【感想・ネタバレ】依存のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

読み終わってため息をつく程によかった。
内容は重いがウサコの語り口調なのでとても読みやすい。
短編ミステリのかき集めのようで全てが重なっていくのが気持ち良い。
ラストシーンはもう良すぎて語彙がなくなるし、いろんな要素が詰まった作品でとても良かった。

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2023年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タック&タカチシリーズ第五長編にして、シリーズ総決算。

・裏口のドアに挟まれている小石
・死んでいるはずの老婆の幽霊
・未亡人が飼っていた犬
・ケイコという名の少女が連続で誘拐され、無傷で  
 帰ってきた事件

シリーズの醍醐味と言える奇妙な謎が、本書にはふんだんに盛り込まれている。一つ一つのディスカッションも楽しいが、とにかく凄いのは、謎が謎を補強し合っているところ。

目的を見失い、精神安定のために行うストーカー行為や、信じたくないという思いからの記憶の改竄、神を捨てるために娘を捨てた父。
アクロバティックなロジックの先に見えてくるのは、果てしない人間の業。
そしてそれらは全て、最大の謎を解きタカチが勝利を収める、その前哨戦、伏線へと変貌する。

さらにあのラスト。ウサコの視点でしか描けない、あの美しい幕切れは忘れられない。
このシリーズを読んできて、本当に良かった。

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2022年10月03日

Posted by ブクログ

冒頭のタックの衝撃的過ぎる告白から一転、いつもの不可思議な謎をお酒を飲みながら推理するスタイルに。交互に場面を入れ替えながら通低するテーマがラストに向かって収束していく。ここまでシリーズを読み進めてきたからこそ感じられる感動や興奮がラストシーンに凝縮されている。散々言われているだろうが、ウサコ視点での語りというのがこれ以外はあり得ないと思わせるほどものの見事にハマっていた。

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2017年06月03日

Posted by ブクログ

タック・タカチシリーズ初読みが、この『依存』でした。
予習なしで読み、そこからシリーズを買い始めたから購買意欲を湧き出させる何かはあったと思うけど、シリーズの他のを読むと毛質は違うと思う。

語り手であるウサコというキャラクターがまず魅力的だった。
特質なといっていい仲間の中にいる彼女の平凡さ、それ故の苦悩、憧れ。
タカチとのやり取りでは、痛々しくも感じてしまうほどだった。

思い出補正があるのは否めないけど、一番好きな本です。

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2012年04月02日

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ミステリーとしても恋愛小説としてもとても面白い作品。シリーズものの一作ですが、全部読んでるファンとしては感慨深い作品。

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2010年12月09日

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これは謎ジャンルと言うべきか。
序盤の展開はチャラいというか、なんか今どきはあまりいない感じの人々というか言葉使いとか雰囲気とか、あだ名とかなんなん、とか、微妙だなぁと思っていたのに、いつの間にかすごい追い込みが待っているという。いや侮れん。
しかし何しろ途中に伏線というか、これは後でとか、今は明かされないけど、とか、そんなんばっか出てくるので、どの伏線が回収されたんかされなかったんかもよく分からん。でも最後は勢いで盛り上がってまぁ面白かったということで誤魔化そう。

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2021年12月04日

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ネタバレ

――


 ぜんぶひとごとなのは、じぶんがないからじゃない?



 『仔羊たちの聖夜』、『スコッチ・ゲーム』と合わせて3部作、として読むのがお勧め。
 積み重ねてきたもやもやとしたものを、ひとまず清算してくれる。スカッとする、というわけではないのだけれど、ただ、希望を手にするというか。
 シリーズはまだまだ続くから、中間決算、といったところかな?

 とはいえ内容はやっぱり重い。特にこれまでよいどれ仙人的だったタックのこんな姿を、と思うと辛いところ。でもこういうときが来るべくして来た、とも云える。


 なんだかんだ、このシリーズの幹になっているのはやっぱりボンちゃんなんだなぁ、と思いました。
 どんな立場にもなり得る、だからどうしょうもなくも見えるんだけれど、それすらも自覚していて。
 被害者にも、加害者にも、
 自分がどちらにでもなり得るから、そのどちらも受け入れられる。
 その分、どちらとも向き合わなければいけないし、
 どちらの気持ちも代弁できてしまうということは、どちらの立場からも責められかねないということで。

 そういうひとが居てくれるからこそ、周りは自分の立場や立ち位置、を決めていられる、のかもしれない。


 満足の☆4.4

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2021年03月10日

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シリーズものとは知らず、ミステリ賞入賞歴からピックアップしたもの。やっぱり西澤作品、安定した面白さを楽しめる。個人的に安楽椅子探偵ものがあまり好きじゃないってのもあって、解説者みたく本作が最高!とは思わなかったけど、求める水準は余裕でクリア、って感じ。

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2020年11月04日

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大学教授の再婚相手の新妻は、自分の兄を殺した母親だった!!タックの衝撃告白から始まる作品。
脇役のちょっとイラッとくるぶりっ子女…と評価していたウサコ視点で語られ、彼女の内面を垣間見るうちに評価も変わる。
タックの過去と現在の大長編に、解決の糸口に関わる小さな謎が短編として挟まれた、贅沢な作り。
と束縛と解放と、友情と青春と成長の前向きな話で、スッキリ。

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2019年08月14日

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安楽椅子探偵モノはあまり好みじゃないし、
仮説が多すぎて何が本当なのか途中よく分からなくなったw

でも登場人物のキャラが立っているので読みやすかった。
シリーズ的にはまた近いうちに読んでみたい。

解説を読むと姉妹作品で「スコッチ・ゲーム」という本があるらしい。
何やらそっちから読んだ方が良かったのでは…?
そういうことは先に言ってくれ。

ウサコ→ねちん、タカチ→あやちょ。
が個人的にはハマった。

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2019年02月05日

Posted by ブクログ

この物語には、「妄執」にとり憑かれた二人の人間が登場する。
ひとりは、ギリギリまだ引き返せる場所にいた。
ひとりは、きっと死闘を繰り広げてでも容易には引き下がらない筋金入りの「妄執」に囚われている。

最近起こったマンションでの不可解な出来事と、タックが語る異様な過去の出来事がカットバックのように語られていく。
ほんの小さな疑問の裏に、実は怖ろしい現実が隠されているマンションにまつわる出来事。
逃げても逃げても、手段を選ばず、誰を傷つけてもけっして諦めることなく追ってくる過去にまつわる出来事。
ともに、人間のあさましさと怖さが描かれている。

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2017年02月16日

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匠千暁シリーズ長編。
最高傑作という評判に違わない、大作。
シリーズの魅力である、論議による謎解きを今作では有効に使う。それぞれ謎としても雰囲気としてもバラエティのある話で積み重ね、大テーマを少しずつ確実に掘り下げる。
にじみ寄るように外堀を埋めていって、ど真ん中にある主要キャラの過去を暴露させる。このクライマックスが各編の間に少しずつ挟まれ決して多くないページでまとめられるあたりとか、解説者のいうとおり語り手がウサコである点とか、ホントに練って作られている。そうやって整えた舞台でのオペラのような愛憎劇には、なんともいえない興奮を覚える。
衝撃より精度が売りの構造美と、青春小説にして鮮烈なテーマへのアプローチ、個々と本題の謎解き・議論の辛辣さや哀しさ、愉しさ。更に、ターニングポイントはこうして位置させるべきというお手本のようなシリーズ運び…
そんな完成度の高さと深みのある魅力に加え、なんだろうか、思い入れのある読者の期待にしっかり応えてくれる感じ。これはすごい。
4+

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2016年08月15日

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タック・タカチシリーズ五作目。
絶対に過去四作を読んでから読むべき。
もはやミステリーではない。
青春、成長、家族、恋愛、犯罪、病気、依存。
色々なテーマが入り乱れる。
この後のことが気になって仕方ないです。

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2014年08月02日

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最後まで暗く澱んだ空気が流れている作品だった。
西澤作品の「タックシリーズ」なんだけど、タックの出生からの秘密が書かれています。
西澤作品にしては珍しいというか、変わったなぁ~という感じが。
まず語り手はウサコによる一人称。そして素朴な事件や疑問がでてきて、まるで短編のよう。
この関連性のない短編1つ1つが終幕へと盛り上げていくんですね~。
この書き方はすごく上手!
それに、最初に読者を引きつける問題定義をして、最後までその答えをひっぱるものの、読むことを止めさせない。
だけど、一貫してのこの暗さ。タカチの名ゼリフでラストは小気味いいはずなのに・・・。
あ~、これからタックやタカチがどうなっていくのか、読みたい読みたい、知りたい~!

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2014年04月08日

Posted by ブクログ

タック&タカチシリーズ。タックの過去が明らかになる事件。そして、タックとタカチがようやくお互いを好きと認める。長編で読むのに時間がかかったが、次のシリーズがより早く読みたくなった٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

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2014年03月07日

Posted by ブクログ

長かった~

ん?と思いながらも、先が気になって、ボリュームのわりに読みやすかった。

タックの過去があかされるとともに、タカチとの関係もまた一歩進んだ感じで、次の展開に期待を持たせてくれます。

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2013年01月29日

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 大好きなシリーズなのに、なぜかしばらくの間遠ざかっていた。長編としては2作目くらいが頂点で、あとは少しミステリとしての面白さに欠けるようになってしまったからかなあ。基本的には短編向きのシリーズだと思うので。

 短編向きというのは、要するに酒を飲みながら大学生があーでもない、こーでもないと想像をたくましくしながら議論をする、というのがこのシリーズのお約束だからである。短編なら「ああ、こういう解釈もあったか」と膝を打つような切れ味が感じられても、長編になるとどうも「無理やりっぽさ」が醸し出されてしまう。そのあたりを、登場人物の魅力や、その人間関係への興味で補っているように思う。

 この長編もご多分に漏れず。大きな枠があって、そこに全体を貫く謎があるんだけど、この謎はどちらかといえばミステリ的な謎と言うよりも、普通小説に寄りのものである。そしてその中に単発でいくつもの小さなミステリが提示され議論され一応まとまる。その一連の流れから感じられる人間の悲しさみたいなものが、タイトルと大きな枠の内容に響きあう。いい趣向だと思うけど、途中でちょっとあきてしまうような気持ちになった。

 シリーズキャラクターに焦点を当てて読むと、今までのどの作品よりもドラマチックと言ってもいいと思う。馴染みだったはずの人物の新たな側面が次々と見えてくるし、人間関係の重大な変化が生まれてくる。特に、結末部分の緊張感は、シリーズとして白眉だと思う。息を詰めながら読み、最後にほっとため息をつくようにして本を置いた。

 ただ、そのすごさは、残念ながらこの本一冊を読んでも感じられないと思う。長編をすべて時間順に読んで、短編では最低「黒の貴婦人」だけは読んでおかないと、内容的にも精神的にもついていけないように思う。単純にミステリとして読めば、もうひとつ物足りなさが残る作品だと思うので、遠回りなようでも第1作から読み続け、4人組のファンになってからこの「依存」を手にとってほしい。なかなかのものだから。

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2012年08月30日

Posted by ブクログ

『身代わり』を読んで、読みたくなって再読。タックの状況の重さに、後はほとんど記憶からとんでいたようだ。
諸々の“なぜ”の回答が苦い。ウサコの一面もまた。
このシリーズ、もっと読みたい。

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2017年10月12日

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歪んだ愛情と自己欺瞞の世界が書かれた1冊。
今まで気づいてなかった自分の気持ちに気づいたり色々。
後は、今まで語られる事のなかった登場人物たちの過去もチラホラ。
今までのシリーズの中で1番読みごたえがあったかな。(って言っても、実は全シリーズ読破出来てない…(^_^;))

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2011年07月24日

Posted by ブクログ

前はタカチの父子関係を書いたが、今回はタックの母子関係。

枝葉のような事件がタックの母子関係にまでつながるのはちょっと驚いた。誘拐の件あたりはかなり無理があるような気もしたが、まぁ些細なことだろう。

これまでのシリーズで散りばめられた人間関係が収束した気がする。

男とか女、ジェンダーやフェミニズムみたいなのは、私的には苦手だ。話の題材としては展開しやすいと思うけどね。

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2010年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タック&タカチシリーズ。
約20年ぶりの再読。昔読んだときもやたら重いと思った記憶があるが、やはり重い。前作のスコッチゲームから引き続く「親からの支配」のようなものが物語の根底に流れている。正直、私の親にそれほど不満はなく、なかなか共感はできないのだが、おじさんになりすぎて忘れてしまった気持ちもあるのかもしれない。ただ哲学的に考えすぎる若者ならではの思いをベースにしているかもしれない。
しかし、長い。ストーカー事件や幽霊事件など、本筋と関係なさすぎる事件の謎解きが長すぎる。全てタックが抱える問題に繋がるものではあるのだか、ちょっと作者が書きたいことを詰め込み過ぎかなあ。
これらの事件を語るためにルルちゃん、カノちゃん、ケイコちゃんと三人も新キャラを出すのでやはり長くなる。
ウサコ視点で書かれており、4人の中では普通人の視点で読みやすい。
タックとタカチの1つの結末なのでファンは必読。

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2023年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今までの中で一番重たい話だけど、ウサコの語り口調とキャラクターが中和してくれる。現在の話と、ここに至るまでの話が交差しつつ、その間にもいくつかの小さなミステリーがあって、最後に全てが現在に集約される。
最後のシーンは印象に残る。

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2022年10月07日

Posted by ブクログ

シリーズ6作目。
ウサコの一人称。
タックの過去とウサコとの出会いが語られる。
人間はやられたことを他の人、特に弱者にやり返す。
自分がやられて嫌なはずなのに。
そうしないと自分が保てないのでしょうか。
虐待やいじめがなくならないのはなぜか。
誰かのためも本質は自分のため。
重たい作品でした。

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2021年05月19日

Posted by ブクログ

タック&タカチシリーズ・第6弾。

タックの出生の秘密(?)が明かされる。
ちょっと、トンデモ設定な気もした。
後付け感があるというか…。

とにかく読むのに時間がかかった。

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2016年10月20日

Posted by ブクログ

タックシリーズの第5編。長編。タックとタカチの関係が決定的に変わった事件。ウサコの一人称で語られる。いろいろな謎が回り回って論理が議論を呼び、酩酊しそうな感じがとても好き。酩酊シリーズ(タックシリーズ)は西澤作品のシリーズの中では一番好きだ。

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2013年04月13日

Posted by ブクログ

細かい謎を解決しつつ、主人公の過去に迫っていくお話。しかし、過去ってそんなに都合よく改変されるものなのか・・・

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2013年03月31日

Posted by ブクログ

ここまで重くしなくてもいいだろうというくらい重かった。
タカチの過去もあれなのにタックまでこれかい。重たいカップルだなぁ。
というかタカチは本当にタックのことが好きなんだろうかと個人的には若干疑問です。好意を持っていることはまぁ分かるんだけども、それが恋愛かっつーと微妙なところ。
「借り」を返す為ならそれくらいのことは言いそうなお方なので、どうなのかしらんと思わんでもない。

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2012年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タック&タカチシリーズ。白井教授の自宅に招かれた一同は、教授が再婚した美しい奥さんに出会う。しかしその奥さんを見てタックは「あの人は自分の実母で、兄を殺した人だ」と衝撃の告白をするところから物語は始まる。

今回の語り手はウサコ。今までスポットが当てられなかったウサコの人格に強く焦点が当てられる。また、タックの過去も話されたり、ボアン先輩が大活躍したり、キャラクターの良し悪しが多く語られるところが面白い。

ストーリーはタックの過去、友人のストーカー被害や昔の誘拐事件など、推理物語的には地味なものを皆で議論する場面がほとんど。面白くない人もいれば逆もいるだろう。個人的にはまぁまぁというところ。

タック&タカチシリーズを読み進めるには絶対に読まなければいけない作品である。

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2011年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大学の飲み仲間たち男子学生2人女子学生3人が教授の家に呼ばれる。教授の奥さんは、一人の男子学生の元母だった。しかも、双子の兄を自殺に追い込んだと言い出す。
その男子学生の過去とトラウマが明らかになり、双子の兄とは自分を罰するために作り出した幻影だと分かる。
サイドストーリーで学生それぞれが持つ悩み(ストーカー)等を酒を飲みながら、推理して解決していく。
学生たちの関係が面白くて、事件解決をしていく過程も面白い。
中心線が予想できて残念。

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2011年09月12日

Posted by ブクログ

自己欺瞞:自分で自分の心をあざむくこと。自分の良心や本心に反しているのを知りながら、それを自分に対して無理に正当化すること。
無駄な議論ってわけじゃないんだけど、シリーズ最初のころってこんな議論ばっかりだったかなぁ。前半はちょっと流しながら読んでしまった。ただ、後半になるにつれてどんどん引き込まれてく盛り上がりかたはさすが。

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2011年06月21日

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