西澤保彦のレビュー一覧

  • 腕貫探偵

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    探偵といっても現場に現れて謎を解き明かす訳ではなく、相談という形で解決に導いてくれるという、珍しいタイプのお話。
    一言で言えば面白かった。
    架空の市内のお話なので、相談者(=語り部)がすれ違っていたりするのも楽しい。
    そして腕貫さんの存在が薄い事で、それぞれの相談者のキャラクターがたっているのかな?と思った。
    短編集ながらも繋がりがあるのも、架空の市の存在が本当にありそうな感じがして、お話の世界に入りやすいです。
    続編も楽しみ。

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    2020年03月03日
  • 腕貫探偵

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    思わぬ伏兵。よみやすくて、読後スッキリで、謎解きも鮮やか。定型文通りの切り口で描かれる腕貫探偵の描写がテンポよく物語の導入を果たしてくれる。

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    2019年12月21日
  • 新装版 瞬間移動死体

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    こんな本格ミステリなのに、ある能力をアリバイトリックに使うとは大胆不敵な西澤保彦氏。そしてそのある能力の欠陥が故に見事に着地点に。もうこれは一気読み必至の本格長編パズラーの傑作。

    気弱でヒモで無気力なマゾヒストでありながら、不純な動機で密かに作家を目指す、長男なのに婿養子が主人公。この夫の視点で物語は進むのだが、どこで何が起こったのか最後まで分からない。殺人現場はロサンゼルスで自分は東京に。完璧すぎるアリバイ。そんな緻密で論理的なはずの計画にイレギュラーが。何故か見知らぬ白人男性の死体が現れる。

    とても満足な作品でした。

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    2019年03月08日
  • 収穫祭(下)

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    徹底的にグロかったけど、後半もテンション変わらず面白かった。というか、前半最後に謎の組織みたいなのが出てきて、そういう方向にいったらどうしようと思ってたけど、全く杞憂だった。寧ろ、あの人たちは誰だったの?っていう謎はそのままほったらかし。最終的に、不安な行く末を暗示しつつも、登場人物たちの末路までは描き切っていないのも 不気味で○。上下巻あわせると千頁越えの超大作だったけど、一気呵成に読まされる力作。西澤作品、今のところ当たり確率が高くて素敵です。

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    2018年10月05日
  • 収穫祭(上)

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    最初、何だかうだつのあがらない日常風景の描写に、いまひとつのめり込めない自分がいたけど、大雨が降って不穏な空気の村に帰ってきてみたら、ってところからの惨殺に次ぐ惨殺はかなりの緊張感。それだけでひとつの物語が出来上がるのに、まだ一章(とはいえ300ページ)。で、読んできた内容とは異なる解決が提示され、9年後の第二章へ。ここでもまた、簡単に真実が明かされる訳でなく、生き残ったうちの一人の目線で、何となく9年前の事件と関係あるようなないような日常が物語られる。そしてまた、この章の最後でも意外な結末が… ってか、重要人物かと思ってたのがあっけなく死んじゃったりで、いまだに物語の行く末が見えてこん。それ

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    2018年09月28日
  • 彼女が死んだ夜

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    門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。出発前日、親の外出をいいことに同級生が開いた壮行会から深夜帰ると部屋に女の死体が!夜遊びがバレこれで渡米もふいだと焦った彼女は自分に気があるガンタに遺棄を強要する。翌日発見された遺体は身元不明。別の同級生も失踪して大事件に。匠千暁、最初の事件。

    家に見知らぬ死体。そこから発生する謎にまた謎。
    繰り返される、机上の空論。論理の飛躍。それがまた当たっていたりするもんだから面白い。
    徐々に事件の形が変わっていき、まさかの展開へと繋がっていく。中盤までの気楽さが、これほど重いものとなるとは…
    キャラクターの立ち位置も絶妙。シリー

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    2018年01月31日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    タイトル通り、どんでん返しもの。
    自薦だけあって、それぞれの作家さんの特徴が出てて大変面白く読めました。
    なーんか読んだことある話ばかりだなー
    まー自薦だから他ので読んだんだろーなー
    と思ってたら同じ本が自宅の本棚にあったのは内緒

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    2017年10月17日
  • 回想のぬいぐるみ警部

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    ぬぐるみの刑事が(刑事ぶたぶた)がいるのだもの、あふれ出るぬいぐるみ愛で推理し、事件を解決する刑事がいたっておかしくない!

    事件はシリアスなのに、シリアルになるのは決してぬいのせいじゃない。スーパー美形で、仕事もできて、エリートなのに、ぬいぐるみへの愛情が事件現場でも漏れ出してしまう音無警部のせいだと思うのです(笑)

    堪能させていただきました。

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    2017年03月16日
  • 麦酒の家の冒険

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     とにかく、「そんな馬鹿な」と思ってしまう作品。不自然な状況下におかれた人がそんな行動をはたしてとるのか。そもそもそんな状況が不自然すぎる。などといった違和感が常につきまとう。が、そんな違和感を登場人物たちも感じながら、物語は突き進む。
     この作品の妙は、とにかくビールが美味しそう。そのビールがミステリとしての本作の鍵にもなっているのだが、とにかく主人公たちが美味しそうに飲み続けて、酩酊しながら謎解きに取り組む。
     うーん、成人した人間の「冒険」ってこんな感じかと思いながら、楽しくなる作品。

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    2016年11月25日
  • 腕貫探偵、残業中

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    もともと連作ものだったけどユリエの携帯に出るようになって神出鬼没ではなくなったかな。
    ユリエとの関係はどうなるのか今後が楽しみです。

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    2016年07月10日
  • ファンタズム

    ネタバレ

    私は好き

    何度も読み返しました。
    最後まで読むと刑事と同じように叫びたくなる。
    この不快さ不可解さ理不尽さ、癖になります。
    普通のミステリーと思って読むと不完全燃焼を起こすかも知れません。

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    2016年02月11日
  • 謎亭論処 匠千暁の事件簿

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    短編集なので、ひとつひとつの話は短いけれど、切れ味は抜群。些細な謎を突き詰めていくと、人の悪意という毒を孕んでいることが透けて見えてくるのはシリーズ特有のものだと思うが、不思議と読後感は悪くない。「督促状」「上履き」「不幸の手紙」あたりが特にお気に入り。

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    2015年07月28日
  • 依存

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    冒頭のタックの衝撃的過ぎる告白から一転、いつもの不可思議な謎をお酒を飲みながら推理するスタイルに。交互に場面を入れ替えながら通低するテーマがラストに向かって収束していく。ここまでシリーズを読み進めてきたからこそ感じられる感動や興奮がラストシーンに凝縮されている。散々言われているだろうが、ウサコ視点での語りというのがこれ以外はあり得ないと思わせるほどものの見事にハマっていた。

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    2017年06月03日
  • 麦酒の家の冒険

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    魅力的な謎❨大量の麦酒❩を大量の麦酒を飲みながら、あーでもないこーでもないとこねくりまわす、麦酒党としては見過ごせない作品。そりゃ麦酒も進むってなもんです。

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    2015年07月11日
  • 幻想即興曲 響季姉妹探偵 ショパン篇

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    パズラー(小説中に書かれた全ての事象が謎解きに関わる推理小説)は大変爽快感があるものの、変な事象に着目して考察することで簡単に真相にたどり着けるという弱点があると思っています。たとえばTVドラマの相棒とかでは、何故このシーンがあるのだろう?と考えるとすぐに事件の真相が分かりますよね。

    本作品では、それを小説家志望の人の作品を読ませるという趣向で上手く回避し、最後に「でも、そうだったのか」と爽快感を与えてくれました。

    仕掛けは単純だったけど面白かったー。

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    2015年05月24日
  • 赤い糸の呻き

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    短編パズラーが5作品入っています。どれも、「ああ、そうだったのか、スッキリ!!」という感じで爽快でした(というわけで、一つも謎解きに成功しませんでした。orz)

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    2015年03月28日
  • 死者は黄泉が得る

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    ネタバレ

    タイトル通りのSF設定。
    2つのパートが交互に進行する構成。
    パートの関係、時系列、人間関係etc…
    なかなか複雑で若干混乱。
    その分、考えるのがとても楽しかった。
    自分はSFミステリーが好きみたい。

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    2015年03月01日
  • 幻視時代

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    久々に文句なく面白い小説を読んだ気がする!!

    2010年、主人公たちは一枚の写真を目にする。その写真が撮られたのは1992年。しかしそこには1988年に死んだはずの少女が映り込んでいた。

    ストーリーは過去編と現在編からなっていて、過去編にあたる1〜3部は、少女とその死をめぐる一連のお話。現在編にあたる4〜6部は、主人公を含めた3人の人間が、写真の謎をめぐって、あーでもないこーでもないと議論をかわす、安槻シリーズに見られたような論理組立型の推理編です。

    最終的に「うわー、マジで?」と感嘆するミステリーは久しぶり。

    そして推理編の鮮やかさもさることながら、(いつも書いている気がするけど)西

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    2014年11月23日
  • 麦酒の家の冒険

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    今まで読んだシリーズの中ではいちばん好きです。迷子の末にたどり着いたがらんどうの別荘。ウォーキングクローゼットに隠された冷蔵庫からはキンキンに冷えた大量のエビスビール。日常ミステリ寄りのおはなし。

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    2014年09月02日
  • 麦酒の家の冒険

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    ビールが飲みたくなった。
    安楽椅子探偵ものは始めて読んだ。
    最初はつまらない、検討はずれな推測ばかりを捏ねくりまわしているようだった。それが次第に矛盾の少ない、筋の通った仮説に置き換わっていくのが面白かった。
    自分のいいたいことを登場人物が言ってくれたときなんかは、彼らと一緒に自分もその場にいるような感覚すら覚えた。

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    2014年07月17日