西澤保彦のレビュー一覧
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昔はビールといえばヱビスじゃなきゃ、とか生意気云ってる20代だったけれどすっかり黒ラベル派です。そうするとぎっしり詰まった冷蔵庫開けても黄金色の光、とはならないのか……黒バックのゴールドスターがずらりと並んでるのも壮観だとは思うけど、でもロング缶詰め込むならきっと寝かすよね。そうするとヱビスだとしてもそんなに黄金色になるのか?
試してみようかなえへへ←
はい、少し遡ってレヴュです。
所謂『nine mile walk』をこれでもか、と長編にしたような作品。とはいえ現地で49本もヱビス呑んでるんだから全然安楽椅子探偵してないけど。
そのあたり酩酊探偵シリーズの、ある意味御挨拶 -
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ネタバレ――
酩酊探偵シリーズもここまできました。
なんだか人生見てる感じがしてきて感慨深いですよ僕は…
それぞれの形、というのを持っていると、シリーズでも何でも飽きずにしっかり読めるものです。
同じような、って飽きる場合もあるんだろうけど。
中心にテーマを置いて、その周辺をぐるぐると、回っているのがひとってもので。
それを書き切るってことはきっとないんだろうな。
特筆すべきはやはり表題作の「悪魔を憐れむ」。
これまで一貫しているメインテーマが、そのまま殺人者となったかのような犯人像にぞっとする。
或いは探偵と殺人者との差は、それを暴く側と行う側、というだけの差でしかないとい -
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ネタバレ女子大生のハコちゃんが飲み会から帰ってくると、家に見知らぬ女性の死体があるのを発見。異常なほど厳格な両親にバレたくないというその一心で、飲み友達を巻き込み、何とか隠蔽しようとするのだが…。
主に探偵役を務めるのは、巻き込まれた飲み友達の一人であるタックこと匠千暁で、所謂素人探偵もの。まさにこの「探偵が素人」という設定を活かしたトリックで、最後のどんでん返しには唸らされた。
推理に関して、こじつけ臭いだとか、妄想がたまたま当たっただけ感があるだとかいう感想を抱く方も居られるだろうし、確かにそれは否定できない。というか、まったくもってその通りだ。だが、僕としては、突拍子もないというのは悪い -
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上司になったことはなくても、誰かの部下だったことはあって、
先輩になったことはなくても、誰かの後輩だったことはあって、
親になったことはなくても、誰かの子だったことはあって。
そう考えると、生きてていちばん、これでもか、とすれ違うのが男女の関係だというのは当然なのかもしれない。
女になったことはなくても、誰かのオンナだったことは…
いや急に妖しいねおい。
前作『依存』で西澤ミステリここに極まれり、と思ったけどはじまりに過ぎなかった…。相変わらずのパズラーとしても、ストーリーテリングの手法も、そしてなりよりシリーズとしても。まだまだ続きが読みたい。
ほんとに、6 -
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ネタバレ――
ぜんぶひとごとなのは、じぶんがないからじゃない?
『仔羊たちの聖夜』、『スコッチ・ゲーム』と合わせて3部作、として読むのがお勧め。
積み重ねてきたもやもやとしたものを、ひとまず清算してくれる。スカッとする、というわけではないのだけれど、ただ、希望を手にするというか。
シリーズはまだまだ続くから、中間決算、といったところかな?
とはいえ内容はやっぱり重い。特にこれまでよいどれ仙人的だったタックのこんな姿を、と思うと辛いところ。でもこういうときが来るべくして来た、とも云える。
なんだかんだ、このシリーズの幹になっているのはやっぱりボンちゃんなんだなぁ、と思いました -
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ネタバレ――
「解ってたんだね?」
「いえ、探偵したんです」
…これいつの台詞だっけねぇ。思い出せずに困っています。
わたしのレヴューをある程度読んでくれている方(そんな奇特なひと居るのか…?)はなんとなくお解りだと思いますが、ステレオタイプな男性/女性像、とか典型的な老人による不理解、とかが極端に嫌い。それもこう、なんだろう明らかに物語上そういった機能を持たされてるひと、っていうのだと最悪。別にそういうひとが居るからって、逆にリベラルな人間(こういう局面で遣うことばかは疑問だけど。何かが薄まる気がする)が輝いて見えるってわけでもないから。
そんなに単純じゃねぇよ、って、時にはそのス -
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ネタバレ――
一億総探偵社会とは誰が云ったものか。
誰も云ってないってそんなこと!
さてさて、ビールが飲みたくなくミステリNO.1、酩酊探偵シリーズに入りますよ。
飲めば飲むほど冴え渡る、タックこと匠千暁の、最初の事件! と位置付けられた本書。このシリーズは何をおいても、主人公4人の軽快なやり取りと、匠くんと辺見先輩の酒量を楽しむのが正攻法。どんなだ。序盤にはっきりと、「僕と先輩の接点は“酒”のみだ」と断言されているけれど、その繋がり方と、そこから広がる4人の関係性が面白い。そういう4人の掛け合いと、グロテスクと表現されるミステリ部分とのギャップがまた、たまらん。
しっかりと完 -
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ぬいぐるみをこよなく愛するキャリアの音無美紀警部(男、イケメン)だが、一応公にはなっていなくて、注意深い部下の桂島刑事だけが気付いている。その音無を密かに恋していろいろと脳内で妄想にふける則竹佐智枝主任も気づいていない。桂島刑事は則竹主任の気持ちにも気付いている。心の中ではいろいろあっても表面上は何事もない、このあたりの描き方が面白い。周りの人間がいいんだよね。どの事件でもぬいぐるみをきっかけにして、音無は鮮やかに事件を解決してしまう。音無警部が事件を解決したらディナーに誘おうと密かに賭けをしていた則竹主任はどうしたのかなあ。めでたく誘ったのか、それとも…。