西澤保彦のレビュー一覧
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大好きなシリーズなのに、なぜかしばらくの間遠ざかっていた。長編としては2作目くらいが頂点で、あとは少しミステリとしての面白さに欠けるようになってしまったからかなあ。基本的には短編向きのシリーズだと思うので。
短編向きというのは、要するに酒を飲みながら大学生があーでもない、こーでもないと想像をたくましくしながら議論をする、というのがこのシリーズのお約束だからである。短編なら「ああ、こういう解釈もあったか」と膝を打つような切れ味が感じられても、長編になるとどうも「無理やりっぽさ」が醸し出されてしまう。そのあたりを、登場人物の魅力や、その人間関係への興味で補っているように思う。
この長編も -
Posted by ブクログ
うっわーもう、なにこの疾走感。
ジェットコースタームービーもかくや、という大胆な連続スプラッタ!
あ、でも、この作品の真骨頂はここにはない。
スプラッタは数ページでさくっと終わるのでご安心を。
(あ、だからといってソフトな作品でもないのでご注意を)
そうして、私のようなひねくれ者にはたいへん嬉しい、
これでもかの伏線攻撃と、
目の前に並べられた伏線は伏線でもないくらいのダイナミックなオチが最後にどん!
と、控えておりますよ。
スプラッタよし、凝った構成よし、オチよし、と、
3点完璧に決まった、子供には決して勧めてはイケナイ良書でございます。ちゃんちゃん。 -
Posted by ブクログ
ビブリオバトル首都決戦本戦での杉目さんの紹介聴いて、ぜひ読みたいと思っていた一冊です。
人間の精神が論理的正当性を喪ってゆく様が興味深く描かれていました。何ら害をもたらすはずも無い出来事でも、ある種の、幼い頃から疎外感を溜め込んできてしまったような人間にとっては、それが狂気の引き金なる。数々の戦慄行為の描写もさる事ながら、認識が歪んで狂気に至る過程がとても恐ろしかったです。
結末は見事にドラマ性の高い展開で、やりきれない哀しみが大きいのに不思議と読後の充実感がもたらされました。読むという安全圏の中では出来るだけ鮮やかに騙されたい、そんな読むことへの欲望がみたされているのだと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレチョーモンインシリーズ第四弾。ある犯罪者の人生を綴った番外編。神麻さん、保科匡緒の出番はほとんどなく、能解警部の出番も少しあるだけだ。
この物語でチョーモンインシリーズのラスボスともいえる存在が明かされる。警察官でありながら、殺人鬼でもある人物、奈蔵渉。彼が殺人鬼になるまでの人生の歩みと、それにまつわる殺人事件の謎が主なストーリーだ。
西澤作品のすごいのは、抑揚のない人の人生や堕落していくだけの物語を面白く描けること。それは人物の思考描写がうまく、心理学者なのかと思わせるほど、登場人物の自己分析が深く、そして面白い。
また、この物語の面白さはシリーズの終結点を見せたことにある。ラスボスを