西澤保彦のレビュー一覧

  • 腕貫探偵、残業中

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    前作同様の連作ミステリー。
    人をバカにした発言の多い探偵という印象でしたが、今作はプライベートだからなのか少しやわらかめ?
    前より不快な印象はなく、むしろちょっとおもしろい。
    彼に惹かれる物好き美人のおかげかな。
    相変わらず推理力はすごい。
    予想外の結末か多く楽しめました。

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    2020年03月12日
  • モラトリアム・シアター produced by 腕貫探偵

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    プロデュース…最後まで読むと意味がひしひしと。前作までで活躍の女傑ユリエさんの兄が主役。女系一族だけに、頼りない男性として描かれているけど…最後までうん。パパを除いてハッピーでめでたしめでたし。

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    2020年03月11日
  • 新装版 瞬間移動死体

    nk

    購入済み

    超能力と本格推理は相容れるのか

    西澤保彦さんと言えば「7回死んだ男」が有名ですが、本作品も同作と同じように超能力+ユーモア+本格推理小説という仕立てとなっております。
    で、どういった超能力かと言いますと、まあタイトルで一目瞭然かも知れませんが、実は主人公は瞬間移動が出来る訳でありまして、ただそんなことが出来るのであれば、アリバイなんか作り放題で何が起ころうがこいつが犯人に決まってるではないかと思われるかも知れませんが、そこはこの作者の書く小説ですので色々と捻りが効いてます。
    具体的には酒を飲んで酩酊状態でないと移動出来ないとか、移動先には裸で現れるとか、下手に移動したら2度と帰って来れない状況もありうる訳で、実に有難迷惑

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    2020年02月17日
  • 腕貫探偵、残業中

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    キャラがどれもたっていていい。腕貫さんが決まった無機的だった前作と違って、美食家で美女に好かれるという人間造形もされていい。なんといっても、なんで、どうして?という謎の問題提起がめちゃめちゃいい。

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    2020年01月28日
  • 腕貫探偵

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    どんなに眼と鼻の先に置かれていても、
    心身ともに健やかな者の視界には
    絶対に入ってこないというものがこの世にはある。

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    2019年12月04日
  • 夢の迷い路

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    読書中毒高校生エミールと彼女に恋するB級映画マニアユッキーが過去の事件の謎をほぼ回想語りだけから解き明かすシリーズ二作目。今回は表題作以外は殺人事件。会話だけで推論が組み上がっていき一つの結論に導かれる形式は本領発揮といった感じ。ラストの毒の効き方含め「埋没のシナリオ」「アリバイのワイン」が上手い。それだけじゃなくてユッキー一家の正月風景とか表題作のエミールの祖母の悲しくも美しい思い出話とか二人の背景がさらに鮮やかになってシリーズ物としても進んでいるのが良い。単独でも大丈夫だけど前作読み返せば楽しさ二倍。あと舞台のブックカフェ、行きた過ぎる!

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    2019年11月17日
  • 解体諸因

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    解体ものをこれでもかとばかりに詰め込んだ作品。一つずつの話はそれほど長くないのであっさりと読める。しかしわりとバラバラにした動機がどれも「ええー!?」と素っ頓狂な声をあげたくなるものが多いんだけど、そのありかなしかの境界をギリギリに攻めてくるこの奇妙な感じはちょっとクセになりそう。

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    2019年10月28日
  • スコッチ・ゲーム

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    21年ぶりの再読。
    というか、この作品を中学2年生に読んではいけないですね。
    めちゃくちゃ地味で気持ち悪くそしてヒリヒリする作品。
    それが初読の時に感じた印象でした。
    しかし、そんな印象は吹き飛ぶ。
    地味な作品ではないし、そのヒリヒリ感は作品の面白さになっている。だからいい作品。

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    2019年10月23日
  • 悪魔を憐れむ

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    久しぶりのタック&タカチ、なつかし〜
    おぉ、まさかこんな事になってるとは。
    今回は短編集。
    それぞれの時が流れたって感じの近況でした。

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    2019年10月21日
  • からくりがたり

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    うーらーめーしーやー

    淺生倫美の兄、唯人が近くのお寺で首を吊って自殺した。
    倫美は唯人の遺品の中に日記を見つける。その内容は唯人と倫美の友人や教師、喫茶店の店員との酸鼻な関係を細かく記したもの。おかしい、兄はそんなにモテる人間ではない。日記の内容が事実かどうか確認するがやはり全て嘘だった。しかしその日記のに出てくる人物が次々と殺されていく。しかし兄は自殺したのにその日記は死んでからも続きが書かれていた。殺された友人2人の犯人は分かるしかし残りの犯人がわからない。兄は生きているのか。殺される前に必ず目の前に出現する「計測機」とは誰なのか。

    うーーーーん。これは難しい。
    兄の怨念で人を殺せるの

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    2019年09月21日
  • 依存

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    大学教授の再婚相手の新妻は、自分の兄を殺した母親だった!!タックの衝撃告白から始まる作品。
    脇役のちょっとイラッとくるぶりっ子女…と評価していたウサコ視点で語られ、彼女の内面を垣間見るうちに評価も変わる。
    タックの過去と現在の大長編に、解決の糸口に関わる小さな謎が短編として挟まれた、贅沢な作り。
    愛と束縛と解放と、友情と青春と成長の前向きな話で、スッキリ。

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    2019年08月14日
  • 仔羊たちの聖夜

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    ネタバレ

    クリスマスイブに起こる、遺書のない飛び降り自殺。今回はタカチが探偵役。
    20年近く前に発表された作品だけど、蓋を開ければ時代先取り、毒親満載物語。共働き両親に変わり孫を溺愛し、多大な期待をかけて育てる祖母。その考察に震えが走る。
    危なかったな…。

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    2019年07月04日
  • 夢の迷い路

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    西澤保彦氏なのにこのラノベ風の装丁。でもその実は本格ミステリー。パズラーともいうのか面白さは期待を裏切らない。

    頭を捻って整理して臨まないと、こんがらがったままで理解が難しい場面も。マニアックな映画好きの冴えない男子高校生のユッキーこと柚木崎渓と、本好きのクールな美少女エミールこと日柳永美のコンビが、あらゆる場面からの難問を解き明かしていく。重めの難題はあるものの、読んでる最中も読後もスッキリ爽快感がある。

    学園物だし装丁のイメージの影響か?映画や本、どれも実在しているのでそこにも興味が沸く。

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    2019年06月08日
  • 腕貫探偵

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    ネタバレ

    腕貫を嵌めた謎の公務員が探偵役となり、お悩み相談を解決する連作ミステリ。特異なキャラクターが探偵役となって解決するという当初抱いたイメージとは違い、腕貫探偵という記号は強烈ではあるものの、キャラクター性には非常に乏しい。その人間性の無さや記号的な探偵を行き詰めた結果、逆に特異な存在となっているのは面白く、腕貫探偵の登場シーンは異世界に迷い込んだような趣がある。解決に乗り出すというアクティブさもなく、常時受け身の安楽椅子探偵ではあるのだが、本作はそれをさらに行き詰めた、謂わば「装置」としての探偵である。完全に答えを出すわけではなく、あえて謎に対する解法、道筋をつけるだけで、推理や真相にたどり着く

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    2019年05月29日
  • 夢の迷い路

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    『さよならは明日の約束』続編
    ということに読み始めてから気付きました
    今回も面白かった・・・エミールが賢すぎてすごい。

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    2019年05月10日
  • 解体諸因

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    ネタバレ

    解体と名がつくだけに、解体殺人オンパレード。あちらの登場人物がこちらに…と思っていたら、終章でまさかの大風呂敷とじ!
    一話一話の論理展開もありえないながらもなるほど納得。面白いけど、登場人物の名前だけ見てると、はてこの人はどこで出てきた誰ぞやらという感じで、確認しいしい読書になるので、スピーディには読めない。

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    2019年04月27日
  • 人格転移の殺人

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    人格が変わってしまうというSF設定に、変わった人格の者同士が殺人を犯すミステリー設定。こんなはちゃめちゃでどうなるんだと思いきや、ちゃんとフーダニットとホワイダニット作品に仕上がってるのがすごい!

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    2019年03月25日
  • さよならは明日の約束

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    ミステリ好きの男女高校生。
    ひょんな事がキッカケで仲良くなるのだけど、推理力はエミールが優ってる感じ。
    短編集なのだけど、微妙な繋がりがあっていい感じ。
    続編も期待したい。

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    2019年03月09日
  • 収穫祭(上)

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    1982年夏。嵐で橋が流れ孤立した首尾木村で大量殺人が発生。被害者十四名のうち十一人が喉を鎌で掻き切られていた。生き残りはブキ、カンチ、マユちゃんの中学生三人と教諭一人。多くの謎を残しつつも警察は犯行後に逃走し事故死した外国人を犯人と断定。九年後、ある記者が事件を再取材するや、またも猟奇殺人が起こる。凶器は、鎌だった。
    上巻では推理小説なのかと読んでいたところ、エログロかホラーかとジャンルがことごとく変わり、何なんだこれはと衝撃を受ける。そして中だるみかという時に事件が発生する。うまいと感じる。現時点ではタイトルの意味がおぼろげながらしかわからない。また、合っているのかどうかも不明だ。

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    2019年03月04日
  • 収穫祭(下)

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    やっとタイトルの意味が分かりました。
    自分の考えていたこととは全く違う結末になりました。
    良い意味で裏切られたことになり、満足しております。
    後半でブキのつぶやいた一言に驚きを感じ、最終場面でのタイトルの意味を理解すると女性は恐ろしいなあとさらに感じます。収穫祭とはこのことであったか。

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    2019年03月04日