西澤保彦のレビュー一覧

  • スリーピング事故物件

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    オカルトではあるもののミステリとして面白い。設定は奇抜だし、ちょこちょこ下世話な部分があるが、それはこの作者ならではで面白く読めた。

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    2022年01月26日
  • 偶然にして最悪の邂逅

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    西澤保彦さんの本格ミステリが5編詰まった短編集。デビュー25周年だと。

    まぁ西澤さんのロジカルな感じが好きならまず間違いなく楽しめる。私もこの手が好きなので読んでいたのだが、なかなか頭の中の整理が追い付かず少々てこずった。最後まで読むとあれがあーなってそういうことだったのかー…ん、んー?みたいな。2度読み必至。何度ページを遡ったことか。でもどれもなるほどと納得。これぞ西澤ワールド。スカッとするわけではなかったけど読み応え十分。

    ハマる人しかハマらないんだろうなとは思う。私はハマったクチなので面白かったのだ。

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    2022年01月25日
  • スリーピング事故物件

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    昔からの因縁の関係の由布子に誘われ、由布子の姪の真歩と3人で超格安な事故物件でルームシェアを始める事になった初音。事故が起こった部屋にはワープロが残されていたが、真歩が文字を入力してみると21年前に殺された男性からの返信が!成り行きで3人は21年前の事件の謎を解く事になる。全体に百合要素が漂っているがエロはほぼなしだし聞き込みでの無駄話が思わぬ要素に繋がったり、皆で飲み食いしながら推論を重ねる展開はロジカルで安心の西澤さん。解決編の入りがやや性急に思ったけど漂う黒さを納得させられてしまう技は流石の一言だ。最近の西澤作品の中では人に勧めやすいと思ったけどこれ位の百合要素でも無理な人は無理かなぁ。

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    2022年01月02日
  • 依存

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    これは謎ジャンルと言うべきか。
    序盤の展開はチャラいというか、なんか今どきはあまりいない感じの人々というか言葉使いとか雰囲気とか、あだ名とかなんなん、とか、微妙だなぁと思っていたのに、いつの間にかすごい追い込みが待っているという。いや侮れん。
    しかし何しろ途中に伏線というか、これは後でとか、今は明かされないけど、とか、そんなんばっか出てくるので、どの伏線が回収されたんかされなかったんかもよく分からん。でも最後は勢いで盛り上がってまぁ面白かったということで誤魔化そう。

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    2021年12月04日
  • 人格転移の殺人

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    ネタバレ

    真相「だけ」なら予想はしやすい

    一人だけ転移せずに死んだ人がいる→死んだ人と生き残った人で入れ違いが起きていても気付かれないパターンがある(英語の発音・理解度などから)→意外性のある結末を考えるなら、綾子の人格が生きていてアランが死んでいるパターンだな……と
    んで実際にその通りだったんだけど、そこだけが解ったからなんだっつー話なのよね

    真の真相に至るまでのいくつもの論理とか、そういった部分を全部含めて楽しめた
    綾子が転移後の自分の体とジャクリーンを間違えて殺してしまう過程とか大好き、シンプルでわかりやすく綺麗な推論

    読み始めたころは「こんな人数で人格転移が起きつつの連続殺人とか、絶対にご

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    2021年12月02日
  • スリーピング事故物件

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    ネタバレ

     男関係で因縁があるユウと初音。ひょんな事から事故物件でルームシェアをする事になり、ユウの姪の真歩もシェアのメンバーに加わった。その事故物件は、21年前に起きた殺人事件で殺された霊が宿ってると言い…

     ユウ、初音、真歩の姦しい3人の周りのメンバーが複雑に絡み合い、ラストまで一気読みでした。まさかそんな理由だったとは…思いもよらない展開でした。

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    2021年09月10日
  • 方舟(はこぶね)は冬の国へ

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    ネタバレ

    綺麗にまとめたなあという印象。十和人たちのお仕事の目的とか、後半になるに従ってできるようになることの理由とかが、もう少し驚きに満ちたびっくり展開だったらもっと楽しめたかもしれない。

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    2021年07月10日
  • 人格転移の殺人

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    人格が入れ替わるという実験施設に大地震の際に逃げ込んだ6人の間で起こる連続殺人事件。
    SFミステリー兼叙述トリックとして有名な作品。
    設定が絶妙すぎて、読んでる最中にところどころ設定確認しながら没頭してしまった。SFって何でもあり感があるので、あまり好きではなかったけど、最初に設定をしっかりさせておいてから、ロジックで勝負するものは大歓迎!(例として挙げるなら漫画HUNTER×HUNTERのグリードアイランドみたいな感じかな?)
    次々と人格転移が起こる中、狂気と化した殺人者が襲ってくる!映画CUBEバリに興奮しました!徹夜レベルの面白さでした!
    ただ終盤のトリックと動機がぶっ飛び過ぎてて、若干

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    2021年05月23日
  • 麦酒の家の冒険

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    偶然迷い込んだ山中の別荘にあったのは、キチンとベッドメイキングされたシングルベッドとキンキンに冷えた大量のビールだった。
    このような不思議な舞台設定から何が起こるのかとワクワクしていたのだが、基本的には何も起こらない。この別荘の謎をビール片手にアレコレ想像している話なのだが、大変面白かった。真相そのものよりも、そこに至るまでの論理の積み重ねを楽しませてくれるので、自分自身の好みとも相まって楽しく読み進められた。
    ただ、ワタクシ自身はビールが好きではないので、そこは感情移入できなくて非常に残念だった。

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    2021年05月21日
  • 収穫祭(下)

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    後半はスプラッター描写は少し収まりミステリー的な要素も出てくるが…。

    スプラッター調のサスペンスで始まり、本格的な要素も入れつつ、強烈な殺意に翻弄された人々の一大絵巻となっている。
    30年にわたる愛憎の蓄積が様々な人々を巻き込んで凄惨な事件を引き起こす構図は緻密で、ただの脇キャラがのちに事件に巻き込まれたり舵を取ったりと、意外な展開が最後まで続いた。

    ただし最後の最後まで、不要なまでのスプラッター&エログロ描写の多さには辟易させられる。
    プロットやセリフが活きているだけに本当に残念。

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    2021年05月19日
  • 解体諸因

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    約20年ぶりに再読。
    その後、何作にも続く匠千暁シリーズの第一作目。ボアン先輩やタカチも出演するバラバラ殺人短編連作集。ウサコはまだ出てこない。
    この作品だけではそこまでの作品ではないが、後作を読んで再度読むと人間関係を知っているだけにちょっと背景が伺えて面白い。

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    2021年05月01日
  • 人格転移の殺人

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    ミステリーとしてはもちろんだけど、SF小説にまで興味が湧く面白さ。

    読後、茶筒のようなその筐体(人格交換装置)がじわりじわりと存在感を拡げてくる。

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    2021年04月11日
  • 麦酒の家の冒険

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     昔はビールといえばヱビスじゃなきゃ、とか生意気云ってる20代だったけれどすっかり黒ラベル派です。そうするとぎっしり詰まった冷蔵庫開けても黄金色の光、とはならないのか……黒バックのゴールドスターがずらりと並んでるのも壮観だとは思うけど、でもロング缶詰め込むならきっと寝かすよね。そうするとヱビスだとしてもそんなに黄金色になるのか?
     試してみようかなえへへ←


     はい、少し遡ってレヴュです。
     所謂『nine mile walk』をこれでもか、と長編にしたような作品。とはいえ現地で49本もヱビス呑んでるんだから全然安楽椅子探偵してないけど。
     そのあたり酩酊探偵シリーズの、ある意味御挨拶

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    2021年04月03日
  • 悪魔を憐れむ

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    ネタバレ

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     酩酊探偵シリーズもここまできました。
     なんだか人生見てる感じがしてきて感慨深いですよ僕は…

     それぞれの形、というのを持っていると、シリーズでも何でも飽きずにしっかり読めるものです。
     同じような、って飽きる場合もあるんだろうけど。
     中心にテーマを置いて、その周辺をぐるぐると、回っているのがひとってもので。
     それを書き切るってことはきっとないんだろうな。

     特筆すべきはやはり表題作の「悪魔を憐れむ」。
     これまで一貫しているメインテーマが、そのまま殺人者となったかのような犯人像にぞっとする。
     或いは探偵と殺人者との差は、それを暴く側と行う側、というだけの差でしかないとい

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    2021年04月01日
  • 新装版 瞬間移動死体

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    まず特殊設定の作り方が上手い。
    ただ"瞬間移動ができる"というだけではなく、移動すると裸になってしまううえに、移動先から元の場所へ何かが送られてくる。また、主人公は超がつくほどの下戸だが、酒を飲まないと能力を使えない。

    そしてこの移動のための条件があるからこそ見事なロジックが出来上がっている。やはりこういうロジックがしっかりしている作品は面白い。

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    2021年03月18日
  • 人格転移の殺人

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    トンデモ設定だが、ロジックがしっかりしている。人格が入れ替わりまくるところは読むのが大変だったが、全体的には読みやすい。
    なぜこの装置があるのか、というオチも上手い。

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    2021年03月18日
  • 彼女が死んだ夜

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    ネタバレ

     女子大生のハコちゃんが飲み会から帰ってくると、家に見知らぬ女性の死体があるのを発見。異常なほど厳格な両親にバレたくないというその一心で、飲み友達を巻き込み、何とか隠蔽しようとするのだが…。
     主に探偵役を務めるのは、巻き込まれた飲み友達の一人であるタックこと匠千暁で、所謂素人探偵もの。まさにこの「探偵が素人」という設定を活かしたトリックで、最後のどんでん返しには唸らされた。

     推理に関して、こじつけ臭いだとか、妄想がたまたま当たっただけ感があるだとかいう感想を抱く方も居られるだろうし、確かにそれは否定できない。というか、まったくもってその通りだ。だが、僕としては、突拍子もないというのは悪い

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    2021年03月16日
  • 身代わり

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     上司になったことはなくても、誰かの部下だったことはあって、
     先輩になったことはなくても、誰かの後輩だったことはあって、
     親になったことはなくても、誰かの子だったことはあって。

     そう考えると、生きてていちばん、これでもか、とすれ違うのが男女の関係だというのは当然なのかもしれない。

     女になったことはなくても、誰かのオンナだったことは…
     いや急に妖しいねおい。



     前作『依存』で西澤ミステリここに極まれり、と思ったけどはじまりに過ぎなかった…。相変わらずのパズラーとしても、ストーリーテリングの手法も、そしてなりよりシリーズとしても。まだまだ続きが読みたい。
     ほんとに、6

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    2021年03月12日
  • 方舟は冬の国へ

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    嘘の家族を短期間演じるだけで、高額な報酬が貰える!
    会ってみると、妻役は美人!
    この設定だと、少なくとも旦那役はワクワクするな!
    ひょっとして私だけ(・・?) そんな考え…
    3人で生活していくうちに、テレパシーが使えるようになったり、予知能力も!
    「なに⁉︎ なに⁉︎ これで、オチはどうなるの!」っ思って読み進めるけど、なかなか分からん…
    最後には、分かるんやけど、ええ感じではあるな。
    知らんもん同士でも、「一目会ったその日から、恋の花が咲くこともある…」ってのもあるし、ええんとちゃうかな。

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    2021年03月11日
  • 依存

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    ネタバレ

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     ぜんぶひとごとなのは、じぶんがないからじゃない?



     『仔羊たちの聖夜』、『スコッチ・ゲーム』と合わせて3部作、として読むのがお勧め。
     積み重ねてきたもやもやとしたものを、ひとまず清算してくれる。スカッとする、というわけではないのだけれど、ただ、希望を手にするというか。
     シリーズはまだまだ続くから、中間決算、といったところかな?

     とはいえ内容はやっぱり重い。特にこれまでよいどれ仙人的だったタックのこんな姿を、と思うと辛いところ。でもこういうときが来るべくして来た、とも云える。


     なんだかんだ、このシリーズの幹になっているのはやっぱりボンちゃんなんだなぁ、と思いました

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    2021年03月10日