意という毒を孕んでいることが透けて見えてくるのはシリーズ特有のものだと思うが、不思議と読後感は悪くない。「督促状」「上履き」「不幸の手紙」あたりが特にお気に入り。

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    2015年07月28日
  • 依存

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    冒頭のタックの衝撃的過ぎる告白から一転、いつもの不可思議な謎をお酒を飲みながら推理するスタイルに。交互に場面を入れ替えながら通低するテーマがラストに向かって収束していく。ここまでシリーズを読み進めてきたからこそ感じられる感動や興奮がラストシーンに凝縮されている。散々言われているだろうが、ウサコ視点での語りというのがこれ以外はあり得ないと思わせるほどものの見事にハマっていた。

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    2017年06月03日
  • 麦酒の家の冒険

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    魅力的な謎❨大量の麦酒❩を大量の麦酒を飲みながら、あーでもないこーでもないとこねくりまわす、麦酒党としては見過ごせない作品。そりゃ麦酒も進むってなもんです。

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    2015年07月11日