西澤保彦のレビュー一覧

  • 人格転移の殺人

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    いや〜!おもしろい!その一言につきる。

    人格転移というSF設定とその中で巻き起こる殺人事件。どちらもハラハラ展開で、後半以降の展開はスピード感もあり一気に読んでしまった。

    人格転移という設定のため頭が混乱する部分が多々あるが、それを難なく乗り越えるくらいにはおもしろかった。

    特に、最後の最後にわかる「第二の都市」の存在意義。そして、冒頭からの伏線回収と最後の1ページまで存分に楽しめる。

    素晴らしい技術があったとして、生かすも殺すも、やはり使用する私たちにかかっているのだと、そんなことを思わずにはいられなかった。

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    2023年09月08日
  • 神のロジック 次は誰の番ですか?

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    ネタバレ

    なるほど、本書の帯に「ミステリが明らかになった後の衝撃・その後にある気持ちが湧き上がってくる」ということを書いてありその意味がよくわかった。

    物語の後半から一気に増すスピードと、読後にわかる細かな伏線。
    私は普段ミステリ小説はあまり読まないがなかなかにハマりそうな読後感だった。

    以降はネタバレになるが、本書の肝となる「ファンタジー・共同幻想」は現代にも似た部分が多分にあると思う。

    SNSの普及によって自分好みの情報だけを取捨選択できる環境が整った。
    だから自分の知っている世界は一面的で偏りができてしまっているかもしれない。
    そして、そのことに気がつくこともできないかもしれない。

    結果と

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    2023年06月25日
  • 死者は黄泉が得る

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     死者たちの世界―― 誰も寄り付かない辺境の屋敷にそれはあった。 生前の記憶をリセットして生ける屍として再生させる装置、それによって甦った屍は更なる仲間を求め生者を殺していく・・・。 一方死者の世界の隣町では不可解な連続殺人が起きていた、死後の世界と生前の世界が交わる時事件は驚愕の結末を迎える・・・。

     西澤氏のSFミステリ。 「生ける屍の死」の影響を強く受けています。 荒々しいそれでいて雑ではない驚天動地のトリック、ラスト数行で叩きつけられる真相、SFという自由な設定に厳粛なルール付けをして展開される西澤ミステリの最高傑作だと思いますね。(でも舞台がアメリカなので珍苗字は一切出てこないのだ

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    2023年05月13日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    綾辻行人、有栖川有栖、西澤保彦、貫井徳郎、法月綸太郎、東川篤哉という、めちゃめちゃ豪華なミステリ作家たちによる短編集。
    ストーリーとして好きなのは有栖川有栖の作品、ミステリとして好きなのは西澤保彦の作品だった。
    収められている作品は、ミステリという枠にとらわれない作品ばかりだが、その著者の作風には見合っている気がする。
    もしこれらの作家の中で気になっている方がいれば、その入門編という形で読んでみてもいいかもしれなき。
    ただ、どの作家も、長編になると一気に癖のある作品を書かれるような、そんな方々ばかりのような気がするが。

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    2023年05月06日
  • 帰ってきた腕貫探偵

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    4編の連作短編集。うち3篇は何十年も前の事件の真相が解明されていくというもので面白かった。ただ今回はどの話も結構重め。

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    2023年03月29日
  • 必然という名の偶然

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    腕貫探偵シリーズの番外編。
    前作のモラトリアムシアターを読んでから今作を読んだ方が私的には良かったのかも。

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    2023年03月22日
  • 依存

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    読み終わってため息をつく程によかった。
    内容は重いがウサコの語り口調なのでとても読みやすい。
    短編ミステリのかき集めのようで全てが重なっていくのが気持ち良い。
    ラストシーンはもう良すぎて語彙がなくなるし、いろんな要素が詰まった作品でとても良かった。

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    2023年02月18日
  • 狂う

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    ネタバレ

    最後にダブルの正体が奏絵だとわかるところで全て持っていかれた。またこの気分にさせられるとは。
    凌辱シーンは読みたくなくなるような描写だけれども、それでも惹き寄せられる読み応え。
    奏絵はきっと鳴沢を大切な仲間だと思っていただろうに、下らない妄執でこの結末は悲しいし切ない。

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    2022年12月11日
  • 仔羊たちの聖夜

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    ネタバレ

    前作まで読んで期待高めで読んだがまたまた面白かった!
    親のエゴは意のない悪であり、けれでも結果として最悪を生むということを物語を通してひしひし感じた。
    タックとタカチの関係もまた素敵で読んでいてドキドキする。

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    2022年10月10日
  • 依存

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    ネタバレ

    タック&タカチシリーズ第五長編にして、シリーズ総決算。

    ・裏口のドアに挟まれている小石
    ・死んでいるはずの老婆の幽霊
    ・未亡人が飼っていた犬
    ・ケイコという名の少女が連続で誘拐され、無傷で  
     帰ってきた事件

    シリーズの醍醐味と言える奇妙な謎が、本書にはふんだんに盛り込まれている。一つ一つのディスカッションも楽しいが、とにかく凄いのは、謎が謎を補強し合っているところ。

    目的を見失い、精神安定のために行うストーカー行為や、信じたくないという思いからの記憶の改竄、神を捨てるために娘を捨てた父。
    アクロバティックなロジックの先に見えてくるのは、果てしない人間の業。
    そしてそれらは全て

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    2022年10月03日
  • 人格転移の殺人

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    SF小説であり本格ミステリでもあり、よくバランスが取れている作品だった。
    読んでいくうちにこっちまでジャクリーンを段々好きになっていく!
    退屈しないで終始楽しい。

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    2022年09月05日
  • 彼女が死んだ夜

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    ネタバレ

    宮下とハコちゃん、ルミが糞。
    それはさておき、酒を飲みながら仲間たちで推理し合うシーンは非常に楽しめるし、何回もどんでん返しされてずっとワクワクした。

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    2022年08月04日
  • 彼女が死んだ夜

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    ある女子大生が自宅で死体に出くわし、とある事情から友人たちに手伝ってもらって隠蔽することに。そして警察に代わって自分たちで解決を目論んでいくことにーー

    と、設定は正直言って単純だし少し地味。しかも、本書の大部分を占めるのがディスカッション。
    ああだこうだと言い合って、全ての謎に筋の通った説明をつける。その作業にかなりの頁数が割かれているのだ。そしてその中で、作者は“論理の飛躍”の醍醐味を見せてくる。地味な設定、本格の括りの中でここまで見える景色を変えてくる作品には滅多に出会えない。
    そうしたミステリ純度の高さにキャラクターの魅力も相まって、誰でも楽しめる本格--もはや語義矛盾のようにも感じら

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    2022年07月26日
  • 謎亭論処 匠千暁の事件簿

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    ネタバレ

    匠千晶シリーズ第六作。

    第五作を飛ばしてしまった。
    こちらは短編集。
    主に大学卒業後のタックたちのお話。
    最初に読んだ、「黒の貴婦人」を思わせる、
    テンポの良さと四人のかけあいの面白さが際立っていた。

    とくになんとか大学を卒業し、
    女子高の国語教師になったボアン先輩の話が面白かったかな。
    冒頭のテストの解答用紙や車を無すまれてしまう「盗まれる答案用紙の問題」とか。

    ボアン先輩がタカチにほほをはたかれていた「新・麦酒の家の問題」は、
    推理が二転三転していってちょっとついていけなかったが、
    ボアン先輩に同棲していた女性がいたと判明して面白かった。
    もちろん、タカチが叩いた理由はそれではない。

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    2022年07月24日
  • 帰ってきた腕貫探偵

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    腕貫探偵シリーズ⑥短編4話。今回は人間関係のドロドロが目立っていた。そして、うち3作の何十年も前の事件の解決という面白い構成は、まさに究極の安楽椅子探偵。さらに最終話の相談相手はなんと幽霊!幽霊相手に全く動じない腕貫さん、流石だ。【氷結のメロディ】バンドメンバーが次々と墜落死していく…【毒薬の輪廻】毒は誰がどんなタイミングで仕込んだのか…?【指輪もの騙り】氷見刑事とユリエちゃん達だけで解決しちゃった!腕貫さん出番なし【追憶】成仏させて欲しい…幽霊からの相談

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    2022年04月24日
  • 人格転移の殺人

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    現実には起こらない設定が前提となるが、そのなかで論理的に話を組み立てているため意外と違和感なく読み進められる。殺人の犯人は?地震の時の真相は?この人格転移装置の目的は?など様々な謎が徐々に解かれていき楽しい驚きを感じられる。ラストのハッピーエンドも気持ちいい。

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    2022年01月09日
  • 方舟は冬の国へ

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    ネタバレ

    某古本屋チェーンの100円カートから何気なく手に取った本。自分にとっては大正解でした。

    作者の西澤さんが、そもそもミステリー作家ということもまったく知らず読み始めたのですが、一気にのめり込みました。
    感覚を例えるなら、リアル脱出ゲームのような感じ。ゴールがわからないまま、ヒントだけ散らされて、それを一つずつ拾いながら、答えの見当がつかずに、それでいてワクワクしながら歩き続けるようなもの。

    この物語の魅力は擬似家族となった三人のあたたかい繋がりが、それとは対象的な世界レベルの計画にからみ合い、徐々にその両者の関係が明らかになっていくワクワク感だと感じました。
    また、西澤さんの表現も気に入りま

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    2021年10月15日
  • 人格転移の殺人

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    SFミステリ。少し複雑だが、図もついているので理解はしやすい。真面目に考えたのだがわからず、真相には驚かされたので大満足。盲点を突いてくる感じがたまらない。ラストもとても良かった。好みの作風なので、この作者は是非とも読み進めなければ。

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    2021年04月11日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    ミステリーを楽しみたい、という人にオススメかなと思います。
    どんでん返しと分かっていながらでも楽しめますよ。
    ただ有名な作者の作品が集まってるので、本格ミステリーが好きな人には既読の内容はいくつかあるかもしれません。
    個人的には法月綸太郎さんの作品がいい意味でも悪い意味でも印象的でした。

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    2021年01月12日
  • さよならは明日の約束

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    高校1年生の本大好きの日柳永美とB級映画大好きの柚木崎渓の変わり者ペアが、身の周りの謎を安楽椅子的に解いていくミステリー。ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」というちょっとした言葉から思いもかけない真相を明らかにするというミステリーのことが出てくるが、この連作短編集もそんな感じ。実際に調査して確認はしていないから、想像だけに終わっているのかもしれないが、登場人物たちはそれで納得してしまう。永美の祖母や喫茶店ブックステアリングの梶本さんたちもいい味を出しているが、エミール(永美)と渓の淡い関係も何だか微笑ましいというか、甘酸っぱいというか、いい感じだ。

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    2020年11月27日