西澤保彦のレビュー一覧
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最初、何だかうだつのあがらない日常風景の描写に、いまひとつのめり込めない自分がいたけど、大雨が降って不穏な空気の村に帰ってきてみたら、ってところからの惨殺に次ぐ惨殺はかなりの緊張感。それだけでひとつの物語が出来上がるのに、まだ一章(とはいえ300ページ)。で、読んできた内容とは異なる解決が提示され、9年後の第二章へ。ここでもまた、簡単に真実が明かされる訳でなく、生き残ったうちの一人の目線で、何となく9年前の事件と関係あるようなないような日常が物語られる。そしてまた、この章の最後でも意外な結末が… ってか、重要人物かと思ってたのがあっけなく死んじゃったりで、いまだに物語の行く末が見えてこん。それ
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門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。出発前日、親の外出をいいことに同級生が開いた壮行会から深夜帰ると部屋に女の死体が!夜遊びがバレこれで渡米もふいだと焦った彼女は自分に気があるガンタに遺棄を強要する。翌日発見された遺体は身元不明。別の同級生も失踪して大事件に。匠千暁、最初の事件。
家に見知らぬ死体。そこから発生する謎にまた謎。
繰り返される、机上の空論。論理の飛躍。それがまた当たっていたりするもんだから面白い。
徐々に事件の形が変わっていき、まさかの展開へと繋がっていく。中盤までの気楽さが、これほど重いものとなるとは…
キャラクターの立ち位置も絶妙。シリー -
ネタバレ
私は好き
何度も読み返しました。
最後まで読むと刑事と同じように叫びたくなる。
この不快さ不可解さ理不尽さ、癖になります。
普通のミステリーと思って読むと不完全燃焼を起こすかも知れません。 -
Posted by ブクログ
久々に文句なく面白い小説を読んだ気がする!!
2010年、主人公たちは一枚の写真を目にする。その写真が撮られたのは1992年。しかしそこには1988年に死んだはずの少女が映り込んでいた。
ストーリーは過去編と現在編からなっていて、過去編にあたる1〜3部は、少女とその死をめぐる一連のお話。現在編にあたる4〜6部は、主人公を含めた3人の人間が、写真の謎をめぐって、あーでもないこーでもないと議論をかわす、安槻シリーズに見られたような論理組立型の推理編です。
最終的に「うわー、マジで?」と感嘆するミステリーは久しぶり。
そして推理編の鮮やかさもさることながら、(いつも書いている気がするけど)西