西澤保彦のレビュー一覧

  • 彼女はもういない

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     ビブリオバトル首都決戦本戦での杉目さんの紹介聴いて、ぜひ読みたいと思っていた一冊です。
     人間の精神が論理的正当性を喪ってゆく様が興味深く描かれていました。何ら害をもたらすはずも無い出来事でも、ある種の、幼い頃から疎外感を溜め込んできてしまったような人間にとっては、それが狂気の引き金なる。数々の戦慄行為の描写もさる事ながら、認識が歪んで狂気に至る過程がとても恐ろしかったです。
     結末は見事にドラマ性の高い展開で、やりきれない哀しみが大きいのに不思議と読後の充実感がもたらされました。読むという安全圏の中では出来るだけ鮮やかに騙されたい、そんな読むことへの欲望がみたされているのだと思います。

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    2012年03月27日
  • 複製症候群

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    ネタバレ

    よく「自分がもう一人いたら」なんて言葉がありますが、
    さて実際にその通りになったらどうなるか。
    自分が本物だといつてもそれを証明すべなんてない
    これはミステリーではありますが、
    ある意味恐怖でもあります。

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    2012年02月19日
  • 殺す

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    今の西澤保彦の根底がある作品ですね。
    古い作品ですが、西澤保彦らしい痛い物語や狂気、そして展開がありよかった。

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    2012年02月07日
  • 彼女はもういない

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    R-18指定のPOPに興味をそそられジャケ買いした作品。

    作者の緻密なトリックにまんまと嵌った。

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    2012年01月28日
  • 夢幻巡礼 神麻嗣子の超能力事件簿

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    ネタバレ

    チョーモンインシリーズ第四弾。ある犯罪者の人生を綴った番外編。神麻さん、保科匡緒の出番はほとんどなく、能解警部の出番も少しあるだけだ。

    この物語でチョーモンインシリーズのラスボスともいえる存在が明かされる。警察官でありながら、殺人鬼でもある人物、奈蔵渉。彼が殺人鬼になるまでの人生の歩みと、それにまつわる殺人事件の謎が主なストーリーだ。

    西澤作品のすごいのは、抑揚のない人の人生や堕落していくだけの物語を面白く描けること。それは人物の思考描写がうまく、心理学者なのかと思わせるほど、登場人物の自己分析が深く、そして面白い。

    また、この物語の面白さはシリーズの終結点を見せたことにある。ラスボスを

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    2012年01月27日
  • 解体諸因

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    解体モノ?バラバラ殺人?死体損壊?どの呼び名で呼ぶのが普通なのか分からなかったのでいくつも書きましたが、よくもまぁ同じテーマでこんなにも書き分けられるなぁと思った。一部、流石にその理由はなくね・・・と思ったモノもあったけど、本人があとがきで言及してるので私が言うのもバツが悪い。

    一般的に、死体損壊って聞いたら、猟奇的な理由とか激しい憎悪って考えるのが普通だろうけど、そこに死体損壊に値する合理的な理由を求めるのがミステリ好きだと思う。

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    2012年01月21日
  • 彼女はもういない

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    最後の最後で判明する題名の意味。作者が彼女がいないと言うフレーズに込めた真の意図は残酷以外に言葉が思い付かない。それまで冷酷な殺人の数々を読まされ、気分の悪くなったところへ更に追い討ちを掛けるかのようなエンディング。しかしそれまでの巧みな伏線とフェアな情報提供が後味の悪さを上回る驚愕を読み手に与えている。残酷なシーンと無差別殺人が苦手なのともう少し追われる者の恐怖が書き込んで欲しかったと言う勝手な希望で評価は一つ下げた。サイコミステリーの先駆け的なあの映画のオマージュなのは間違いないが、ああいうテイスト好きな人は間違いなく満点だろう。

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    2012年01月17日
  • 謎亭論処 匠千暁の事件簿

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    ネタバレ

    タック&タカチシリーズ7作目。『黒の貴婦人』と同じく時系列のバラバラな短編集。

    この本でこのシリーズをもっともっと続けてほしいと強く思った。『依存』以降の短編形式は非常に面白い!このまま短編を続けた後に長編を2本くらい書いて締めてくれたら最高のシリーズとして完結すると思う。『依存』にてラスボス的存在も明かされたのであながちあり得ない展開ではないでしょう。

    本作で一番の衝撃はウサコがあの人と結婚していたことです。

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    2012年01月17日
  • 解体諸因

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    バラバラ殺人ばかりを集めた短編集。

    短編集なので内容を忘れないうちに
    サクサク読むコトをお薦めします!!

    まさかまさかの終わり方です(´ω`)

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    2012年01月14日
  • 彼女はもういない

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    西澤保彦らしい黒い傑作。
    ミステリーとしていろいろ物語の中に伏線をいれながら、展開させる。
    犯人の目的は終盤で、読めたのですが、それ以上にラストは驚愕。
    題名の意味を考えさせられる、作品です。

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    2012年01月11日
  • スナッチ

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    西澤作品らしい、かなり特殊なSF的状況設定+ロジックを意識したミステリ的要素。私は好きです。
    主人公は30年の時空を超えてしまうわけなのですが、この意識しない30年というか、15-20年くらいの社会やテクノロジの変化を上手くエピソードに取り入れていて、この変化を見てきた私にはそういうディテールもナカナカいいエッセンスになっていると思います。
    最後はうまく纏まってるし、ストレス無く読めてよかったです。

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    2011年12月23日
  • 殺す

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    ネタバレ

    ジェットコースタのように話が流れるミステリィ。久しぶりにミステリィを読んだので、それなりに面白かった。

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    2011年12月07日
  • 完全無欠の名探偵

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    この複雑な構成にして2作目なんですか。暗さはありますが設定といい構成といいおもしろい。みはるのキャラもいいですね。

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    2011年12月01日
  • 殺す

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    読んでいて退屈しなかったし、きちんとミステリ的な真相も決まっていた。
    完全な悪者として描かれている登場人物が、実際の社会にはうようよ見られる思考の持ち主で、それについての理解が深まった。

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    2011年11月13日
  • 黒の貴婦人

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    ネタバレ

    過去の作品の隙間を埋めるような感じ。短編集なのでだらだら長くもなく、話もおもしろいと思った。ただ、今度はなにがあってタックとタカチが付き合うようになったのかがわからない。これは続編も読まないと・・・。

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    2011年11月05日
  • 殺意の集う夜

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    ネタバレ

    台風の中、山荘に泊まる羽目になってしまった万理と園子。同じく台風を凌ぐため山荘に集った怪しい6人の面々。その夜、あることから万理は襲われ、不可抗力で6人を次々殺してしまう。そして気付けば園子も何者かに殺されていた。園子は誰に殺されたのか。万理は自身の殺人の罪を着せるため、園子殺しの犯人を捜し始める。

    単純な面白さなら星4つのレベルではない。が、一語一句すべてが伏線であり、全く無駄な描写を消したミステリーへのこだわりっぷりに感動した!詰め込みすぎてごちゃごちゃ感はあるが、このやり方がバシッと決まった時、究極に面白い作品ができる気がする。

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    2011年10月27日
  • 収穫祭(上)

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    前半は「ブキ」の目線で語られる。

    田舎に暮らし、都会(?)に焦がれながらもフツウに、
    母親に不満を持ったり女性に憧れたりという生活をおくるブキを、
    襲う悪夢のような連続殺人。

    廃校でようやく生存者に会えたと思ったのもつかの間、
    それは完全に狂った男だった。
    怒濤のような暴力とリンチと死に、理性は崩壊する。

    そして9年後。
    再び開幕した物語の、主人公は唐突に、ブキの友人の彼女であり、
    悪夢からともに生還したマユちゃんこと、繭子の目線に転換する。

    フラッシュバックのように巡る悪夢。
    過去を知りたいと望む黒幕と、雇われたライターと、殺し屋(?)
    いったいナニが?

    後半の数ページはもう、それ

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    2011年10月14日
  • 解体諸因

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    解体殺人だけでよくまとめられたものだ。いわゆるトリックのみの本格推理。「解体迅速」と「スライド殺人」の2編のトリックは秀逸。

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    2011年09月23日
  • スナッチ

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    微妙にSFなミステリー。
    西澤さんっぽい作品かな。
    なんとなくスッキリしない感じはするけど、じわじわ面白い。

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    2011年09月20日
  • 依存

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    『身代わり』を読んで、読みたくなって再読。タックの状況の重さに、後はほとんど記憶からとんでいたようだ。
    諸々の“なぜ”の回答が苦い。ウサコの一面もまた。
    このシリーズ、もっと読みたい。

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    2017年10月12日