【感想・ネタバレ】悪魔を憐れむのレビュー

あらすじ

けっして手を下さず、
だが、死に至らしめ、
捕まることも、ない。

ウサコは電撃結婚、タカチは安槻へ一時帰還、ボアンは女子高の国語教師に!?

読み応えたっぷり!
ミステリの魔術師・西澤保彦の匠千暁シリーズ最新作!

「先生がその時間に校舎の五階から跳び降り自殺するから見張っていてほしい」。大学OBの居酒屋店主からそう頼まれた匠千暁は、現場で待機していたにもかかわらず、小岩井先生をみすみす死なせてしまう。老教師の自殺の謎を匠千暁が追い、真犯人から「悪魔の口上」を引き出す表題作。平塚刑事の実家の母屋で二十三年間にわたって起こる午前三時に置き時計が飛んできてソファで寝ている人を襲う心霊現象【ルビ:ポルターガイスト】の謎と隠された哀しい真実を解く「無間呪縛」。男女三人が殺害された殺人現場で被害者二人の首と手首だけが持ち去られゴミ集積所に打ち捨てられていた事件、犯人の奇妙な動機を推理する「意匠の切断」。ホテルの九階に宿泊する元教職者がなぜかエレベータを七階と十二階で降りた……殺人事件の奇想天外なアリバイ工作を見破る「死は天秤にかけられて」。四つの珠玉ミステリ短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

匠千晶シリーズ第七作。

タカチたちが安槻大学を卒業した後のお話。

ウサコと旦那さんが出会ったお話が会って良かった。
どこかで事件がらみで出会ったと書いてあったので。
といってもロマンティックな要素はない。
この「無間呪縛」が一番面白かったかな。

遺体が切断されるバラバラ事件は「解体諸因」でもあったが、
その衝撃的な内容にもかかわらず、
まるでゲームのように推理している様は、
相変わらずシュール。

タックとタカチが遠距離恋愛になりながら、
続いているのは良かった。

とりあえず、これがシリーズの最新刊だが、
ぜひ続篇が出てほしい。
あとがきにもあったように、
誰かボアン先輩にウサコが結婚したことを教えてあげてほしい。

0
2022年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

――


 酩酊探偵シリーズもここまできました。
 なんだか人生見てる感じがしてきて感慨深いですよ僕は…

 それぞれの形、というのを持っていると、シリーズでも何でも飽きずにしっかり読めるものです。
 同じような、って飽きる場合もあるんだろうけど。
 中心にテーマを置いて、その周辺をぐるぐると、回っているのがひとってもので。
 それを書き切るってことはきっとないんだろうな。

 特筆すべきはやはり表題作の「悪魔を憐れむ」。
 これまで一貫しているメインテーマが、そのまま殺人者となったかのような犯人像にぞっとする。
 或いは探偵と殺人者との差は、それを暴く側と行う側、というだけの差でしかないという議論にも似た、怖さ。
 ひとりではないということが温かいと思うのは、こういうとき。

 ☆3.6くらいでどうでしょう。

0
2021年04月01日

Posted by ブクログ

久しぶりのタック&タカチ、なつかし〜
おぉ、まさかこんな事になってるとは。
今回は短編集。
それぞれの時が流れたって感じの近況でした。

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2019年10月21日

Posted by ブクログ

久しぶりの新刊。
シリーズの中でも時系列は前後してきたが、
読者にとって「時間が流れたなぁ」と感じる新刊。

短編集だが、どれも小粒な印象。表題作を除いては。
「まぁそういう風にも考えれるよね」的な、
理屈をこねくり回して1つの仮説に辿り着くのはいつもの手法。
表題作を除いては。

その表題作。
はそこまで単純ではないにせよ、
人のもろい部分を刺激する悪意は何とも気持ち悪いものである。
不快感の伴うお話だが、着地点が読めず最後まで楽しめた。
本書の中では一番面白かった。
表題作なら☆4。

0
2020年05月13日

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